【数A:第28回】三垂線の定理と空間の角|空間図形②(三垂線の定理・2平角のなす角)

数学A

「空間図形の中にある角度や長さを求めるとき、どうやって直角を見つければいいの?」
「『三垂線の定理』って名前は難しそうだけど、どんな場面で使うの?」

高校数学A「図形の性質」の第46回(第11回)は、空間図形で最も重要な定理のひとつである「三垂線の定理」と、空間における「2平面のなす角」の測り方を解説します!

複雑に見える3次元の立体から「直角三角形」を取り出して平面上の計算に落とし込むための最強ツールを身につけましょう!


1. 三垂線の定理(3つの直角の関係)

平面 $\alpha$ 上にない点 $\text{P}$、平面 $\alpha$ 上の点 $\text{O}$、平面 $\alpha$ 上の直線 $l$(点 $\text{O}$ を通らない)、および直線 $l$ 上の点 $\text{A}$ について、次の3つの垂線関係が成り立ちます。

💡 【三垂線の定理】

  1. $\text{PO} \perp \alpha$ かつ $\text{OA} \perp l \implies \mathbf{\text{PA} \perp l}$
  2. $\text{PO} \perp \alpha$ かつ $\text{PA} \perp l \implies \mathbf{\text{OA} \perp l}$
  3. $\text{PA} \perp l$ かつ $\text{OA} \perp l$(ただし $\text{OA} \ne 0$)かつ $\text{PO} \perp \text{OA} \implies \mathbf{\text{PO} \perp \alpha}$

🔍 一番よく使うのは「パターン 1」!

特に問題演習で頻出するのは 1 つ目のパターン です。
「頂点から底面に下ろした垂線 $\text{PO}$」と「底面内の直線に下ろした垂線 $\text{OA}$」の 2 つが存在するとき、自動的に $\text{PA} \perp l$(斜めの線も直交する)という 3 つ目の直角が生まれます!


2. 2 平面のなす角(二面角)の定義

空間内で交わる 2 つの平面 $\alpha, \beta$ が作る角度(二面角)は、次のように定義されます。

💡 【2 平面のなす角の測り方】

  1. 2 つの平面 $\alpha, \beta$ の交わる直線(交線 $l$)をとる。
  2. 交線 $l$ 上の点 $\text{A}$ から、平面 $\alpha$ 上に $l \perp m$ となる直線 $m$ を引く。
  3. 同じ点 $\text{A}$ から、平面 $\beta$ 上に $l \perp n$ となる直線 $n$ を引く。
  4. このとき、直線 $m$ と直線 $n$ のなす角 $\theta$ を 2 平面のなす角とする。

※ 2 平面のなす角を考えるときは、「交線に対してそれぞれ垂直な 2 直線を作る」のが鉄則です!


3. 【実践例題】空間の長さと角の計算

【例題1】三垂線の定理を用いた長さの計算

1 辺の長さが $2$ である正四面体 $\text{OABC}$ において、頂点 $\text{O}$ から底面 $\text{ABC}$ に下ろした垂線を $\text{OH}$ とし、点 $\text{H}$ から辺 $\text{AB}$ に下ろした垂線を $\text{HD}$ とする。
(1) 線分 $\text{OD}$ の長さを求めよ。
(2) 線分 $\text{OH}$ の長さを求めよ。 解答・解説を表示する

(1) 線分 $\text{OD}$ の長さ
三垂線の定理(パターン 2)より、$\text{OH} \perp \text{(平面 ABC)}$ かつ $\text{HD} \perp \text{AB}$ であるから、$\text{OD} \perp \text{AB}$ である。
$\triangle \text{OAB}$ は 1 辺の長さが $2$ の正三角形であるから、$\text{OD}$ はその高さにあたる。 $$\text{OD} = 2 \times \frac{\sqrt{3}}{2} = \mathbf{\sqrt{3}}$$

(2) 線分 $\text{OH}$ の長さ
点 $\text{H}$ は正三角形 $\text{ABC}$ の重心になるため、$\text{HD}$ は中線 $\text{CD}$ の長さを $1 : 2$ 内分する短い方($\frac{1}{3}$)にあたる。
正三角形 $\text{ABC}$ の高さ $\text{CD} = \sqrt{3}$ より: $$\text{HD} = \frac{1}{3} \text{CD} = \frac{\sqrt{3}}{3}$$

直角三角形 $\triangle \text{OHD}$ において、三平方の定理より: $$\text{OH}^2 = \text{OD}^2 – \text{HD}^2 = (\sqrt{3})^2 – \left(\frac{\sqrt{3}}{3}\right)^2 = 3 – \frac{1}{3} = \frac{8}{3}$$ $$\text{OH} = \sqrt{\frac{8}{3}} = \mathbf{\frac{2\sqrt{6}}{3}}$$

【例題2】2 平面のなす角の計算

1 辺の長さが $2$ の立方体 $\text{ABCD-EFGH}$ において、面 $\text{EFGH}$ と面 $\text{AFGD}$ のなす角を $\theta$ とするとき、$\cos\theta$ の値を求めよ。 解答・解説を表示する

【手順】

  1. 面 $\text{EFGH}$ と面 $\text{AFGD}$ の交線は 直線 $\text{FG}$ である。
  2. 交線 $\text{FG}$ に垂直な 2 直線を探す。
    面 $\text{EFGH}$ 上で $\text{EF} \perp \text{FG}$。
    面 $\text{AFGD}$ 上で $\text{AF} \perp \text{FG}$(側面 $\text{ABFE}$ が正方形であるため)。
  3. したがって、求める角 $\theta$ は $\angle \text{AFE}$ に等しい。

直角三角形 $\triangle \text{AEF}$ において、$\text{EF} = 2$, $\text{AE} = 2$ より、三平方の定理から $\text{AF} = 2\sqrt{2}$。 $$\cos\theta = \frac{\text{EF}}{\text{AF}} = \frac{2}{2\sqrt{2}} = \mathbf{\frac{1}{\sqrt{2}} \quad (\theta = 45^\circ)}$$


4. まとめ

  • 三垂線の定理: 「底面への垂線」と「底面内の直線への垂線」があれば、斜めの線も自動的に垂直($\text{PA} \perp l$)になる!
  • 2 平面のなす角: 交線を探し、交線上で互いに垂直に立つ 2 直線のなす角を測る!
  • 空間計算の極意: 三垂線の定理や対称性を利用して直角三角形を発見・作成し、三平方の定理や三角比に持ち込む!

空間における直角の発見と角の測り方をマスターできました!

次回は「【数A:第47回】多面体とオイラーの多面体定理|空間図形③(正多面体5種・オイラーの定理 $v-e+f=2$)」を解説します!

コメント