【数Ⅰ:第26回】三角形の面積公式と応用(内接円の半径・ヘロンの公式・四角形の面積)を完全解説!

高校数学

中学で習った 『底辺×高さ÷2』 以外の三角形の面積公式って何があるの?」

「内接円の半径 $r$ や四角形の面積の求め方が複雑で覚えられない…」

高校数学Ⅰ「図形と計量」のラストを飾るテーマは「面積の計算と応用」です!

三角比($\sin$)を使うと、高さが直接分からなくても「2つの辺の長さとその間の角」だけで三角形の面積を一瞬で求めることができます。

さらに、この面積公式を応用することで、「内接円の半径 $r$」や「円に内接する四角形の面積」、さらには「ヘロンの公式」まで一気にマスターできるようになります。

今回は、公式の仕組みから実際の入試・テスト頻出問題の解法パターンまで分かりやすく徹底解説します!

1. 三角形の面積公式(三角比を使う基本形)

$\triangle \text{ABC}$ の $2$ つの辺の長さを $b, c$、その間の角を $A$ としたとき、面積 $S$ は次の公式で求まります。

💡 三角形の面積公式

$$S = \frac{1}{2} b c \sin A$$

(※他の 2 辺と間の角でも同様: $S = \frac{1}{2} a b \sin C = \frac{1}{2} c a \sin B$)

【言葉でのイメージ】

「(2つの辺の長さの積)$\times$(間の角の $\sin$)$\div 2$」

【なぜ成り立つの?】直感的な証明

中学数学の「底辺 $\times$ 高さ $\div 2$」を思い出してみましょう。

          A
         /|\
     c  / | \  b
       /  |h \
      B---+---C
          a

頂点 $\text{A}$ から底辺 $\text{BC}$ に下ろした垂線の長さを $h$(高さ)とすると、面積は $S = \frac{1}{2} a h$ です。

ここで、直角三角形に注目すると、高さ $h$ は三角比の定義より $h = c \sin B$ と表せます。

これを面積の式に代入すると:

$$S = \frac{1}{2} a (c \sin B) = \frac{1}{2} a c \sin B$$

このように、「高さ $h$ を $\sin$ で置き換えただけ」の非常にシンプルな公式です!

2. 応用①:内接円の半径 $r$ を求める公式

三角形の 3 辺の長さ $a, b, c$ と、内接円の半径 $r$ の間には非常に重要な関係があります。

💡 内接円の半径 $r$ と面積 $S$ の関係

$$S = \frac{1}{2} r (a + b + c)$$

【仕組み】三角形を 3 つに分割する!

内接円の中心(内心 $\text{I}$)から各頂点 $\text{A, B, C}$ に線を引くと、大きな $\triangle \text{ABC}$ は 3つの小さな三角形($\triangle \text{IBC}, \triangle \text{ICA}, \triangle \text{IAB}$)に分割されます。

          A
         / \
        /   \
       /  I  \  (内接円の中心)
      B-------C

それぞれの底辺は $a, b, c$ で、高さはすべて内接円の半径 $r$ になります。

  • $\triangle \text{IBC}$ の面積 $= \frac{1}{2} a r$
  • $\triangle \text{ICA}$ の面積 $= \frac{1}{2} b r$
  • $\triangle \text{IAB}$ の面積 $= \frac{1}{2} c r$

これら 3 つを足し合わせると:

$$S = \frac{1}{2} a r + \frac{1}{2} b r + \frac{1}{2} c r = \frac{1}{2} r (a + b + c)$$

🔥 内接円の半径 $r$ を求める手順

  1. まず普通に三角形の面積 $S$ を求める($\frac{1}{2}bc\sin A$ や余弦定理を利用)。
  2. 上の公式 $S = \frac{1}{2}r(a+b+c)$ に $S$ と $a,b,c$ を代入して $r$ について解く!

3. 応用②:ヘロンの公式(3辺の長さから一発で面積を出す)

3つの辺の長さ $a, b, c$ がすべて整数で与えられている場合、角度を経由せずに一発で面積を計算できる超便利公式が「ヘロンの公式」です。

💡 ヘロンの公式

$s = \frac{a + b + c}{2}$ とおくと、

$$S = \sqrt{s(s – a)(s – b)(s – c)}$$

※ $s$ は「周の長さの半分」を表します。ルートの中身がマイナスにならないよう注意しましょう。

4. 応用③:四角形の面積の求め方

定期テストや共通テストで差がつく「四角形の面積」は、主に次の2パターンで攻略します。

パターン1:対角線で 2 つの三角形に分割する(円に内接する四角形)

円に内接する四角形 $\text{ABCD}$ では、対角線を1本引いて2つの三角形に分割します。

円に内接する四角形の性質「向かい合う角の和は $180^\circ$($\angle \text{A} + \angle \text{C} = 180^\circ$)」を利用すると、$\sin C = \sin(180^\circ – A) = \sin A$ となるため、両方の三角形の面積を一度に計算できます。

