無限数列の極限のなかでも、入試で最も頻出かつ基礎となるのが「 $r^n$ の極限(無限等比数列)」です。
「公比 $r$の値によって、極限がどう変わるのか?」という場合分けをマスターすることが、数学Ⅲの微積分や数列の極限を突破する第一歩になります。
この記事では、$r^n$ の極限の基本パターンから、文字を含む複雑な式の処理方法までわかりやすく解説します!
1. $r^n$ の極限における4つの場合分け(基本公式)
公比 $r$ が実数であるとき、無限等比数列 $r^n$ の極限は、$r$ の値の範囲によって4つのパターンに分類されます。これは必ず暗記しておきましょう!
$$\lim_{n \to \infty} r^n = \begin{cases} \infty & (r > 1) \\ 1 & (r = 1) \\ 0 & (-1 < r < 1) \\ \text{振動 (なし)} & (r \le -1) \end{cases}$$
各パターンのイメージ
- $r > 1$ (例:$2^n$):値を掛け続けるたびに無限に大きくなるため、正の無限大に発散($\infty$)します。
- $r = 1$ (例:$1^n$):何度掛けても $1$ のままなので、$1$ に収束します。
- $-1 < r < 1$ (例:$\left(\frac{1}{2}\right)^n$):掛け算するたびに 0 に近づいていくため、$0$ に収束します。
- $r \le -1$ (例:$(-2)^n$ や $(-1)^n$):符号がプラスとマイナスで交互に入れ替わり、絶対値も大きくなる(または一定のまま)ため、振動して極限なしとなります。
2. 定番パターンの演習:分数式の極限
$r^n$ を含む式で最もよく出題されるのが、「分母・分子に $r^n$ が含まれる分数式」の極限です。
【問題】
次の極限を求めよ。
$$\lim_{n \to \infty} \frac{3^n – 2^n}{3^n + 2^n}$$
【解き方の手順】
分母の中で「最も底が大きい項(この場合は $3^n$)」で、分子と分母のすべての項を割るのが定石です。
- 分母・分子を $3^n$ で割る$$\lim_{n \to \infty} \frac{1 – \left(\frac{2}{3}\right)^n}{1 + \left(\frac{2}{3}\right)^n}$$
- 各項の極限をとる公比 $\frac{2}{3}$ は $-1 < \frac{2}{3} < 1$ の範囲にあるため、$n \to \infty$ のとき $\left(\frac{2}{3}\right)^n \to 0$ となります。
- 計算する$$\frac{1 – 0}{1 + 0} = \mathbf{1}$$
3. 注意すべきトラップ!文字定数を含む場合
公比 $r$ が具体的な数字ではなく、文字(例:$x^n$)で与えられている場合は、自分で範囲を場合分けして解く必要があります。
【例題】
数列 $x, x(x-1), x(x-1)^2, \dots, x(x-1)^{n-1}, \dots$ が収束するような $x$ の値の範囲を求めよ。また、そのときの極限値を求めよ。
【解説のポイント】
この数列の一般項は $a_n = x(x-1)^{n-1}$ ($n \ge 1$)です。
ここには「初項(または係数) $x$」と「公比 $r = x-1$」が含まれています。
収束する条件は以下の2つのケースに分かれます。
- 初項 $x = 0$ のとき:すべての項が $0$ になるため、極限値は $0$(収束する)。
- 公比 $-1 < x-1 \le 1$ のとき:等比部分が収束する条件より、$0 < x \le 2$ となります。
この2つを合わせることで、正確な範囲を導き出すことができます。(※詳しい記述の仕方は参考書などで必ず演習しておきましょう)
4. まとめと次のステップ
$r^n$ の極限を解くときの鉄則は以下の2つです。
- 基本の4パターン($r>1, r=1, \vert{}r\vert{}<1, r \le -1$)を体に叩き込むこと
- 分数式では「一番底が大きい項」で割るか、場合分けを丁寧に行うこと
ここがクリアできたら、次はより発展的な「不定形の処理パターン($\infty – \infty$ や有理化など)」へと進みましょう!
💡 数学Ⅲの計算力をさらに高めたい方へ
「場合分けの記述で減点されないか不安」「類題をたくさん解いて得点源にしたい」という方は
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