【数A:第2回】三角形の三辺の垂直二等分線と外心(外接円の中心)|性質・証明・座標計算まで徹底解説!

「外心って、どの線の交点だっけ? 内心とごっちゃになる……」
「外心の位置ベクトルや座標問題が出てくると、途端に手が止まってしまう!」

高校数学A「図形の性質(平面図形)」の第2回は、三角形の「五心」のトップバッターである「外心(外接円の中心)」を解説します!

外心は単なる図形の知識にとどまらず、数学IIの「図形と方程式」や数学B・Cの「ベクトル」でも大活躍する超重要テーマです。定義の本質と角度・長さの性質を押さえて、どんな応用問題にも対応できる基礎力を身につけましょう!


1. 外心(外接円の中心)の定義と性質

まずは、外心がどのように作られる点なのか、その定義と重要な性質を確認します。

💡 【外心の定義と性質】
三角形の三辺の垂直二等分線は 1 点で交わる。この交点を外心($O$)と呼ぶ。
外心 $O$ から三角形の 3 頂点までの距離はすべて等しい。
$$\mathbf{OA = OB = OC = R \quad (\text{外接円の半径})}$$

覚え方のイメージ:「頂点までの距離が等しいから、円が外側を囲める」
「垂直二等分線上の点は、両端の点から等距離にある」という中学数学の性質から、$OA = OB$ かつ $OB = OC$ となり、必然的に $OA = OB = OC$ が成り立ちます。


2. 三角形のかたちと外心の位置関係

外心は、三角形の形状によって存在する「場所」が変わるのが大きな特徴です。穴埋め問題や記述問題で狙われやすいポイントです。

  • 鋭角三角形: 外心は三角形の内部にある
  • 直角三角形: 外心は斜辺の中点上にある(★超頻出!)
  • 鈍角三角形: 外心は三角形の外部にある

※特に「直角三角形の斜辺の中点が外心になる(=斜辺の中点から 3 頂点への距離が等しい)」という性質は、幾何やベクトル問題で強力なショートカットになります!


3. 【角度問題】円周角の定理との組み合わせ

外心と角度に関する問題では、外心 $O$ を中心とする外接円を描き、円周角の定理(中心角=円周角の2倍)を利用するのが基本解法です。

また、$OA = OB = OC$ より、$\triangle OAB$, $\triangle OBC$, $\triangle OCA$ の 3 つはすべて二等辺三角形になります。底角が等しいことを利用して角度を求めていきましょう。


4. 【実践例題】外心に関する計算問題

【例題1】外心と角度の決定(基本)

鋭角三角形 $ABC$ の外心を $O$ とする。$\angle BAC = 70^\circ$ のとき、$\angle OBC$ の大きさを求めよ。 解答・解説を表示する

1. 円周角の定理から中心角 $\angle BOC$ を求める
点 $O$ は外心なので、$\angle BOC$ は弧 $BC$ に対する中心角です。
円周角の定理より、中心角は円周角 $\angle BAC$ の 2 倍になります。

$$\angle BOC = 2 \times \angle BAC = 2 \times 70^\circ = 140^\circ$$

2. 二等辺三角形 $\triangle OBC$ に着目する
外心の性質より $OB = OC$ なので、$\triangle OBC$ は $OB = OC$ の二等辺三角形です。
したがって、底角である $\angle OBC$ と $\angle OCB$ は等しくなります。

$$\angle OBC = \frac{180^\circ – \angle BOC}{2} = \frac{180^\circ – 140^\circ}{2} = \mathbf{20^\circ}$$

【答え】 $\mathbf{20^\circ}$

【例題2】直角三角形と外心(応用)

$\angle A = 90^\circ$, $AB = 6$, $AC = 8$ の直角三角形 $ABC$ がある。この三角形の外接円の半径 $R$ を求めよ。 解答・解説を表示する

1. 三平方の定理で斜辺 $BC$ を求める
$\triangle ABC$ は $\angle A = 90^\circ$ の直角三角形なので、三平方の定理より:

$$BC^2 = AB^2 + AC^2 = 6^2 + 8^2 = 36 + 64 = 100$$
$$BC = 10 \quad (BC > 0)$$

2. 直角三角形の外心の性質を利用する
直角三角形の外心 $O$ は「斜辺 $BC$ の中点」に位置します。
したがって、外接円の直径が斜辺 $BC$ の長さそのものになります。

$$R = \frac{BC}{2} = \frac{10}{2} = \mathbf{5}$$

【答え】 $\mathbf{5}$


5. まとめ

  • 外心の定義: 三辺の垂直二等分線の交点。
  • 外心の性質: 3 頂点までの距離が等しい($OA = OB = OC = R$)。
  • 角度計算のコツ: 「二等辺三角形の発見」と「円周角の定理(中心角 $= 2 \times$ 円周角)」をセットで使う!
  • 直角三角形のポイント: 外心は斜辺の中点に一致する。

外心は、今後学ぶ正弦定理($\frac{a}{\sin A} = 2R$)でも中心的な概念として再登場します。

次回は「【数A:第3回】三角形の三つの内角の二等分線と内心(内接円の中心)」を解説します!

コメント