【数Ⅰ:第14回】2次関数の決定(与えられた条件から式を求める)

高校数学

「2次関数の式を求めなさいという問題、式の形がいろいろあってどれを使えばいいのか分からない…」

「$y = ax^2 + bx + c$ に代入したけれど、連立方程式の計算が複雑すぎて途中で間違えてしまう」

定期テストや入試の標準問題で必ず出題されるのが、与えられた条件から2次関数の式を決定する問題です。

2次関数の決定問題をスムーズに解くコツは、「与えられた条件に合わせて、スタート時の基本形を正しく選ぶこと」に尽きます。

今回は、2次関数の決定で使う3つの基本形と、条件別の使い分けテクニックを例題付きで分かりやすく解説します!

1. 2次関数の決定で使う「3つの基本形」

2次関数の決定問題では、問題文のヒントに応じて以下の3つの形のいずれかからスタートします。

式の形名称主な使用条件・ヒント
$y = a(x – p)^2 + q$標準形頂点 の情報があるとき
$y = ax^2 + bx + c$一般形通る3点 の情報があるとき(特に $y$ 切片など)
$y = a(x – \alpha)(x – \beta)$分解形$x$ 軸との交点 $(x, 0)$ が2つ分かっているとき

「どれを使えばいいか」を問題文から見抜くトレーニングをしていきましょう。

2. パターン①:頂点や軸が分かっている場合(標準形)

頂点や軸に関する条件が含まれているときは、標準形 $y = a(x – p)^2 + q$ を使います。

【例題1】

頂点が点 $(2, -1)$ で、点 $(4, 7)$ を通る2次関数を求めよ。

解答・解説

  1. 頂点が $(2, -1)$ なので、標準形に代入して式を設定します。$$y = a(x – 2)^2 – 1$$
  2. このグラフが点 $(4, 7)$ を通るので、$x = 4, y = 7$ を代入します。$$7 = a(4 – 2)^2 – 1$$$$7 = 4a – 1$$$$4a = 8 \quad \implies \quad a = 2$$
  3. 求めた $a = 2$ を最初の式に代入します。

【答え】

$$y = 2(x – 2)^2 – 1 \quad (\text{または } y = 2x^2 – 8x + 7)$$

💡 ポイント

解答の形式は $y = a(x – p)^2 + q$ のままでも、展開した $y = ax^2 + bx + c$ の形でも基本的にはどちらでも正解になります(問題文で指定がある場合は従いましょう)。

3. パターン②:通る3点が分かっている場合(一般形)

頂点や軸の情報がなく、単に「3つの点を通る」という条件の場合は、一般形 $y = ax^2 + bx + c$ を使い、$a, b, c$ の3元一次連立方程式を解きます。

【例題2】

3点 $(0, 3)$, $(1, 2)$, $(2, 5)$ を通る2次関数を求めよ。

解答・解説

  1. 一般形 $y = ax^2 + bx + c$ に各点の座標を代入します。
    • $(0, 3)$ を代入:$$3 = c \quad \implies \quad c = 3$$
    • $(1, 2)$ を代入:$$2 = a(1)^2 + b(1) + c \quad \implies \quad a + b + c = 2$$
    • $(2, 5)$ を代入:$$5 = a(2)^2 + b(2) + c \quad \implies \quad 4a + 2b + c = 5$$
  2. $c = 3$ がすでに分かっているので、残りの2式に代入して整理します。
    • $a + b + 3 = 2 \quad \implies \quad a + b = -1$ ……①
    • $4a + 2b + 3 = 5 \quad \implies \quad 4a + 2b = 2 \quad \implies \quad 2a + b = 1$ ……②
  3. ①と②の連立方程式を解きます。② – ① より:$$a = 2$$①に代入して:$$2 + b = -1 \quad \implies \quad b = -3$$

【答え】

$$y = 2x^2 – 3x + 3$$

💡 ポイント

$(0, 3)$ のように $x = 0$ の点が与えられている場合、それは $y$ 切片($= c$ の値) そのものです。真っ先に $c$ が決まるため、計算が非常に楽になります!

4. パターン③:$x$ 軸との交点が分かっている場合(分解形)

「$x$ 軸と $(\alpha, 0), (\beta, 0)$ で交わる」という条件がある場合は、分解形 $y = a(x – \alpha)(x – \beta)$ を使うと、連立方程式を使わずに一瞬で解くことができます。

【例題3】

$x$ 軸と点 $(-1, 0)$, $(3, 0)$ で交わり、点 $(1, -8)$ を通る2次関数を求めよ。

解答・解説

  1. $x$ 軸との交点が $x = -1, 3$ なので、分解形に代入して式を設定します。$$y = a(x + 1)(x – 3)$$
  2. このグラフが点 $(1, -8)$ を通るので、$x = 1, y = -8$ を代入します。$$-8 = a(1 + 1)(1 – 3)$$$$-8 = a(2)(-2)$$$$-8 = -4a \quad \implies \quad a = 2$$
  3. 求めた $a = 2$ を式に代入します。$$y = 2(x + 1)(x – 3)$$

【答え】

$$y = 2(x + 1)(x – 3) \quad (\text{または } y = 2x^2 – 4x – 6)$$

💡 裏ワザポイント

一般形 $y = ax^2 + bx + c$ に3点を代入しても解けますが、分解形を使うと $a$ の1次方程式になるため、計算ミスを劇的に減らすことができます!

5. まとめ&判定チャート

2次関数の決定問題に出会ったら、まずは問題文のキーワードをチェックしましょう!

【問題文のキーワード】                     【使うスタートの式】
「頂点が〜」「軸が〜」    ───►  y = a(x - p)² + q  (標準形)
「3点〜を通る」        ───►  y = ax² + bx + c    (一般形)
「x軸と(α,0),(β,0)で交わる」 ───►  y = a(x - α)(x - β) (分解形)

適切なスタートの式を選べれば、あとは代入と簡単な方程式の計算だけです。

ノートに解く際は、必ず「どの形からスタートしたか」を意識しながら練習してみてくださいね。

次回は「第15回:2次方程式の解き方と判別式 $D$」を解説します!

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