【数Ⅰ:第2回】たすき掛け完全攻略!因数分解の基本パターン

こんにちは!高校数学の学習ブログへようこそ!

第1回では「降べきの順」と「3乗の展開公式」を勉強しましたね。

第2回となる今回のテーマは、高校数学で絶対に避けては通れない超・重要テクニック「たすき掛け(クロス掛け)」です!

「中学の因数分解は得意だったのに、高校に入った途端に分からなくなった…」

「組み合わせを探すのに時間がかかりすぎて嫌になる…」

そんな悩みを抱える人はとても多いです。でも安心してください!

たすき掛けはセンスではなく、「手順を決めて探すゲーム」です。コツさえ掴めば、パズルを解くようにスラスラ計算できるようになりますよ!

1. なぜ「たすき掛け」が必要なの?

中学で習った因数分解は、$x^2 + 5x + 6 = (x + 2)(x + 3)$ のように $x^2$ の前の数字(係数)が「1」 のものばかりでした。

しかし、高校数学では $3x^2 + 7x + 2$ のように $x^2$ の前に数字(2や3など)がつく式 が当たり前のように登場します。

このように $ax^2 + bx + c$ の形をした式を因数分解するために使う必殺技こそが、今回の「たすき掛け」です!

2. たすき掛けの基本原理と手順

たすき掛けのゴールは、展開の逆を計算することです。

$$(px + q)(rx + s) = prx^2 + (ps + qr)x + qs$$

この仕組みを応用して、以下の手順で数字の組み合わせを探していきます。

  p      q  --->  qr
X X X +
r s ---> ps
|
| |
↓ ↓ ↓
a=pr c=qs b=qr+ps

攻略の4ステップ

  1. かけて $a$($x^2$ の係数)になる2つの数 を縦に並べる($p$ と $r$)
  2. かけて $c$(定数項)になる2つの数 を縦に並べる($q$ と $s$)
  3. 斜め(たすき状)にかけ算 して、出た答えを足し合わせる
  4. 足した結果が $b$($x$ の係数)に一致したら成功! 横に並べてカッコに入れる

言葉だけだとピンとこないと思うので、実際の例題で試してみましょう!

3. 【実践】例題で覚えるたすき掛け

問題:次の式を因数分解しなさい。

$$3x^2 + 7x + 2$$

ステップ1&2:かけて「3」になる数と、かけて「2」になる数を探す

  • かけて $3$ になるペア:$1$ と $3$
  • かけて $2$ になるペア:$1$ と $2$(または $2$ と $1$)

ステップ3:斜めに掛け算して試してみる

【失敗パターン】

  1 \  / 1  --->  3 × 1 = 3
     X
  3 /  \ 2  --->  1 × 2 = 2
-------------------------------
  3      2        合計: 3 + 2 = 5  (× 7にならない!)

足して「$5$」になってしまいました。目標は「$+7$」なので、これは失敗です!

【成功パターン】

右側の「$1$ と $2$」の上下をひっくり返してみましょう。

  1 \  / 2  --->  3 × 2 = 6
     X
  3 /  \ 1  --->  1 × 1 = 1
-------------------------------
  3      2        合計: 6 + 1 = 7  (◯ 見事ピッタリ!)

斜めに計算して足したら「$+7$」になりました!大成功です!

ステップ4:横に見てカッコに入れる

成功した配置を 「横に並べて」($x$ を補って)カッコに入れます。

  • 上の段:$1$ と $2$ $\to (1x + 2) = (x + 2)$
  • 下の段:$3$ と $1$ $\to (3x + 1)$

こたえ

$$(x + 2)(3x + 1)$$

※ $(3x + 1)(x + 2)$ と順番が逆になっていても正解です!

4. マイナスが入ったときの鉄則!

定数項や $x$ の係数に「マイナス」が入ってくると、少し迷いやすくなります。

でも、次のルールを知っていれば怖くありません!

マイナス処理の極意

  • 定数項(後ろ)がマイナス のとき $\to$ かける2数の 符号が違う(+と-)
  • 定数項(後ろ)がプラスで、$x$ の係数(真ん中)がマイナス のとき $\to$ かける2数は 両方マイナス(-と-)

【計算例】マイナスを含む問題

問題:$2x^2 – 5x – 3$ を因数分解しなさい。

  • かけて $2$ になるペア:$1$ と $2$
  • かけて $-3$ になるペア:$+1$ と $-3$(または $-1$ と $+3$)

目標は、斜めに足して 「$-5$」 にすることです。

  1 \  / -3  --->  2 × (-3) = -6
     X
  2 /  \ +1  --->  1 × (+1) = +1
-----------------------------------
  2      -3        合計: -6 + 1 = -5  (◯ ピッタリ!)

横に並べてカッコに入れると…

こたえ

$$(x – 3)(2x + 1)$$

5. 練習問題にチャレンジ!

自分の手で紙に「たすき」を書いて解いてみましょう!

【問1】

$$2x^2 + 5x + 3$$

【問2】

$$4x^2 – 8x + 3$$

【解答・解説】

【問1の答え】

  • かけて $2 \to 1$ と $2$
  • かけて $3 \to 1$ と $3$
  1 \  / 1  --->  2 × 1 = 2
     X
  2 /  \ 3  --->  1 × 3 = 3
-------------------------------
  2      3        合計: 2 + 3 = 5

$\to$ 正解:$(x + 1)(2x + 3)$

【問2の答え】

真ん中がマイナスで後ろがプラスなので、両方マイナスのペアを考えます。

  • かけて $4 \to 2$ と $2$
  • かけて $3 \to -1$ と $-3$
  2 \  / -1  --->  2 × (-1) = -2
     X
  2 /  \ -3  --->  2 × (-3) = -6
----------------------------------
  4      +3        合計: -2 + (-6) = -8

$\to$ 正解:$(2x – 1)(2x – 3)$

まとめ

今日のポイントをおさらいしましょう!

  1. $x^2$ の前に数字がついたら「たすき掛け」を使う!
  2. かけて左端、かけて右端になる数を並べて 斜めにかける
  3. 足して真ん中の数字になったら、横に見てカッコに入れる
  4. 慣れるまでは、失敗しても気にせず 何度も書いて試す のが1番の近道!

たすき掛けは、スポーツや楽器の練習と同じで「慣れ」がすべてです。最初は時間がかかっても、10問〜20問と解いていくうちに頭の中で計算できるようになりますよ!

次回は、一見複雑に見える「置換(置き換え)や最低次数の文字に着目する因数分解」をスッキリ解くコツを解説します。お楽しみに!

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