【数Ⅰ:第42回】確率の加法定理|「互いに排他」の意味と「足し算・掛け算」の使い分けを徹底解説!

高校数学

「確率の問題で、計算を『足す(+)』のか『掛ける(×)』のか分からなくなる……」

「問題文に出てくる『互いに排他(はいた)』って、結局どういう状態のこと?」

場合の数でも「和の法則」「積の法則」が登場しましたが、確率でも「いつ足して、いつ掛けるのか」の判断は非常に重要なテーマです。

今回は、確率の計算における基礎のキソである「確率の加法定理(和法則)」と、「互いに排他」という言葉の正確な意味、そして「足し算と掛け算の使い分け」について分かりやすく解説します!

1. 「互いに排他(はいた)」とは?

確率の加法定理を理解するうえで、最も大切なキーワードが「排他(互いに排他である)」です。

💡 【互いに排他(Mutually Exclusive)】

2つの事象 A と B が**「同時には絶対に起こらない」**関係にあること。

集合で表すと、共通部分が存在しない状態(A∩B=∅)を意味します。

言葉だけだと難しく感じるかもしれませんが、身近な例で考えると簡単です。

【具体例】1つのサイコロを 1回 投げる場合

  • 事象 A:「1の目が出る」
  • 事象 B:「2の目が出る」

1回のキャストで「1の目」と「2の目」が同時に出ることは絶対にありませんよね。

このように「片方が起これば、もう片方は絶対に起こらない」関係を「互いに排他である」といいます。

2. 確率の加法定理(和の法則)

2つの事象 A,B が互いに排他であるとき、事象 A または B の少なくとも一方が起こる確率 P(A∪B) は、それぞれの確率の足し算(+)で求めることができます。

💡 【確率の加法定理】

A と B が互いに排他であるとき、

P(A∪B)=P(A)+P(B)

⚠️ 注意!排他でないときは単純に足せない

もし A と B が同時に起こる可能性がある(排他でない)場合は、ダブり(重複部分)を引く必要があります。

P(A∪B)=P(A)+P(B)−P(A∩B)

  • :1つのサイコロを投げて「偶数の目(2, 4, 6)」または「3以上の目(3, 4, 5, 6)」が出る確率→ 「4」と「6」は両方に当てはまる(同時に起こる)ため、単純に足すだけではダブってしまいます。

3. 「足し算(+)」と「掛け算(×)」の使い分け

確率の計算で「足すのか・掛けるのか」迷ったら、次のフレーズで整理しましょう!

法則使う場面キーワード計算
和の法則(加法定理)別々の場合分け(同時には起こらない)「〜または…(OR)」+(足し算)
積の法則一連の流れ・連続する動作「〜そして…(AND)」×(掛け算)
  • 足し算(+):「パターン①」と「パターン②」は同時に起こらない(別々の場合分け)
  • 掛け算(×):「1回目に〜して」、続けて「2回目に…する」(連続した一連の動き)

4. 【実践例題】加法定理と積法則の組み合わせ

実際にテストでよく出題される問題を通して、足し算と掛け算の使い分けを確認しましょう。

【例題1】玉を取り出す確率(別々の場合分け = 足し算)

赤玉 4個、白玉 3個が入っている袋から、同時に 2個の玉を取り出すとき、2個とも同じ色である確率を求めよ。

解答・解説

  1. 場合分けをする(排他かどうかを確認)「2個とも同じ色」になるのは、次の 2つのパターン があります。
    • パターンA:2個とも「赤玉」を取り出す
    • パターンB:2個とも「白玉」を取り出す
    「2個とも赤玉」であり、かつ「2個とも白玉」であることは同時に起こり得ないので、パターンA と パターンB は互いに排他です。
  2. すべての取り出し方の総数 N を求める合計 7個から 2個を選ぶ組み合わせです。N=7​C2​=2×17×6​=21通り
  3. それぞれの確率を求める
    • パターンA(赤2個)の確率 P(A):赤4個から2個選ぶ →4​C2​=6通りP(A)=216​
    • パターンB(白2個)の確率 P(B):白3個から2個選ぶ →3​C2​=3通りP(B)=213​
  4. 互いに排他なので「足し算(+)」をするP=P(A)+P(B)=216​+213​=219​=73​

【答え】 73​

【例題2】連続してカードを引く確率(一連の流れ = 掛け算)

1から 10までの数字が書かれた 10枚のカードから、元に戻さずに 1枚ずつ計 2枚引くとき、1枚目が奇数で、2枚目が偶数である確率を求めよ。

解答・解説

  1. 一連の流れ(AND)であることを確認する「1枚目を引く」という動作に続いて「2枚目を引く」という一連の流れなので、掛け算(×)を使います。
  2. 1枚目に奇数を引く確率を求める10枚中、奇数は 5枚(1, 3, 5, 7, 9)あります。P1​=105​=21​
  3. 2枚目に偶数を引く確率を求めるカードは元に戻さないため、残りは 9枚です。そのうち偶数は 5枚(2, 4, 6, 8, 10)残っています。P2​=95​
  4. 一連の動きなので「掛け算(×)」をするP=P1​×P2​=21​×95​=185​

【答え】 185​

5. まとめ

  • 互いに排他:「同時に起こることは絶対にない」という関係(A∩B=∅)。
  • 確率の加法定理:互いに排他なら P(A∪B)=P(A)+P(B)(単純に足してOK!)。
  • 足し算と掛け算の判断
    • 足し算(+):「パターン①」または「パターン②」(別々の場合分け)
    • 掛け算(×):「1回目に〜して」、続けて「2回目に…する」(連続した動作)

「文章題を読むときに、これが『独立した場合分け』なのか『一連の連続動作』なのか」を意識するだけで、立式で迷うことがなくなります!

次回は、今回学んだ「掛け算」の考え方をさらに深掘りする「第43回:独立な試行の確率と反復試行(繰り返し行う試行)」を解説します!

参考PR

  1. 安さ&予備校級の講義動画なら 👉 [スタディサプリ高校講座]
  2. 定期テスト&推薦入試対策なら 👉 [進研ゼミ高校講座]
  3. 難関大突破&記述・添削なら 👉 [Z会の通信教育]

コメント