リバーブ(Reverb: 残響)とディレイ(Delay: やまびこ)は、音に空間的な広がりや奥行きを与えるためのエフェクトです。これらを適切に使うことで、録音した声がスタジオで歌っているような、豊かで自然な響きになります。
1. リバーブ(Reverb:残響)の使い方
リバーブは、音の残響をシミュレートするエフェクトです。カラオケでエコーをかけるのに近いですが、GarageBandではホールの大きさや残響の長さを細かく設定できます。
【手順:マスターエフェクトでの調整】
モバイル版GarageBandでは、曲全体にかかる「マスターエフェクト」としてリバーブを調整するのが最も簡単です。
- 設定画面を開く: コントロールバーにある歯車アイコン(設定)をタップし、「ソング設定」を開きます。
- マスターエフェクトへ: 「マスターエフェクト」の項目をタップします。
- リバーブのスライダー調整: 「リバーブ」のスライダーを調整します。
- スライダーを右に動かすほど、残響が大きく、長くなります。
- ポップスのボーカルでは、1/4〜1/3程度から調整を始めると、自然な広がりが出やすいです。
- リバーブの種類の選択: 「リバーブプリセット」をタップすると、「Small Room(小さな部屋)」、「Large Hall(大きなホール)」など、残響の空間タイプを選ぶことができます。ボーカルには「Vocal Hall」や「Bright Reverb」などがよく使われます。
2. ディレイ(Delay:やまびこ)の使い方
ディレイは、音を一定時間遅らせて繰り返すエフェクトで、山びこのような効果や、リズムに合わせて音を繰り返す効果を作ります。
【手順:マスターエフェクトでの調整】
ディレイもリバーブと同様に、マスターエフェクトから調整するのが簡単です。
- 上記のリバーブの手順と同じく、「ソング設定」→「マスターエフェクト」を開きます。
- 「エコー」(ディレイに相当する名称)のスライダーを調整します。
- スライダーを右に動かすほど、やまびこの回数や音が大きくなります。
- ディレイの種類の選択: 「エコープリセット」をタップし、「Analog Delay」や「Slapback」(特にロックやカントリーのボーカルに有効)など、曲調に合った種類を選びます。
3. 【上級テクニック】トラックごとのエフェクト調整
マスターエフェクトで曲全体の雰囲気を整えたら、特定のボーカルトラックだけに独自のエフェクトを加えたい場合があります。
- ボーカルトラックの選択とコントロールを開く: トラック表示画面でボーカルトラックを選択し、ミキサーアイコン(トラックコントロール)を開きます。
- プラグインの追加: 「プラグインとEQ」セクションを展開します。
- 個別エフェクトの挿入: 空いているスロットの「編集」をタップし、エフェクトリストから「Reverb」や「Delay」を選んで追加します。
- 調整: 追加したエフェクトをタップすると、ウェット/ドライ(原音とエフェクト音の比率)やフィードバック(繰り返し回数)など、より詳細なパラメーターを調整できます。
⚠️ 注意点: リバーブやディレイをかけすぎると、歌っている言葉が不明瞭になったり、音が混ざり合ってしまったりします。「少し足りないかな?」と感じるくらいで止めておくのが、プロのようなミックスにするコツです。
このリバーブとディレイの技術を取り入れることで、あなたのボーカルトラックはプロフェッショナルな響きを持つようになるでしょう。

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