【数Ⅰ:第12回】2次関数の最大・最小(基本編)〜グラフを描いて視覚的に攻略しよう!〜

高校数学

みなさんこんにちは!高校数学の解説連載、第12回です。

前回の記事では、2次関数の式を「平方完成」して頂点の座標を求める方法を学びました。今回はいよいよ、高校数学Ⅰの最重要テーマの1つである「2次関数の最大値・最小値」に入っていきます!

「最大値や最小値を求める」と聞くと難しそうに感じるかもしれませんが、手順(アルゴリズム)通りにグラフを描いて考えれば絶対に間違えなくなります。基本をしっかりマスターしていきましょう。

1. 最大値・最小値の考え方(定義域がない場合)

まず、$x$ の範囲(定義域)に特別な制限がない場合の基本ルールを整理しましょう。

2次関数 $y = a(x – p)^2 + q$ のグラフを考えると:

  • $a > 0$(下に凸のグラフ)の場合
    • 一番低い場所は頂点です。したがって、最小値は $q$($x = p$ のとき)となります。
    • 上にはいくらでも伸びていくため、最大値はありません(「なし」と答えます)。
  • $a < 0$(上に凸のグラフ)の場合
    • 一番高い場所は頂点です。したがって、最大値は $q$($x = p$ のとき)となります。
    • 下にはいくらでも伸びていくため、最小値はありません(「なし」と答えます)。

ポイント:

「最大値・最小値」として答える値は $y$ の値(縦軸の値)です。「$x = \dots$ で最大値 $\dots$」のように、$x$ の値もセットで書くのが基本マナーです。

2. 定義域($x$の範囲)がある場合の考え方

テストでよく出題されるのは、$x$ に範囲(定義域 $a \leqq x \leqq b$)がついた問題です。

定義域がある場合は、グラフの一部だけを「切り取って」考えます。切り取られたグラフの中で:

  • 一番高い位置にある点の $y$ 座標 $\rightarrow$ 最大値
  • 一番低い位置にある点の $y$ 座標 $\rightarrow$ 最小値

解く際の手順(3つのステップ)を覚えましょう!

1.式を平方完成する:頂点の座標を把握する。

与えられた2次関数の式を $y = a(x – p)^2 + q$ の形に変形し、頂点 $(p, q)$ と軸の方程式 $x = p$ を求めます。

2.定義域の範囲で簡易的なグラフを描く:頂点と両端の点に注目。

$x$ の範囲(定義域)を意識して、放物線を大まかに描きます。このとき、頂点が定義域の内側にあるか・外側にあるかをはっきりさせることが重要です。

3.グラフの「一番高い点」と「一番低い点」を読み取る:x と y の値をセットで答える。

グラフ上で最も高い点(最大値)と最も低い点(最小値)の $y$ 座標を計算し、「$x = \dots$ のとき、最大値(最小値) $\dots$」と解答します。

3. 例題にチャレンジしてみよう!

実際に問題を解いて、解き方の流れを確認しましょう。

【例題】

次の2次関数の最大値と最小値を求めなさい。また、そのときの $x$ の値を求めなさい。

$$y = x^2 – 4x + 1 \quad (1 \leqq x \leqq 4)$$

【解説】

ステップ1:平方完成する

$$y = (x – 2)^2 – 4 + 1$$

$$y = (x – 2)^2 – 3$$

これにより、グラフは下に凸で、頂点は $(2, -3)$ であることがわかります。

ステップ2・3:定義域における $y$ の値を計算する

定義域の端点($x = 1, 4$)と頂点($x = 2$)における $y$ の値をそれぞれ求めます。

  • $x = 1$ のとき: $y = 1^2 – 4(1) + 1 = -2$
  • $x = 2$(頂点)のとき: $y = -3$
  • $x = 4$ のとき: $y = 4^2 – 4(4) + 1 = 1$

これらを比較すると、グラフ上で:

  • 一番高い場所は $x = 4$ のとき($y = 1$)
  • 一番低い場所は $x = 2$ のとき($y = -3$)

であることがわかります。

【解答】

  • $x = 4$ のとき、最大値 $1$
  • $x = 2$ のとき、最小値 $-3$

4. まとめとよくある失敗パターン

覚えるべきまとめ

  • 平方完成して頂点と軸を求める。
  • グラフを簡単に描いて、一番高い点と一番低い点を目視で確認する。
  • 頂点が定義域の「内側」にあれば、そこが最大値または最小値になる。

よくあるミスの原因!

