「円に内接する四角形の性質って、対角の和が $180^\circ$ だっけ? 外角と等しいのはどこの角?」
「図形問題で『4点が1つの円上にあること』を証明するコツが知りたい!」
高校数学A「図形の性質(平面図形)」の第8回は、角度問題や幾何証明で超頻出のテーマである「円に内接する四角形」を解説します!
中学で習った「円周角の定理」の進化系であり、共通テストや二次試験の図形問題でも主役級の活躍をする定理です。定理の丸暗記に頼らず、視覚的なイメージで一瞬で角を移動できるようになりましょう!
1. 円に内接する四角形の 2 大性質
円に四角形が内接しているとき、以下の 2 つの重要な角の関係が成り立ちます(この 2 つは本質的に同じことを言っています)。
💡 【円に内接する四角形の性質】
四角形が円に内接するとき、
1. 向かい合う角(対角)の和は $180^\circ$ である。
$$\mathbf{\angle A + \angle C = 180^\circ}, \quad \mathbf{\angle B + \angle D = 180^\circ}$$ 2. 1 つの外角は、そのとなりの内角の「対角」に等しい。
A ----------- B
/ \
/ \
D ----------------- C ----- E (外角)
イメージの持ち方:
直線上の角は $180^\circ$ なので、$\angle C$ の内側と外側を足すと $180^\circ$ になります。
一方、対角の和($\angle A + \angle C$ の内側)も $180^\circ$ なので、結果として「$\angle A$ = $\angle C$ の外角」という関係が成り立ちます!
2. 4 点が同一円周上にあるための条件(逆の定理)
問題で「4点 $A, B, C, D$ が同一円上にあることを示せ」と求められた場合は、以下のいずれかが成り立つことを証明します。
- 条件①:対角の和が $180^\circ$ になる($\angle A + \angle C = 180^\circ$)
- 条件②:ある外角が、そのとなりの対角と等しい
- 条件③:円周角の定理の逆が成り立つのを確認する
線分 $BC$ に対して、同じ側にある 2 点 $A, D$ について $\angle BAC = \angle BDC$ が成り立つ。
※特に垂線が絡む問題(第4回の垂心など)では、直角($90^\circ$)が 2 つ合わさって「対角の和 $= 90^\circ + 90^\circ = 180^\circ$」となり、隠れた円が浮かび上がってくるケースが非常に多いです!
3. 【実践例題】円に内接する四角形の計算問題
【例題1】対角と外角の決定(基本)
円に内接する四角形 $ABCD$ において、$\angle DAB = 85^\circ$、$\angle ABC = 105^\circ$ である。辺 $BC$ の延長上に点 $E$ をとるとき、$\angle BCD$ および $\angle DCE$ の大きさを求めよ。 解答・解説を表示する
1. 対角の和が $180^\circ$ であることを利用して $\angle BCD$ を求める
四角形 $ABCD$ は円に内接するので、向かい合う角の和は $180^\circ$ です。
$$\angle DAB + \angle BCD = 180^\circ$$
$$85^\circ + \angle BCD = 180^\circ \quad \Rightarrow \quad \mathbf{\angle BCD = 95^\circ}$$
2. 外角の性質を利用して $\angle DCE$ を求める
$\angle DCE$ は頂点 $C$ における外角です。
内接四角形の外角は「となりの対角」に等しいため、$\angle DAB$ と同じ大きさになります。
$$\mathbf{\angle DCE = \angle DAB = 85^\circ}$$
【答え】 $\angle BCD = 95^\circ$, $\angle DCE = 85^\circ$
【例題2】4点が同一円上にあることの利用(応用)
$\triangle ABC$ の 2 辺 $AB, AC$ 上にそれぞれ点 $D, E$ をとる。$\angle ADE = \angle ACB$ であるとき、四角形 $DBCE$ は円に内接することを示せ。 解答・解説を表示する
1. 四角形 $DBCE$ の内角と外角の関係に着目する
四角形 $DBCE$ において、頂点 $D$ の外角にあたるのが $\triangle ADE$ の角である $\angle ADE$ です。
2. 条件と内接定理の逆を照らし合わせる
条件より、$\angle ADE = \angle ACB$ です。
これは、「四角形 $DBCE$ の外角($\angle ADE$)が、そのとなりの内角 $\angle DEC$ の対角である $\angle ACB$ と等しい」ことを意味しています。
3. 結論を述べる
外角が対角と等しいため、四角形 $DBCE$ の 4 頂点 $D, B, C, E$ は同一円周上に存在する(=円に内接する)。【証明終】
4. まとめ
- 対角の法則: 円に内接する四角形の向かい合う角を足すと $180^\circ$。
- 外角の法則: 外角は、となりのななめ向かいの角(対角)とぴったり等しい。
- 証明のコツ: 「$90^\circ + 90^\circ = 180^\circ$」や「同位角・対頂角で角を移して外角=対角を作る」のが王道パターン!
円の性質はこれだけにとどまりません。接線と弦が作る不思議な角度の関係へ進みましょう!
次回は「【数A:第11回】接弦定理(接線と弦の作る角の定理)|一瞬で見抜く視線移動と証明」を解説します!
コメント