SQL(Structured Query Language)は、リレーショナルデータベースを操作・管理するための標準的な言語です。データを取り出したり、新しく追加・更新・削除したりする際に不可欠な、最も基本的な文法(コマンド)を解説します。
1. データを「取り出す」:SELECT文
データベースの操作において、最も頻繁に使うのがデータを取得する**SELECT**文です。
| コマンド | 役割 | 構文 |
SELECT | 取得したい**列(カラム)を指定します。 | SELECT カラム名, カラム名, ... |
FROM | データを取得するテーブル**を指定します。 | FROM テーブル名 |
WHERE | 取得するデータに条件をつけます。 | WHERE 条件式 |
基本構文
SQL
SELECT カラム名1, カラム名2
FROM テーブル名
WHERE 条件;
💡 実践的な使い方
- すべての列を取得する:SQL
SELECT * FROM Users; -- Usersテーブルの全てのデータを取得 - 特定の条件で絞り込む:SQL
SELECT name, emailFROM UsersWHERE age > 30; -- 30歳より大きいユーザーの名前とメールアドレスを取得
2. データを「操作する」:DML(データ操作言語)
テーブル内のデータ自体を変更するコマンド群です。
1. 新しいデータを追加:INSERT文
テーブルに新しい行(レコード)を追加します。
SQL
INSERT INTO テーブル名 (カラム名1, カラム名2)
VALUES (値1, 値2);
例:
Productsテーブルに新しい商品を追加SQL
INSERT INTO Products (id, name, price) VALUES (101, 'ノートPC', 120000);
2. 既存のデータを更新:UPDATE文
指定した条件に一致する行のデータを変更します。
SQL
UPDATE テーブル名
SET カラム名1 = 新しい値1, カラム名2 = 新しい値2
WHERE 条件;
例: IDが101の商品の価格を110000に更新
SQL
UPDATE Products SET price = 110000 WHERE id = 101;⚠️ 注意:
WHERE句を忘れると、テーブルの全てのデータが更新されてしまうので要注意です。
3. データを削除:DELETE文
指定した条件に一致する行をテーブルから削除します。
SQL
DELETE FROM テーブル名
WHERE 条件;
例: IDが101の商品を削除
SQL
DELETE FROM Products WHERE id = 101;⚠️ 注意:
UPDATE文と同様に、WHERE句を忘れるとテーブルの全てのデータが削除されます。
3. データを「まとめる」:集計関数とGROUP BY
大量のデータを分析する際、特定の列でグループ化したり、合計や平均を算出したりします。
1. 集計関数(Aggregate Functions)
| 関数名 | 役割 |
COUNT() | 行の数を数える。 |
SUM() | 数値の合計を計算する。 |
AVG() | 数値の平均を計算する。 |
MAX() | 最大値を取得する。 |
MIN() | 最小値を取得する。 |
2. グループ化:GROUP BY句
集計関数を使う際、特定の列の値ごとに結果をまとめたい場合に利用します。
SQL
SELECT カラム名, COUNT(*)
FROM テーブル名
GROUP BY カラム名;
例:
Ordersテーブルのcustomer_idごとに注文数を集計SQL
SELECT customer_id, COUNT(order_id) AS total_orders FROM Orders GROUP BY customer_id;
4. まとめ
SQLの基本は、以下の4つの操作に集約されます。
- SELECT:データを取得
- INSERT:データを追加
- UPDATE:データを更新
- DELETE:データを削除
これらのコマンドと、WHEREやGROUP BYといった修飾句を組み合わせることで、ほとんどのデータベース操作が可能です。まずはこれらの基本文法をマスターし、実際にデータベースを操作してみましょう!


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