  1. 端点($x = 1, 4$)だけで計算してしまう:頂点($x = 2$)が定義域に含まれていることを見落とし、端点だけで判断してしまうミスが多発します。必ず「頂点」が範囲内にあるかをチェックしましょう。
  2. $x$ の値と $y$ の値を混同する:最大値・最小値は $y$ の値です。答えの書き方に注意しましょう。

2次関数の最大値・最小値を考える際、「頂点が定義域($x$ の範囲)の内側にあるか、外側にあるか」が最大のポイントです。

頂点が定義域の外側にある場合、放物線の「一番底(または一番高い場所)」を使えないため、定義域の端(両端の $x$ の値)で最大・最小が決まります。

例題

次の2次関数の最大値と最小値を求めなさい。また、そのときの $x$ の値を求めなさい。

$$y = 2x^2 – 8x + 3 \quad (3 \leqq x \leqq 5)$$

解説

ステップ 1:平方完成して頂点を求める

まずは関数の式を平方完成し、グラフの頂点と軸を確認します。

  1. $x$ の項を $x^2$ の係数 $2$ でくくります:$$y = 2(x^2 – 4x) + 3$$
  2. $(x – 2)^2 = x^2 – 4x + 4$ を利用して変形します:$$y = 2\{(x – 2)^2 – 4\} + 3$$
  3. 括弧を展開して整理します:$$y = 2(x – 2)^2 – 8 + 3$$$$y = 2(x – 2)^2 – 5$$
  • グラフの形:下に凸の放物線($x^2$ の係数 $2 > 0$)
  • 頂点:点 $(2, -5)$
  • :直線 $x = 2$

ステップ 2:定義域と頂点(軸)の位置関係をチェックする

  • 定義域:$3 \leqq x \leqq 5$
  • 軸の位置:$x = 2$

軸($x = 2$)は、定義域($3 \leqq x \leqq 5$)の左側の外側にあります。

ステップ 3:グラフの動き(単調性)を確認する

下に凸の放物線は、軸($x = 2$)より右側では「$x$ が増えるほど $y$ も増える(単調増加)」という動きをします。

定義域 $3 \leqq x \leqq 5$ は完全に軸の右側にあるため、この範囲内ではグラフは右上がりになります。

ステップ 4:端点の $y$ の値を計算する

定義域の両端における $y$ の値を求めます。

  • $x = 3$ のとき:$$y = 2(3)^2 – 8(3) + 3 = 18 – 24 + 3 = -3$$
  • $x = 5$ のとき:$$y = 2(5)^2 – 8(5) + 3 = 50 – 40 + 3 = 13$$

ステップ 5:結論を出す

グラフが右上がり(単調増加)であるため:

  • 最小値:定義域の左端 $x = 3$ で最も小さくなります。
  • 最大値:定義域の右端 $x = 5$ で最も大きくなります。

【答え】

  • $x = 5$ のとき、最大値 $13$
  • $x = 3$ のとき、最小値 $-3$

ポイントまとめ

  1. 頂点が定義域の内側にある場合
    • 頂点で最小値(下に凸)または最大値(上に凸)をとります。
  2. 頂点が定義域の外側にある場合
    • 定義域内ではグラフが増加し続けるか、減少し続けるか(単調変化)になります。
    • そのため、必ず定義域の両端($x = a, b$)で最大値・最小値をそれぞれとることになります。

次回(第13回)は、「2次関数の最大・最小(応用編:軸や範囲が動く場合)」を扱います。定期テストや大学受験で差がつく大一番のテーマですので、今回の基本編をしっかり復習しておいてくださいね!

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