【数Ⅰ:第32回】順列 P と階乗 ! の計算方法・「選んで並べる」考え方を完全解説!

高校数学

「$nP_r$ の公式ってどうやって計算するんだっけ?」

「『並べる』と『選ぶ』の違いがよく分からない…」

前回の「樹形図と和の法則・積の法則」に続き、今回は場合の数の計算を一気にスピードアップさせる超重要ツールである「順列(じゅんれつ)」「階乗(かいじょう)」を学習します!

樹形図を毎回描くのは大変ですが、この記号と公式をマスターすれば、複雑な並べ替えの問題も数式ひとつでサクッと解けるようになります。

仕組みの理解から計算テクニック、よくある間違えやすいポイントまで分かりやすく徹底解説します!

1. 順列(Permutation)とは?

異なる $n$ 個のものから $r$ 個を選んで、一列に「順番を考えて」並べるときの並べ方の総数を順列と呼び、記号 $_nP_r$ (パーミュテーション)で表します。

💡 順列記号の意味

$_nP_r$ : 異なる $n$ 個の中から $r$ 個を選んで並べる場合の数

【重要】「順番」を意識することがポイント!

例えば、A, B, C の3人から2人を選んで並べる場合:

  • 「A $\to$ B」と「B $\to$ A」は別々の並び方(2通り)としてカウントします。 このように「並べる順番が違えば別のパターン」になるときに順列 $_nP_r$ を使います。

2. $_nP_r$ の計算方法と階乗 $!$ (ファクトリアル)

① $_nP_r$ の計算手順

$_nP_r$ は、$n$ から始めて数字を1ずつ小さくしながら $r$ 個掛けることで計算します。

$$\text{【公式】} \quad _nP_r = \underbrace{n \times (n-1) \times (n-2) \times \cdots}_{r \text{個の積}}$$

【計算の具体例】

  • $_5P_3 = 5 \times 4 \times 3 = \mathbf{60}$ (5からスタートして数字を1ずつ下げて 3個 掛け算)
  • $_7P_2 = 7 \times 6 = \mathbf{42}$ (7からスタートして数字を1ずつ下げて 2個 掛け算)

② 階乗( $!$ )とは?

$n$ 個のものすべて(全員)を一列に並べる場合、計算は $n \times (n-1) \times \cdots \times 1$ となります。

これを $n$ の階乗(かいじょう) と呼び、記号 $n!$ で表します。

$$\text{【定義】} \quad n! = n \times (n-1) \times (n-2) \times \cdots \times 2 \times 1$$

【計算の具体例】

  • $4! = 4 \times 3 \times 2 \times 1 = \mathbf{24}$
  • $5! = 5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1 = \mathbf{120}$

⚠️ テストで出やすい約束ごと

  • $0! = 1$ (0の階乗は 1 と約束します)
  • $_nP_0 = 1$ (1個も選ばない並べ方も 1 通り)

3. なぜこの公式になるの?(考え方の解説)

例えば、「5人(A, B, C, D, E)の中から3人を選んで一列に並べる($_5P_3$)」場面を想像してみてください。

【並べる場所】  [ 1番目 ]   [ 2番目 ]   [ 3番目 ]
【選べる人数】    5通り  ×   4通り  ×   3通り   = 60通り
  1. 1番目の場所:5人の中から誰を置いても良いので 5通り
  2. 2番目の場所:1番目に立った人以外の4人から選ぶので 4通り
  3. 3番目の場所:残った3人から選ぶので 3通り

連続して起こる決定(積の法則)なので、すべて掛け合わせて $5 \times 4 \times 3 = 60$ 通り となります。

これが $_nP_r$ の計算方法の仕組みです!

4. 【実践例題】順列の解法パターン

定期テストや受験でよく出る定番問題を解いてみましょう。

【例題1】数字の作成(基本)

$1, 2, 3, 4, 5$ の 5枚のカードがある。ここから異なる 3枚のカードを選んで作れる 3桁の整数は何個あるか。

解答・解説

5枚から3枚を選んで「百の位・十の位・一の位」という順番のある場所に並べる問題なので、順列 $_nP_r$ をそのまま使います。

$$_5P_3 = 5 \times 4 \times 3 = \mathbf{60 \text{個}}$$

【例題2】条件がついた並べ方(「両端」などの制限)

A, B, C, D, E, F の 6人が一列に並ぶとき、両端が A, B になる並び方は何通りあるか。

解答・解説

条件(制限)がついている場所から優先的に確定させていくのが鉄則です!

  1. 両端(左端・右端)の決め方「左がA・右がB」または「左がB・右がA」の $2! = 2$ 通り
  2. 間に挟まれる残り4人の並べ方残りの C, D, E, F の 4人が間に一列で並ぶので $4!$ 通り。$$4! = 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 24 \text{通り}$$
  3. 積の法則で掛け合わせる$$\text{全体の並び方} = 2 \times 24 = \mathbf{48 \text{通り}}$$

【答え】 48通り

5. まとめ

  • 順列 $_nP_r$ : 異なる $n$ 個から $r$ 個を選んで順番に並べる($n$ から順に $r$ 個掛ける)。
  • 階乗 $n!$ : $n$ 個すべてを一列に並べる($n$ から 1 まで全部掛ける)。
  • 解法のコツ: 条件や制約がある場所(「両端」「特定の人物」など)から先に確定させる!

次回は、入試超頻出テクニックである「第33回:隣り合う・隣り合わない順列の解法」を解説します!

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