【数Ⅰ:第36回】同じものを含む順列の解法と公式|最短経路問題への応用まで徹底解説!

高校数学

「同じ文字が含まれているときの並べ替えってどう計算するの?」

「街路樹のようなグリッド(格子)上の『最短経路』の問題が苦手…」

これまでに学んだ順列($_nP_r$)では、すべてのものが「区別できる(異なるもの)」ことが前提でした。

しかし、実際のテストでは「Aが3個、Bが2個あるときの並べ替え」のように、区別がつかない同じものが含まれるパターンが頻出します。

今回は、同じものを含む順列の公式 $\frac{n!}{p!q!r!}$ の仕組みと、受験・テスト必出の「最短経路(道順)の問題」への応用解法を分かりやすく解説します!

1. 同じものを含む順列とは?

例えば、「A, A, A, B, B」 という5つの文字を一列に並べる場面を考えてみましょう。

もしこれらがすべて異なる文字(A₁, A₂, A₃, B₁, B₂)であれば、並べ方は $5! = 120$ 通りです。

しかし実際には、「A」同士、「B」同士の区別がつきません

そのため、$5!$ のままだと「同じ並び順」を何度も重複して数えてしまうことになります。

重複して数えてしまった分を割り算で取り除くのが、同じものを含む順列の基本的な考え方です。

2. 同じものを含む順列の公式

💡 【同じものを含む順列の公式】

全体 $n$ 個のうち、$p$ 個、$q$ 個、$r$ 個…のように同じものがそれぞれ含まれているとき、これらすべてを一列に並べる場合の数は、

$$\mathbf{\frac{n!}{p!q!r!\cdots} \quad \text{通り}}$$

(※ただし $p + q + r + \cdots = n$)

なぜ階乗で割るの?(公式の成り立ち)

先ほどの 「Aが3個、Bが2個(計5個)」 を並べる例で考えてみましょう。

  1. 仮に区別をつけて並べる $\to$ $5!$ 通り
  2. A の内部での入れ替えを解消する3個の A(A₁, A₂, A₃)の並べ替えは $3! = 6$ 通りあります。見た目上はすべて同じ「A A A」になるため、$3!$ で割ります
  3. B の内部での入れ替えを解消する2個の B(B₁, B₂)の並べ替えは $2! = 2$ 通りあります。見た目上はすべて同じ「B B」になるため、$2!$ で割ります

したがって、計算式は以下のようになります。

$$\frac{5!}{3!2!} = \frac{120}{6 \times 2} = \mathbf{10 \text{通り}}$$

3. 【実践例題1】文字列の並べ替え問題

定期テストでよく出る英語の単語を使った並べ替え問題です。

【例題】

「INDIAN」の6つの文字すべてを使ってできる順列は何通りあるか。

解答・解説

まず、含まれている文字の内訳を整理します。

  • I : 2個
  • N : 2個
  • D : 1個
  • A : 1個
  • 合計 : 6個

同じものが 「Iが2個」「Nが2個」 含まれているので、公式 $\frac{n!}{p!q!}$ を使います。

$$\frac{6!}{2!2!} = \frac{720}{2 \times 2} = \mathbf{180 \text{通り}}$$

【答え】 180通り

4. 【超重要】最短経路(道順)問題への応用!

同じものを含む順列の考え方は、図形問題である「格子状の最短経路」を求める際に大活躍します。

なぜ「道順」が「同じものを含む順列」になるの?

下図のような、地点 A から地点 B へ行く最短ルートを考えてみましょう。

B ○---○---○---○
  |   |   |   |
  ○---○---○---○
  |   |   |   |
A ○---○---○---○

最短で行くためには、どのようなルートを通っても必ず「右に3コマ(→→→)」「上に2コマ(↑↑)」進む必要があります。

つまり、どんなルートを通るかということは、「→」3個と「↑」2個の計5個をどう並べるかという問題と完全に同じなのです!

【例1】 → → → ↑ ↑  (右へ3つ行ってから上へ2つ)
【例2】 → ↑ → ↑ →  (ジグザグに進む)

【実践例題2】途中の点を通る最短経路

下の図のような道路網がある。A から C を通って B まで行く最短の道順は何通りあるか。

      (C)         (B)
 ○---○---○---○---○
 |   |   |   |   |
 ○---○---○---○---○
 |   |   |   |   |
 ○---○---○---○---○
(A)

※ A は左下 $(0,0)$、C は $(1,2)$ の位置、B は右上 $(4,2)$ の位置とする。

解答・解説

「A $\to$ C」と「C $\to$ B」の 2つの区間に分けて計算し、積の法則で掛け合わせます

  1. A から C への道順
    • 右方向(→):1コマ
    • 上方向(↑):2コマ
    • 計3コマ の並べ替え $\to$ $\frac{3!}{1!2!} = \mathbf{3 \text{通り}}$
  2. C から B への道順
    • 右方向(→):3コマ
    • 上方向(↑):0コマ(直線)
    • ※上には進まないため、右に進む 1通り だけです。
    • (計算で書くなら $\frac{3!}{3!0!} = \mathbf{1 \text{通り}}$)
  3. 積の法則で掛け合わせる$$3 \times 1 = \mathbf{3 \text{通り}}$$

【答え】 3通り

5. まとめ

  • 同じものを含む順列:同じものの個数の階乗( $p!, q! \cdots$ )で全体( $n!$ )を割る!
  • 公式: $\mathbf{\frac{n!}{p!q!r!}}$
  • 最短経路問題:右方向「→」と上方向「↑」の並べ替え問題に置き換えて解く

同じものを含む順列マスターになれば、一見難しそうな道のり計算も秒殺できるようになります。

次回は、いよいよ「選ぶだけで並べない」グループ作りの基本「第37回:組み合わせ C の計算方法と順列 P との違い」を解説します!

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