パターン2:2本の対角線と挟む角から求める

対角線の長さが $x, y$ で、そのなす角が $\theta$ である四角形の面積 $S$ は、次の公式で求まります。

$$S = \frac{1}{2} x y \sin \theta$$

5. 【実践】例題で解き方を押さえる

【例題1】3辺から面積 $S$ と内接円の半径 $r$ を求める

$\triangle \text{ABC}$ において、$a = 7, b = 8, c = 9$ のとき、次のものを求めよ。

(1) $\triangle \text{ABC}$ の面積 $S$

(2) 内接円の半径 $r$

解答・解説

(1) 面積 $S$ を求める

今回はヘロンの公式を使ってみましょう。

$s = \frac{7 + 8 + 9}{2} = \frac{24}{2} = 12$

ヘロンの公式に代入します:

$$S = \sqrt{12(12 – 7)(12 – 8)(12 – 9)}$$

$$S = \sqrt{12 \times 5 \times 4 \times 3} = \sqrt{12 \times 5 \times 12} = 12\sqrt{5}$$

【答え】 $S = 12\sqrt{5}$

※余弦定理で $\cos A = \frac{8^2 + 9^2 – 7^2}{2 \cdot 8 \cdot 9} = \frac{2}{3}$ を求め、$\sin A = \sqrt{1 – (\frac{2}{3})^2} = \frac{\sqrt{5}}{3}$ と変形してから $S = \frac{1}{2} \cdot 8 \cdot 9 \cdot \frac{\sqrt{5}}{3} = 12\sqrt{5}$ と出してもOKです!

(2) 内接円の半径 $r$ を求める

公式 $S = \frac{1}{2} r (a + b + c)$ に $S = 12\sqrt{5}$ と $a=7, b=8, c=9$ を代入します。

$$12\sqrt{5} = \frac{1}{2} r (7 + 8 + 9)$$

$$12\sqrt{5} = \frac{1}{2} r (24)$$

$$12\sqrt{5} = 12 r \quad \implies \quad r = \mathbf{\sqrt{5}}$$

【答え】 $r = \sqrt{5}$

【例題2】円に内接する四角形の面積

円に内接する四角形 $\text{ABCD}$ において、$\text{AB} = 3, \text{BC} = 2, \text{CD} = 3, \text{DA} = 5$ のとき、四角形 $\text{ABCD}$ の面積 $S$ を求めよ。

解答・解説

       A ----- B
      /         \
     D --------- C
  1. 対角線 $\text{BD}$ を引き、$\triangle \text{ABD}$ と $\triangle \text{BCD}$ に分割する。
  2. $\angle \text{A} = \theta$ とおくと、向かい合う角 $\angle \text{C} = 180^\circ – \theta$ となる。
  3. $\triangle \text{ABD}$ と $\triangle \text{BCD}$ それぞれで余弦定理を使い、$\text{BD}^2$ を2通りで表す:
    • $\triangle \text{ABD}$ より: $\text{BD}^2 = 3^2 + 5^2 – 2 \cdot 3 \cdot 5 \cos \theta = 34 – 30 \cos \theta$
    • $\triangle \text{BCD}$ より: $\text{BD}^2 = 2^2 + 3^2 – 2 \cdot 2 \cdot 3 \cos (180^\circ – \theta) = 13 + 12 \cos \theta$
  4. 2つの式をイコールで結んで $\cos \theta$ を求める:$$34 – 30 \cos \theta = 13 + 12 \cos \theta$$$$42 \cos \theta = 21 \quad \implies \quad \cos \theta = \frac{1}{2}$$よって $\theta = 60^\circ$ とわかります($\sin \theta = \sin 60^\circ = \frac{\sqrt{3}}{2}$)。
  5. 2つの三角形の面積を足し合わせる:
    • $S_1 (\triangle \text{ABD}) = \frac{1}{2} \cdot 3 \cdot 5 \cdot \sin 60^\circ = \frac{15\sqrt{3}}{4}$
    • $S_2 (\triangle \text{BCD}) = \frac{1}{2} \cdot 2 \cdot 3 \cdot \sin 120^\circ = \frac{6\sqrt{3}}{4}$
    • 全体の面積 $S = S_1 + S_2 = \frac{21\sqrt{3}}{4}$

【答え】 $S = \frac{21\sqrt{3}}{4}$

6. まとめ

  • 三角形の基本面積公式$$S = \frac{1}{2} b c \sin A$$
  • 内接円の半径 $r$ の公式$$S = \frac{1}{2} r (a + b + c)$$
  • ヘロンの公式(3辺が整数のときに威力を発揮)$$S = \sqrt{s(s – a)(s – b)(s – c)} \quad \left(s = \frac{a+b+c}{2}\right)$$
  • 円に内接する四角形の面積は、対角線で 2 つに分けて $\angle \text{C} = 180^\circ – \angle \text{A}$ の関係を利用する!

これにて第4章「図形と計量(三角比)」の全解説が終了です!お疲れ様でした!

参考PR

  1. 安さ&予備校級の講義動画なら 👉 [スタディサプリ高校講座]
  2. 定期テスト&推薦入試対策なら 👉 [進研ゼミ高校講座]
  3. 難関大突破&記述・添削なら 👉 [Z会の通信教育]

コメント