【数Ⅰ:第38回】組分け問題の解法テクニック|グループの「区別がある・ない」と割り算のルールを徹底解説!

高校数学

「同じ人数に分けるとき、なぜ $3!$ や $2!$ で割らなきゃいけないの?」

「グループに『名前があるとき』と『名前がないとき』で計算が混乱する…」

組み合わせ $C$ の計算を覚えた後に必ず立ちはだかる難関が、この「組分け(グループ分け)問題」です。

一見同じように見える問題でも、「グループを区別するかどうか」で計算方法がガラリと変わります。

今回は、受験生が特につまずきやすい「重複して数えてしまう仕組み」「割り算する・しないの判定基準」を分かりやすく徹底解説します!

1. 組分け問題の基本概念:「区別」の有無とは?

組分け問題を攻略するカギは、「分けたあとのグループを区別できるか(名前や人数で区別がつくか)」を見極めることです。

まずは、以下の2つのパターンの違いを理解しましょう。

  • パターン①:グループに区別がある(例:A組・B組・C組の 3つに分ける)
  • パターン②:グループに区別がない(例:単に 3つのグループに分ける)

2. 【徹底比較】区別「あり」と区別「なし」の計算例

実際に 6人の生徒(1, 2, 3, 4, 5, 6)を 2人ずつ 3つのグループに分ける 場面で比べてみましょう。

パターン①:グループに「区別がある」場合(A, B, C の 3組に分ける)

まずは、グループに A, B, C という名前が付いている 場合です。

【ステップ1】 A組に入る2人を選ぶ  →  ₆C₂ 通り
【ステップ2】 B組に入る2人を選ぶ  →  ₄C₂ 通り
【ステップ3】 C組に入る2人を選ぶ  →  ₂C₂ 通り(1通り)

連続して選んでいくので、積の法則で掛け合わせます。

$$\text{計算式:} \quad _6C_2 \times _4C_2 \times _2C_2 = 15 \times 6 \times 1 = \mathbf{90 \text{通り}}$$

  • ここがポイント: A組が {1, 2}、B組が {3, 4}、C組が {5, 6} になる場合と、A組が {3, 4}、B組が {1, 2}、C組が {5, 6} になる場合は別のパターンとしてカウントされます。

パターン②:グループに「区別がない」場合(単に 2人ずつ 3組に分ける)

次に、部屋の名前やグループ名がなく、ただ 3つのペア(2人・2人・2人)に分ける 場合です。

区別がない場合、パターン①で計算した 90通りの結果の中に、見た目上まったく同じ組み合わせが重複して含まれてしまいます

【見た目が同じ分け方の例】
・パターンA: [A組: {1,2}]  [B組: {3,4}]  [C組: {5,6}]
・パターンB: [A組: {3,4}]  [C組: {1,2}]  [B組: {5,6}]
・パターンC: [A組: {5,6}]  [B組: {1,2}]  [C組: {3,4}] ...など

名前(A, B, C)を取り払ってしまうと、上のパターンはどれも 「{1,2} と {3,4} と {5,6} の3組」 という全く同じ分け方になります。

人数が同じグループが 3つ あるため、そのグループ同士の並べ替え方である $3! = 6$ 通りずつ 重複してカウントされているのです。

したがって、区別がある場合の計算結果を $3!$ で割る 必要があります!

$$\text{計算式:} \quad \frac{_6C_2 \times _4C_2 \times _2C_2}{3!} = \frac{90}{6} = \mathbf{15 \text{通り}}$$

3. 【判定ルール】いつ「割る」のか?(割り算の鉄則)

割るか割らないかで迷ったときは、次のルールを絶対に覚えておきましょう。

💡 【組分け問題の割り算ルール】

「人数が同じ」で「名前の区別がない」グループが $k$ 個あるときは、最後に $k!$ で割る!

⚠️ 注意が必要なパターン(人数が異なる場合)

例えば、6人を「3人・2人・1人」の 3組に分ける 場合を考えてみましょう。

この場合、グループに名前が付いていなくても、「3人の組」「2人の組」「1人の組」という人数の違い自体がグループの区別(識別タグ) になります。

入れ替わって重複することが構造上起こり得ないため、$3!$ などの割り算は不要です!

$$\text{計算式:} \quad _6C_3 \times _3C_2 \times _1C_1 = 20 \times 3 \times 1 = \mathbf{60 \text{通り}}$$

4. 【実践例題】テスト・受験で出る応用問題

【例題】異なる 8冊の本の分け方

異なる 8冊の本がある。次のような分け方は何通りあるか。

  1. Aに 4冊、Bに 2冊、Cに 2冊の 3人に分ける。
  2. 4冊、2冊、2冊の 3つの組に分ける。

【解説】(1) Aに 4冊、Bに 2冊、Cに 2冊の 3人に分ける

「A, B, C」と人(グループ)が明確に区別されているため、順番に選んで掛けるだけです。

  1. Aの 4冊を選ぶ: $_8C_4 = 70$ 通り
  2. Bの 2冊を選ぶ: $_4C_2 = 6$ 通り
  3. Cの 2冊を選ぶ: $_2C_2 = 1$ 通り

$$\text{計算式:} \quad _8C_4 \times _4C_2 \times _2C_2 = 70 \times 6 \times 1 = \mathbf{420 \text{通り}}$$

【解説】(2) 4冊、2冊、2冊の 3つの組に分ける

(1) との違いは 「A, B, C という区別がなくなったこと」 です。

ここで注目すべきは、「2冊」という同じ人数のグループが 2つある という点です。

この「2冊の組」同士には区別がないため、(1) の結果を $2!$ で割る 必要があります。

(※4冊の組は人数が異なるため、重複の原因になりません)

$$\text{計算式:} \quad \frac{_8C_4 \times _4C_2 \times _2C_2}{2!} = \frac{420}{2} = \mathbf{210 \text{通り}}$$

【答え】 (1) 420通り / (2) 210通り

5. まとめ

  • 区別がある場合(名前つき) $\to$ $_nC_r$ を順に計算して掛けるだけ!
  • 区別がない場合(名前なし) $\to$ 「人数が同じグループの個数 $k$」 に注目し、最後に $k!$ で割る
  • 人数がバラバラ(例:3人・2人・1人)なら、区別がなくても割り算は不要!

「同じ人数の組が何個あるか?」を意識するだけで、組分け問題のミスは激減します。

次回は、いよいよ「場合の数」の単元を締めくくる超重要公式「第39回:二項定理とパスカルの三角形の仕組み」を解説します!

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