pythonの仮想環境で、別のバージュンのpythonをインストールしたい
Pythonの仮想環境で別のバージョンのPythonを利用するには、pyenv のようなPythonバージョン管理ツールと、Pythonに標準で付属している venv を組み合わせるのが最も一般的で強力な方法です。
pyenv を使うと、1つのシステム内に複数のPythonバージョン(例: 3.9, 3.10, 3.11)を簡単にインストールし、プロジェクトごとに使用するバージョンを切り替えることができます。
## pyenv と venv を使った手順
この方法では、まず pyenv で使いたいバージョンのPythonをPCにインストールし、次にそのバージョンを使ってプロジェクト用の仮想環境 (venv) を作成します。
ステップ 1: pyenv をインストールする
まだ pyenv をインストールしていない場合は、お使いのOSに合わせてインストールします。
- macOS (Homebrewを使用):Bash
brew update brew install pyenv - Windows: Windowsでは、
pyenv-winという代替ツールを使用します。詳細はリンク先のドキュメントを参照してください。
インストール後、シェルの設定ファイル (.zshrc, .bash_profile など) に pyenv を初期化するコマンドを追加する必要があります。
ステップ 2: 使いたいPythonバージョンをインストールする
次に、pyenv を使ってプロジェクトで利用したいPythonのバージョンをインストールします。
- インストール可能なバージョン一覧を確認:Bash
pyenv install --list - 特定のバージョンをインストール (例: 3.10.14):Bash
pyenv install 3.10.14これで、お使いのPCにPython 3.10.14がインストールされました。
ステップ 3: プロジェクトで使用するPythonバージョンを指定する
プロジェクト用のディレクトリを作成(または移動)し、その中で使用するPythonのバージョンを pyenv で指定します。
Bash
# プロジェクト用のディレクトリに移動
cd my-new-project
# このディレクトリではPython 3.10.14 を使うことを宣言
pyenv local 3.10.14
このコマンドを実行すると、ディレクトリ内に .python-version というファイルが作成され、このディレクトリにいる間は自動的にPython 3.10.14が使われるようになります。
ステップ 4: 仮想環境を作成して有効化する
最後に、pyenv で指定したバージョン(この例では3.10.14)のPythonを使って、標準の venv 機能で仮想環境を作成します。
- 仮想環境の作成 (環境名は慣習的に
.venvが多い):Bashpython -m venv .venvポイント: このpythonコマンドは、pyenv localで設定した 3.10.14 を自動的に参照します。 - 仮想環境の有効化 (アクティベート):
- macOS / Linux:Bash
source .venv/bin/activate - Windows (コマンドプロンプト):Bash
.\.venv\Scripts\activate
- macOS / Linux:Bash
これで完了です!ターミナルのプロンプトの先頭に (.venv) と表示され、この仮想環境内ではPython 3.10.14が使われます。pip でパッケージをインストールしても、この環境内にのみ保存されます。
## (代替案) conda を使う方法
データサイエンス系の開発では、conda (Anaconda / Miniconda) も非常に人気があります。conda は、Pythonのバージョン管理と仮想環境管理を同時に行うことができます。
conda がインストールされていれば、以下のコマンド1つで特定のPythonバージョンを持つ新しい環境を作成できます。
Bash
# "myenv" という名前で、Python 3.9 を持つ環境を作成
conda create --name myenv python=3.9
# 作成した環境を有効化
conda activate myenv
conda は特に、科学技術計算ライブラリなど、複雑な依存関係を持つパッケージのインストールに強いというメリットがあります。
どちらの方法を選ぶかは好みやプロジェクトの性質によりますが、一般的なWeb開発などでは pyenv + venv の組み合わせが広く使われています。

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