「データの分析」単元、お疲れ様でした!
今回からは新しい章「場合の数と確率」へと突入します!
その記念すべき第1回(全体の第31回)テーマは、全ての土台となる「場合の数(ばあいのすう)の基本原則」です。
「樹形図っていつまで書けばいいの?」
「積の法則(かけ算)と和の法則(たし算)の使い分けがごちゃごちゃになる…」
そんな悩みを一発で解決できるように、解法の判断基準から具体例まで分かりやすく徹底解説します!
1. 「場合の数」とは?
ある事柄が起こり得る「通りの数(パターンの総数)」のことを場合の数と呼びます。
例えば、「コインを1回投げたときの表裏の出方」は「表・裏」の 2通り です。
場合の数を求める際の大原則は、「もれなく、重なりなく(重複なく)」数え上げることです。そのために使う最強のツールが「樹形図(じゅけいず)」と「辞書式配列」です。
2. もれなく数え上げる基本!「樹形図」の書き方
データやパターンが少ないときは、頭の中で計算しようとせず樹形図を描くのが最も確実です。
【例】A, B, C の3人が一列に並ぶ並び方
┌─ B ─ C (A-B-C)
A ┼
└─ C ─ B (A-C-B)
┌─ A ─ C (B-A-C)
B ┼
└─ C ─ A (B-C-A)
┌─ A ─ B (C-A-B)
C ┼
└─ B ─ A (C-B-A)
合計:6通り
樹形図を書くときのコツ
- 規則性を守る:アルファベット順や数字の小さい順(辞書式)に書いていく。
- 対称性を利用する:Aから始まる並び方が2通りだと分かれば、BやCから始まる場合も同じ2通りずつになると予測できる($2 \times 3 = 6$ 通り)。
3. たし算とかけ算の使い分け!「和の法則」と「積の法則」
場合の数で全員が一度はつまずくのが「足すのか? 掛けるのか?」という疑問です。
以下のルールを絶対に覚えておきましょう!
① 和の法則(たし算を使うとき)
【キーワード】「同時に起こらない(A または B)」
2つの事柄 A と B が同時に起こることがないとき、Aの起こり方が $a$ 通り、Bの起こり方が $b$ 通りあれば、A または B が起こる場合の数は $(a + b)$ 通り。
【具体例】
大中小3つのサイコロを投げて、目の和が「5」または「16」になる場合。
- 目の和が5になる出方:6通り
- 目の和が16になる出方:6通り
- 目の和が「5」と「16」に同時に鳴ることはあり得ない $\implies 6 + 6 = \mathbf{12 \text{通り}}$
② 積の法則(かけ算を使うとき)
【キーワード】「連続して起こる/セットで考える(A そして B)」
事柄 A の起こり方が $a$ 通りあり、そのそれぞれに対して事柄 B の起こり方が $b$ 通りあるとき、A と B がともに(続けて)起こる場合の数は $(a \times b)$ 通り。
【具体例】
大中小2つのサイコロ(大・小)を同時に投げるとき。
- 大きいサイコロの目の出方:6通り
- そのそれぞれに対して、小さいサイコロの目の出方:6通り
- 連続・セットで考える $\implies 6 \times 6 = \mathbf{36 \text{通り}}$
4. 【実践例題】和の法則と積の法則を使って解く
【例題】約数の個数を求める
$72$ の正の約数は全部で何個あるか求めよ。
解答・解説
「約数を全部書き出す」のは大変ですが、素因数分解と積の法則を使うと一瞬で解けます!
- 72 を素因数分解する$$72 = 2^3 \times 3^2$$
- それぞれの素因数の選び方を考える
- $2$ の選び方: $2^0(=1), 2^1(=2), 2^2(=4), 2^3(=8)$ の 4通り
- $3$ の選び方: $3^0(=1), 3^1(=3), 3^2(=9)$ の 3通り
- 積の法則を適用する$2$ の選び方(4通り)のそれぞれに対して、$3$ の選び方(3通り)が存在するので、セットで掛け合わせます。$$\text{約数の個数} = 4 \times 3 = \mathbf{12 \text{個}}$$
【答え】 12個
5. まとめ
- 樹形図:もれなく、重複なく数え上げるための基本図(規則正しく書く!)。
- 和の法則(たし算):同時に起こらない別々のパターン(「A または B」)。
- 積の法則(かけ算):一連の流れやセットで起こるパターン(「A そして B」)。
次回は、計算を圧倒的に楽にする順列の記号「第32回:順列 $P$(パーミュテーション)と階乗 $!$ の計算」を解説します!
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