【数Ⅰ:第11回】2次関数の平行移動と対称移動〜式の変形ルールと頂点の動きで完璧理解!〜

高校数学

こんにちは!高校数学の学習ブログへようこそ!

第10回では、2次関数のグラフを描くための基本テクニック「平方完成」を学びましたね。

今回のテーマは「2次関数の平行移動と対称移動」です!

「$x$ 軸方向に $+p$ 移動するとき、なぜ式では $(x – p)$ と引くの?」

「対称移動すると、どの文字の符号が変わるのかごちゃごちゃになる…」

といった疑問やミスが頻発する単元ですが、仕組み(解法のアプローチ)さえ押さえれば得点源に変えることができます!

2通りのアプローチをマスターして、どんな移動問題でも解ける力を身につけましょう!

1. 2移動問題の「2大アプローチ」

グラフの移動問題を解く方法には、大きく分けて2つの考え方があります。

  • 解法A:頂点の座標の動きを追いかける方法(おすすめ!)
    • 2次関数はグラフの形(曲がり具合)を変えずに移動するため、「頂点がどう移動したか」を考えるだけで新しい式を作ることができます。
  • 解法B:式の変数($x$ と $y$)を置き換える方法(公式ルール)
    • 2次関数だけでなく、高校数学で習うすべての関数(3次関数、指数関数、三角関数など)に通用する万能ルールです。

基本的には、計算がシンプルでミスが少ない「解法A(頂点に着目)」を優先して使うのがコツです!

2. 平行移動(へいこういどう)のルール

グラフを形を変えずにそのまま上下左右へスライドさせるのが平行移動です。

式の置き換えルール(解法B)

  • $x$ 軸方向に $+p$ 平行移動 $\Longrightarrow$ $x$ を $(x – p)$ に置き換える
  • $y$ 軸方向に $+q$ 平行移動 $\Longrightarrow$ $y$ を $(y – q)$ に置き換える

★ なぜ符号が逆(マイナス)になるの?

移動後の点を $(X, Y)$ とすると、$X = x + p \implies x = X – p$ となるためです。元の式の $x$ に $X – p$ を代入することで、新しいグラフの方程式が作られます。

解法比較で解いてみよう!

【例題】

放物線 $y = 2x^2 – 4x + 1$ を、$x$ 軸方向に $+3$、$y$ 軸方向に $-2$ だけ平行移動した放物線の方程式を求めよ。

解法A:頂点に着目する(推奨)

まずは元の式を平方完成して、頂点の座標を求めます。

$$y = 2(x^2 – 2x) + 1 = 2(x – 1)^2 – 2 + 1 = 2(x – 1)^2 – 1$$

  • 元の頂点:$(1, -1)$

頂点を $x$ 軸方向に $+3$、$y$ 軸方向に $-2$ 移動させると、

  • 新しい頂点:$(1 + 3, -1 – 2) = (4, -3)$

グラフの開き具合($x^2$ の係数 $a = 2$)は変わらないので、新しい頂点 $(4, -3)$ を使って式を作ります。

$$y = 2(x – 4)^2 – 3 \quad \left(y = 2x^2 – 16x + 29\right)$$

3. 対称移動(たいしょういどう)のルール

グラフを軸や原点を中心に折り返すのが対称移動です。

式の置き換えルール

移動の種類座標の変化 (x,y)式の置き換え頂点の変化 (p,q)
$x$ 軸に関して対称$(x, -y)$$y \to -y$ に置き換え$(p, -q)$ & 凸の向き反転
$y$ 軸に関して対称$(-x, y)$$x \to -x$ に置き換え$(-p, q)$
原点に関して対称$(-x, -y)$$x \to -x, y \to -y$ に置き換え$(-p, -q)$ & 凸の向き反転
  • ポイント:$x$ 軸で折り返すと上下が逆になるため、$y$ の符号が変わります(逆も同様)。

4. 実戦問題にチャレンジ!

