【数A:第1回】三角形の角の二等分線と比の定理|内角・外角の性質と証明・計算問題を徹底解説!

「角の二等分線の定理って、内分・外分の公式とごっちゃになる……」
「内角の二等分線は覚えているけれど、外角の二等分線の比($AB : AC = BD : CD$)の形が図で覚えられない!」

今回から高校数学Aのもう一つの重要分野である「図形の性質(平面図形)」の単気に入ります!
記念すべき第1回は、中学数学の知識とリンクしつつ、共通テストや二次試験でも頻出の超重要定理「三角形の角の二等分線と比」を解説します。

図形の公式は「丸暗記」しようとするとすぐに忘れてしまいます。なぜその比が成り立つのかという視覚的なイメージと簡単な証明(解法のカギ)を押さえて、一生忘れない知識にしましょう!


1. 内角の二等分線と比の定理

まずは、最もよく使う「内角の二等分線」の性質です。

💡 【内角の二等分線の定理】
$\triangle ABC$ の $\angle A$ の二等分線と辺 $BC$ との交点を $D$ とすると、
$$\mathbf{AB : AC = BD : DC}$$
つまり、「頂点を挟む 2辺の比が、底辺の分割比(内分比)にそのまま等しくなる」という性質です。

       A
      /|\
     / | \
    /  |  \
   /   |   \
  B----D----C

  AB : AC = BD : DC

覚えるイメージ:「山を登って谷を分ける」
・左の登り($AB$): 右の登り($AC$)
= 左の底辺($BD$): 右の底辺($DC$)


2. 外角の二等分線と比の定理

受験生が差がつきやすいのが、こちらの「外角の二等分線」の性質です。

💡 【外角の二等分線の定理】
$AB \neq AC$ である $\triangle ABC$ の頂点 $A$ における外角の二等分線と、辺 $BC$ の延長との交点を $D$ とすると、
$$\mathbf{AB : AC = BD : CD}$$
つまり、点 $D$ は辺 $BC$ を $AB : AC$ に外分する点になります。

       A
/ \
/ \
/ \
B-------C-------D

AB : AC = BD : CD

覚えるイメージ:「スタート点(B)・ゴール点(C)から交点(D)への距離」
内角・外角ともに、右辺の表し方は「$B$ から $D$ への長さ : $C$ から $D$ への長さ」という構造($BD : CD$)で共通しています!


3. なぜ成り立つ?1分でわかる簡単な証明

なぜこの比が成り立つのか、内角の二等分線を例に証明のアイデアを押さえておきましょう。

【証明のポイント:平行線を 1本引く!】

  1. 点 $C$ を通り、二等分線 $AD$ に平行な直線を引き、辺 $AB$ の延長との交点を $E$ とします。
  2. 平行線の同位角・錯角より、$\triangle ACE$ は $AC = AE$ の二等辺三角形になります。
  3. 平行線と比の性質より、$AB : AE = BD : DC$ が成り立ちます。
  4. $AE = AC$ なので代入すると、$AB : AC = BD : DC$ が導かれます!

「平行線を引いて二等辺三角形を作る」という手法は、図形問題の補助線の引き方として非常に重要な思考法です。


4. 【実践例題】角の二等分線の計算問題

【例題1】内角の二等分線(基本)

$AB = 6$, $BC = 7$, $CA = 5$ である $\triangle ABC$ において、$\angle A$ の二等分線と辺 $BC$ の交点を $D$ とする。
線分 $BD$ の長さを求めよ。 解答・解説を表示する

1. 角の二等分線の定理を適用する
$$BD : DC = AB : AC = 6 : 5$$

2. $BC$ 全体の長さ(7)を比例配分する
点 $D$ は辺 $BC$ を $6 : 5$ に内分するので、$BD$ の長さは全体($6 + 5 = 11$)のうちの 6 に相当します。

$$BD = BC \times \frac{6}{6 + 5} = 7 \times \frac{6}{11} = \mathbf{\frac{42}{11}}$$

【答え】 $\mathbf{\dfrac{42}{11}}$

【例題2】外角の二等分線(応用)

$AB = 8$, $BC = 6$, $CA = 4$ である $\triangle ABC$ において、頂点 $A$ における外角の二等分線と辺 $BC$ の延長との交点を $D$ とする。
線分 $CD$ の長さを求めよ。 解答・解説を表示する

1. 求める長さ $CD$ を $x$ とおく
$CD = x$ とおくと、$BD$ の長さは $BD = BC + CD = 6 + x$ と表せます。

2. 外角の二等分線の定理を適用する
$$AB : AC = BD : CD$$

数値を代入すると:
$$8 : 4 = (6 + x) : x$$

3. 比の計算(内項の積 = 外項の積)を解く
$$8x = 4(6 + x)$$
$$8x = 24 + 4x$$
$$4x = 24 \quad \Rightarrow \quad \mathbf{x = 6}$$

【答え】 $\mathbf{CD = 6}$


5. まとめ

  • 内角の二等分線: $AB : AC = BD : DC$ (底辺を $AB : AC$ に内分)
  • 外角の二等分線: $AB : AC = BD : CD$ (底辺を $AB : AC$ に外分)
  • 計算のコツ: 外角の二等分線問題は、求めていない線分を $x$ とおいて「内項の積=外項の積」の方程式を作る!

角の二等分線は、このあと学習する「三角形の五心(インセンターなど)」や「チェバ・メネラウスの定理」でも超頻出のツールとなります。しっかりマスターしておきましょう!

次回は「【数A:第2回】三角形の三辺の垂直二等分線と外心(外接円の中心)」を解説します!

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