【数A:第27回】空間図形と位置関係|空間図形①(直線と平面の位置関係・ねじれの位置・平行と垂直)

数学A

「平面図形は得意だけど、空間図形になると頭の中でイメージしづらい……」
「『ねじれの位置』や『直線と平面の垂直』の定義を正しく答えられるか不安」

高校数学A「図形の性質」の第45回(第10回)からは、舞台を 3 次元空間に移した「空間図形」に入ります!まずはその土台となる「直線と平面の位置関係」「ねじれの位置」「平行・垂直の決定条件」を徹底解説します!

教科書やテストで頻出する「正誤判定問題」でミスをなくすために、感覚だけに頼らず明確な定理と定義で空間を把握する力を養いましょう!


1. 空間における 2 直線の位置関係(3 パターン)

空間内にある異なる 2 つの直線 $l, m$ の位置関係は、次の 3 パターン に限られます。

位置関係交点の有無同一平面上に存在するか?
① 1 点で交わる交点あり(1 点)存在する(同一平面上にある)
② 平行である交点なし存在する(同一平面上にある)
③ ねじれの位置にある交点なし存在しない(同一平面上にない)

💡 【「ねじれの位置」の定義】
「平行でなく、交わりもしない 2 直線の位置関係」のこと。
(= 2 直線を含むような単一の平面が存在しない状態)


2. 平面がただ 1 つに決まる条件(平面の決定条件)

空間内で「特定の平面」を 1 つに決定するためには、以下のいずれかの条件が必要です。

💡 【平面の決定条件 4 パターン】

  1. 同一直線上にない 3 点(カメラの三脚と同じ原理)
  2. 1 つの直線と、その上にない 1 点
  3. 1 点で交わる 2 直線
  4. 平行な 2 直線

🔍 直線と平面の位置関係(3 パターン)

直線 $l$ と平面 $\alpha$ の位置関係も合わせて押さえましょう!

  • 包まれる: 直線 $l$ が平面 $\alpha$ に含まれている(共有点が無限個)
  • 1 点で交わる: 直線 $l$ と平面 $\alpha$ が 1 点のみを共有する
  • 平行: 直線 $l$ と平面 $\alpha$ が共有点をもたない($l \mathbin{/\!/} \alpha$)

3. 直線と平面の垂直条件(最重要定理)

「直線 $l$ が平面 $\alpha$ と垂直である($l \perp \alpha$)」とは、どういう状態を指すのでしょうか?

💡 【直線と平面の垂直決定定理】
直線 $l$ が、平面 $\alpha$ 上の交点 $\text{P}$ を通る「交わる 2 直線 $m, n$」の両方に垂直であるとき、直線 $l$ は平面 $\alpha$ に垂直である。
$$l \perp m \quad \text{かつ} \quad l \perp n \implies l \perp \alpha$$
※ 平面上の「すべての直線」と垂直であることを確かめる必要はなく、「交わる 2 本」と垂直であれば十分です!


4. 【実践例題】空間の解法アプローチ

【例題1】直方体における位置関係

右図のような直方体 $\text{ABCD-EFGH}$ について、以下の問いに答えよ。
(1) 辺 $\text{AB}$ とねじれの位置にある辺をすべて挙げよ。
(2) 辺 $\text{AE}$ と垂直な面をすべて挙げよ。 解答・解説を表示する

(1) 辺 $\text{AB}$ とねじれの位置にある辺の探し方
「交わる辺」と「平行な辺」を除外します。

  • 交わる辺:$\text{AD}, \text{BC}, \text{AE}, \text{BF}$(4 本)
  • 平行な辺:$\text{DC}, \text{EF}, \text{HG}$(3 本)
  • 辺 $\text{AB}$ 自身を除いた残りの 12 本中 7 本を除外した 4 本 がねじれの位置です。

【答え(1)】 辺 $\text{CG}$, 辺 $\text{DH}$, 辺 $\text{EH}$, 辺 $\text{FG}$

(2) 辺 $\text{AE}$ と垂直な面
辺 $\text{AE}$ は頂点 $\text{A}$ で交わる 2 辺 $\text{AB}, \text{AD}$ に垂直($\text{AE} \perp \text{AB}, \text{AE} \perp \text{AD}$)なので、面 $\text{ABCD}$ に垂直です。
同様に頂点 $\text{E}$ で交わる 2 辺 $\text{EF}, \text{EH}$ に垂直なので、面 $\text{EFGH}$ に垂直です。

【答え(2)】 面 $\text{ABCD}$, 面 $\text{EFGH}$

【例題2】空間の位置関係に関する命題(正誤判定)

空間内の異なる直線 $l, m, n$ および異なる平面 $\alpha, \beta$ について、次の記述は正しいか。「真」か「偽(反例を示す)」かで答えよ。
(1) $l \perp m$ かつ $m \perp n$ ならば、$l \mathbin{/\!/} n$ である。
(2) $l \perp \alpha$ かつ $l \mathbin{/\!/} \beta$ ならば、$\alpha \perp \beta$ である。 解答・解説を表示する

(1) の判定:偽(反例あり)
平面上であれば真ですが、空間では偽になります。
【反例】 直方体の頂点に集まる 3 辺($\text{AB}, \text{AE}, \text{AD}$)を考えると、$\text{AB} \perp \text{AE}$ かつ $\text{AE} \perp \text{AD}$ ですが、$\text{AB}$ と $\text{AD}$ は平行ではなく直交しています。

【答え(1)】 偽(反例:直方体の 1 頂点から出る 3 辺のように、互いに垂直に交わる場合がある)

(2) の判定:真
直線 $l$ を含み平面 $\alpha$ に垂直な平面を作ると、それが $\beta$ と平行な関係を保つため、面 $\alpha$ と面 $\beta$ は必ず垂直になります。

【答え(2)】 真


5. まとめ

  • ねじれの位置: 「平行でなく、交わらない」=同一平面上に乗らない 2 直線
  • 平面の決定: 「同一直線上にない 3 点」「1 直線+1 点」「交わる 2 直線」「平行な 2 直線」!
  • 直線と平面の垂直: 平面上の「交わる 2 直線」と垂直なら、その平面全体と垂直!
  • 正誤問題のコツ: 空間問題で迷ったら、頭の中に「直方体(部屋の角)」を思い浮かべて反例を探す!

空間図形の基本概念と位置関係が整理できました!

次回は「【数A:第46回】三垂線の定理と空間の角|空間図形②(三垂線の定理・2 平面のなす角)」を解説します!

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