平行移動と対称移動が組み合わさった問題に挑戦してみましょう。

【例題】

放物線 $y = -x^2 + 2x + 3$ を $x$ 軸に関して対称移動し、さらに $x$ 軸方向に $-1$、$y$ 軸方向に $+4$ だけ平行移動した放物線の方程式を求めよ。

【解法手順】

ステップ1:元の式を平方完成して頂点と開き具合を確認

$$y = -(x^2 – 2x) + 3 = -(x – 1)^2 + 1 + 3 = -(x – 1)^2 + 4$$

  • 元の頂点:$(1, 4)$
  • $x^2$ の係数:$-1$(上に凸)

ステップ2:$x$ 軸に関して対称移動

  • 頂点:$y$ 座標の符号が反転 $\to (1, -4)$
  • $x^2$ の係数:上下がひっくり返るので $-1 \to +1$(下に凸)

ステップ3:平行移動($x$ 軸方向に $-1$、$y$ 軸方向に $+4$)

  • 新しい頂点:$(1 – 1, -4 + 4) = (0, 0)$

ステップ4:新しい式を作る

頂点が $(0, 0)$ で、$x^2$ の係数が $+1$ の放物線なので、

$$y = 1(x – 0)^2 + 0 \implies y = x^2$$

正解: $y = x^2$

5. 理解度チェック!確認テスト(演習問題)

実際に手を動かして理解度を確認してみましょう!

【問題1】平行移動の計算

放物線 $y = 3x^2 + 6x – 2$ を $x$ 軸方向に $+2$、$y$ 軸方向に $-5$ 平行移動してできる放物線の方程式を求めよ。

【解答】

$y = 3(x – 1)^2 – 10$ (または $y = 3x^2 – 6x – 7$)

【解説】

  1. 元の式を平方完成します。$$y = 3(x^2 + 2x) – 2 = 3(x + 1)^2 – 3 – 2 = 3(x + 1)^2 – 5$$
    • 元の頂点:$(-1, -5)$
  2. 頂点を $x$ 軸方向に $+2$、$y$ 軸方向に $-5$ 移動します。
    • 新しい頂点:$(-1 + 2, -5 – 5) = (1, -10)$
  3. $x^2$ の係数 $3$ を維持したまま式を作ります。$$y = 3(x – 1)^2 – 10$$

【問題2】対称移動の計算

放物線 $y = x^2 – 4x + 1$ を $y$ 軸に関して対称移動してできる放物線の方程式を求めよ。

【解答】

$y = x^2 + 4x + 1$

【解説】

【解法1:式の置き換えで解く場合】

$y$ 軸に関して対称移動するので、$x$ を $-x$ に置き換えます。

$$y = (-x)^2 – 4(-x) + 1$$

$$y = x^2 + 4x + 1$$

【解法2:頂点に着目して解く場合】

  1. 元の式を平方完成:$y = (x – 2)^2 – 3$(頂点:$(2, -3)$)
  2. $y$ 軸対称により $x$ 座標の符号が反転:新しい頂点 $(-2, -3)$
  3. 左右のひっくり返しでは上下の向き($a = 1$)は変わらないので:$$y = (x + 2)^2 – 3 = x^2 + 4x + 1$$

どちらの方法でも正しく導けます!

まとめ

今回の重要ポイントをおさらいしましょう!

  1. 平行移動・対称移動は「頂点の移動」を追うとミスが劇的に減る!
  2. 式の置き換えルール:
    • $x$ 軸方向に $+p$ $\implies x \to x – p$
    • $y$ 軸に関して対称 $\implies x \to -x$
    • $x$ 軸に関して対称 $\implies y \to -y$ (凹凸の向きも反転)

移動問題は平方完成とセットで出題されることがほとんどです。しっかり練習して確実に得点源にしていきましょう!

次回は「2次関数の最大・最小(基本編)」を解説します!お楽しみに!

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