【数Ⅰ:第43回】反復試行の確率|公式 nCr p^r (1-p)^(n-r) の意味と使い方を徹底解説!

高校数学

「反復試行(はんぷくしこう)の公式に出てくる n​Cr​ って、なんで掛けるの?」

「独立な試行と反復試行の違いがイマイチ分からない……」

確率の分野で、決まった計算手順(型)を覚えれば確実に満点が狙える超得点源、それが「反復試行の確率」です。

今回は、公式 n​Cr​pr(1−p)n−r を丸暗記するのではなく、「なぜこの公式で解けるのか」という仕組みから、実際の計算問題、よくあるミスまで分かりやすく徹底解説します!

1. 「独立な試行」と「反復試行」とは?

まずは言葉の意味をスッキリ整理しておきましょう。

① 独立な試行(どくりつなしかう)

2つ以上の試行において、「一方の結果が、もう一方の結果に影響を与えない」関係のことです。

  • :「コインを投げる」動作と「サイコロを振る」動作→ コインが表になろうが裏になろうが、サイコロの目の出やすさには何の影響もありません。このような関係を独立といいます。

💡 独立な試行の確率公式(積の法則)

互いに独立な試行 A,B が起こる確率は、単純に掛け合わせるだけ!

P(A∩B)=P(A)×P(B)

② 反復試行(はんぷくしこう)

「サイコロを 5回 続けて投げる」「コインを 10回 投げる」のように、「同じ条件(独立な試行)を何度も繰り返し行うこと」を反復試行と呼びます。

何回行っても、1回ごとに特定の事象が起こる確率 p は変わりません。

2. 反復試行の確率公式

💡 【反復試行の確率の公式】

1回の試行で事象 A が起こる確率を p とする。

この試行を n 回繰り返すとき、事象 A が ちょうど r 回起こる確率 は、

P=n​Cr​⋅pr⋅(1−p)n−r

※ ただし 1−p は「事象 A が起こらない確率(余事象の確率 q)」です。

なぜ n​Cr​ を掛けるの?(公式の成り立ち)

「サイコロを 3回 投げて、1の目がちょうど 2回 出る確率」を例に考えてみましょう。

1の目が出る確率を O=61​、出ない確率を X=65​ とします。

3回のうち 2回 1の目が出るパターンを書き出すと、以下の 3通り あります。

  1. (1回目: O, 2回目: O, 3回目: X) →(61​)×(61​)×(65​)=(61​)2(65​)1
  2. (1回目: O, 2回目: X, 3回目: O) →(61​)×(65​)×(61​)=(61​)2(65​)1
  3. (1回目: X, 2回目: O, 3回目: O) →(65​)×(61​)×(61​)=(61​)2(65​)1

どのパターンも、かける数字の順番が違うだけで確率はすべて同じです。

そして、「3回のうち 2回 ◯ が出る場所(順番)の選び方」は 3​C2​=3通り あります。

つまり、「1パターン分の確率」に「場所の選び方 n​Cr​」を掛け算しているのが反復試行の公式の正体です!

【反復試行の構造】
[ 場所の選び方 (_nC_r) ] × [ 起こる確率 (p^r) ] × [ 起こらない確率 ((1-p)^(n-r)) ]

3. 【実践例題】反復試行の基本と応用

【例題1】サイコロの反復試行(基本)

1つのサイコロを 5回 投げるとき、1の目がちょうど 3回 出る確率を求めよ。

解答・解説

  1. 必要な数字を整理する
    • 試行回数 n=5
    • 成功回数 r=3
    • 1の目が出る確率 p=61​
    • 1の目が出ない確率 1−p=65​
  2. 公式にあてはめて計算するP=5​C3​(61​)3(65​)5−3
    • 5​C3​=5​C2​=2×15×4​=10
    • (61​)3=2161​
    • (65​)2=3625​
    P=10×2161​×3625​=777610×25​=3888125​

【答え】 3888125​

【例題2】ゲームの勝敗(応用:◯回目に達成する確率)

A君とB君がじゃんけんをし、先に 3回 勝った方を優勝とする。あいこも 1回と数えるとき、5回目に A君の優勝が決まる確率を求めよ。

⚠️ 超重要注意点!

「5回目に優勝が決まる」ということは、5回目は絶対に A君が勝たなければなりません。 ということは、「4回目終了時点で A君が 2勝 2敗(あるいはあいこ)」 になっている必要があります!

解答・解説

  1. じゃんけん 1回で A君が勝つ確率 p を確認勝つ気率は p=31​、勝たない(負け・あいこ)確率は 1−p=32​ です。
  2. 【ステップ1】 1〜4回目で A君が「ちょうど 2勝」する確率を求める試行回数 n=4、勝利回数 r=2 の反復試行です。P1​=4​C2​(31​)2(32​)2=6×91​×94​=8124​
  3. 【ステップ2】 5回目に A君が勝つ確率(31​)を掛けるP=P1​×31​=8124​×31​=818​

【答え】 818​

4. まとめ

  • 独立な試行:お互いの結果に影響しない試行。確率は掛け算(積の法則)でOK!
  • 反復試行の公式P=n​Cr​⋅pr⋅(1−p)n−r
  • n​Cr​ の意味:何回目にその事象が起こるかという「順番の選び方の総数」!
  • 「◯回目に達成する」パターンのコツ最後の 1回を固定し、その手前までの回数で反復試行を計算する!

反復試行は、構造さえ理解できれば「数字をあてはめるだけ」で確実に解けるサービス問題になります。

次回は、大学入試や共通テストで大人気の難関テーマ「第44回:条件付き確率とベイズの定理の考え方」を解説します!

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