【数Ⅰ:第23回】正弦定理の公式と使い方をわかりやすく解説!外接円の半径Rとの関係も網羅

高校数学

正弦定理ってどんなときに使えばいいの?」

「公式の中に出てくる『外接円の半径 $R$』って何のこと?」

三角比($\sin, \cos, \tan$)の基本を学んだあとは、いよいよ「実際の三角形の辺の長さや角の大きさを求める」実践フェーズに入ります!

その主役となるのが、今回学習する「正弦定理(せいげんていり)」です。

正弦定理を使えば、三角形のパーツ(辺や角)がいくつか分かっているだけで、直接測れない辺の長さや角度を簡単に計算できるようになります。

今回は、正弦定理の公式の形から、使うべきタイミング(見分け方)、そして実際の計算手順まで丁寧に解説します!

1. 正弦定理(せいげんていり)の公式

$\triangle \text{ABC}$ の $3$ つの角の大きさを $A, B, C$、それぞれの向かい側にある辺の長さを $a, b, c$ とします。

また、$\triangle \text{ABC}$ に外接する円(外接円)の半径を $R$ とします。

          A
         / \
     c  /   \  b
       /     \
      B-------C
          a

このとき、次の関係式が成り立ちます。

💡 正弦定理の公式

$$\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C} = 2R$$

【言葉でのイメージ】

「(向かい合う辺の長さ)$\div$(その角の $\sin$)の割合は、どの組でも同じで、外接円の直径($2R$)に等しい!」

※分子と分母をひっくり返して $\frac{\sin A}{a} = \frac{\sin B}{b} = \frac{\sin C}{c}$ と表すこともあります。

2. 正弦定理はいつ使う?(一瞬で見抜く見分け方)

図形問題で「正弦定理」と「余弦定理」のどちらを使うべきか迷ったときは、問題文の与えられた条件を確認しましょう。

正弦定理を使う典型パターンは次の2つのどちらかです!

パターン①:「向かい合う角と辺のペア」が分かっているとき

  • 例:角 $A$ と辺 $a$ の両方の値が判明している(または求めたい)とき。
  • 対角と対辺の「クロス関係」が見えたら正弦定理の出番です!

パターン②問題文に「外接円の半径 $R$」が登場したとき

  • 「外接円の半径 $R$ を求めよ」「外接円の半径 $R = 5$ のとき〜」など、「外接円」「$R$」というキーワードが出たら100% 正弦定理を使います!

3. 【実践】例題で覚える正弦定理の使い方

具体例を使って、実際の解き方の流れを確認しましょう。

【例題1】辺の長さを求める問題

$\triangle \text{ABC}$ において、$A = 45^\circ, B = 60^\circ, a = 4$ のとき、辺 $b$ の長さを求めよ。

解答・解説

  1. 問題の整理
    • 向かい合うペア:角 $A = 45^\circ$ と 辺 $a = 4$
    • 求めるもの:角 $B = 60^\circ$ に対する 辺 $b$
    • 「向かい合うペア」が揃っているので正弦定理を使います!
  2. 正弦定理に代入:$$\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B}$$$$\frac{4}{\sin 45^\circ} = \frac{b}{\sin 60^\circ}$$
  3. 計算:$\sin 45^\circ = \frac{1}{\sqrt{2}}$、$\sin 60^\circ = \frac{\sqrt{3}}{2}$ なので、両辺に $\sin 60^\circ$ をかけると:$$b = \frac{4}{\sin 45^\circ} \times \sin 60^\circ = 4 \div \frac{1}{\sqrt{2}} \times \frac{\sqrt{3}}{2}$$$$b = 4 \times \sqrt{2} \times \frac{\sqrt{3}}{2} = \mathbf{2\sqrt{6}}$$

【答え】 $b = 2\sqrt{6}$

【例題2】外接円の半径 R を求める問題

$\triangle \text{ABC}$ において、$A = 120^\circ, a = 6$ のとき、外接円の半径 $R$ を求めよ。

解答・解説

  1. 問題の整理
    • 角 $A = 120^\circ$(鈍角)と 辺 $a = 6$ のペア
    • 求めるもの:外接円の半径 $R$
  2. 正弦定理($= 2R$ の部分)に代入:$$\frac{a}{\sin A} = 2R$$$$\frac{6}{\sin 120^\circ} = 2R$$
  3. 計算:前回の補角の公式より、$\sin 120^\circ = \sin 60^\circ = \frac{\sqrt{3}}{2}$ です。$$2R = 6 \div \frac{\sqrt{3}}{2} = 6 \times \frac{2}{\sqrt{3}} = \frac{12}{\sqrt{3}} = 4\sqrt{3}$$両辺を $2$ で割って:$$R = \mathbf{2\sqrt{3}}$$

【答え】 $R = 2\sqrt{3}$

⚠️ 注意!

正弦定理で計算して出てくるのは「直径($2R$)」です! 最後に $2$ で割って半径 $R$ にするのを絶対に忘れないようにしましょう。

4. なぜ正弦定理が成り立つの?(簡単な証明)

「なぜ外接円の半径 $R$ や $\sin$ と関係があるの?」と気になる人のために、鋭角の場合の証明をサクッと確認しておきましょう。

      A
     / \
    /   \   O (中心, 半径R)
   /     \
  B-------C
  1. $\triangle \text{ABC}$ の外接円を描き、点 $\text{B}$ から円の中心 $\text{O}$ を通る直線(直径)を引き、円との反対側の交点を $\text{A}’$ とします。
  2. 線分 $\text{A}’\text{B}$ は直径なので、$\text{A}’\text{B} = 2R$ です。
  3. 半円の孤に対する円周角の定理より、$\angle \text{A}’\text{CB} = 90^\circ$(直角)になります。
  4. また、同じ弧 $\text{BC}$ に対する円周角は等しいので、$\angle \text{A} = \angle \text{A}’$ です。
  5. 直角三角形 $\triangle \text{A}’\text{CB}$ において、三角比の定義を使うと:$$\sin A = \sin A’ = \frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}} = \frac{a}{2R}$$
  6. この式を変形すると:$$2R = \frac{a}{\sin A}$$

同様に $\frac{b}{\sin B}$ や $\frac{c}{\sin C}$ についても描けば、すべて $2R$ に等しくなることが証明できます!

5. まとめ

  • 正弦定理の公式$$\frac{a}{\sin A} = \frac{b}{\sin B} = \frac{c}{\sin C} = 2R$$
  • 使うタイミング
    1. 向かい合う「角と辺のペア」が分かっているとき
    2. 外接円の半径 $R$ が問題文に出てきたとき
  • 計算の注意点
    • 正弦定理で求まるのは $2R$(直径) なので、半径 $R$ を答えるときは最後に $2$ で割る!

次回は、正弦定理と並ぶ図形計算のもう一つの主役「第24回:余弦定理(よげんていり)の公式と使い方」を解説します!

参考PR

  1. 安さ&予備校級の講義動画なら 👉 [スタディサプリ高校講座]
  2. 定期テスト&推薦入試対策なら 👉 [進研ゼミ高校講座]
  3. 難関大突破&記述・添削なら 👉 [Z会の通信教育]

コメント