【数Ⅰ:第13回】2次関数の最大・最小(応用編:軸や定義域に文字が含まれる場合)

高校数学

「2次関数の最大・最小問題で、文字が入ってきた途端に手が出なくなる…」

「場合分けの条件($a < 0$ とか $0 \leqq a \leqq 2$ とか)をどう作ればいいのか分からない」

定期テストや大学入試で必ずと言っていいほど出題されるのが、軸や定義域($x$ の範囲)に文字を含む2次関数の最大・最小です。

一見難しそうに見えますが、「何が動いているのか」をイメージして「場合分けの基準」さえ掴んでしまえば、どんなパターンでも機械的に解けるようになります!

今回は、受験生が一番つまずきやすいこの分野を、図解とともに分かりやすく徹底解説します。

1. なぜ「場合分け」が必要なのか?

2次関数 $y = a(x – p)^2 + q$ (下に凸とする)の最大・最小を考えるときの鉄則は、「頂点(軸)が定義域の中にあるかどうか」でした。

しかし、軸や定義域に文字 $a$ などが含まれていると、グラフと定義域の位置関係が変化してしまいます。

上記のように、軸が左にあるか、中央にあるか、右にあるかによって「どこが一番低いか(最小値)」「どこが一番高いか(最大値)」が変わります。

だからこそ、「状況ごとにグループ分けして答える(=場合分け)」が必要になるのです。

2. パターン①:軸が動く場合の「最小値」

まずは、下に凸のグラフで軸(頂点)が動くパターンを考えてみましょう。

【例題1】

$f(x) = x^2 – 2ax + 1 \quad (0 \leqq x \leqq 2)$ の最小値を求めよ。

解き方の手順

まずは平方完成して、軸の位置を確認します。

$$f(x) = (x – a)^2 – a^2 + 1$$

軸は 直線 $x = a$、頂点は $(a, -a^2 + 1)$ です。

軸 $x = a$ が、定義域 $0 \leqq x \leqq 2$ に対して「どこにあるか」で3つに場合分けします。

1. 軸が定義域の「左側」にあるとき($a < 0$)

グラフは $0 \leqq x \leqq 2$ の範囲で単調増加(右上がり)になります。

  • 最小値:$x = 0$ のとき
  • $f(0) = 1$

2. 軸が定義域の「内側」にあるとき(

2. 軸が定義域の「内側」にあるとき($0 \leqq a \leqq 2$)

\leqq a \leqq 2$)

定義域の中に頂点が含まれるため、頂点がそのまま最小になります。

  • 最小値:$x = a$ のとき
  • $f(a) = -a^2 + 1$

3. 軸が定義域の「右側」にあるとき( < a$)

グラフは $0 \leqq x \leqq 2$ の範囲で単調減少(右下がり)になります。

  • 最小値:$x = 2$ のとき
  • $f(2) = 2^2 – 2a(2) + 1 = 5 – 4a$

【解答のまとめ】

  • $a < 0$ のとき:$x = 0$ で最小値 $1$
  • $0 \leqq a \leqq 2$ のとき:$x = a$ で最小値 $-a^2 + 1$
  • $2 < a$ のとき:$x = 2$ で最小値 $5 – 4a$

💡 ポイント(最小値の場合分け)

下に凸のグラフの最小値は、**「軸が左外」「内側」「右外」**の 3パターン に分ける!

3. パターン②:軸が動く場合の「最大値」

次に、同じ関数・定義域で「最大値」を求めてみましょう。

下に凸のグラフにおいて、最大値をとるのは「軸から一番遠い端点」です。 したがって、最大値の場合分けの基準は、定義域の「中央(中点)」になります!

定義域 $0 \leqq x \leqq 2$ の中央は、$\frac{0 + 2}{2} = 1$ です。

【例題2】

$f(x) = (x – a)^2 – a^2 + 1 \quad (0 \leqq x \leqq 2)$ の最大値を求めよ。

1. 軸が中央より「左」にあるとき($a < 1$)

軸が左寄りのため、右端の $x = 2$ の方が軸から遠くなります。

  • 最大値:$x = 2$ のとき
  • $f(2) = 5 – 4a$

2. 軸がちょうど「中央」にあるとき($a = 1$)

左右対称になり、両端 $x = 0, 2$ で同じ高さをとります。

  • 最大値:$x = 0, 2$ のとき
  • $f(0) = f(2) = 1$

3. 軸が中央より「右」にあるとき( < a$)

軸が右寄りのため、左端の $x = 0$ の方が軸から遠くなります。

  • 最大値:$x = 0$ のとき
  • $f(0) = 1$

【解答のまとめ】

  • $a < 1$ のとき:$x = 2$ で最大値 $5 – 4a$
  • $a = 1$ のとき:$x = 0, 2$ で最大値 $1$
  • $1 < a$ のとき:$x = 0$ で最大値 $1$

※ $a = 1$ のときは $a \leqq 1$ や $a \geqq 1$ の中に含めて書いても構いません。

💡 ポイント(最大値の場合分け)

下に凸のグラフの最大値は、**「定義域の中央」**より軸が左か右かで 2パターン(または3パターン) に分ける!

4. 場合分けの整理表(永久保存版)

下に凸($a > 0$)の2次関数において、場合分けの基準をまとめた表です。迷ったらここに戻ってきましょう!

求める値注目するポイント場合分けの数境目となる値
最小値軸が定義域に入っているか3パターン定義域の「左端」と「右端」
最大値軸が定義域の中央よりどちら寄りか2〜3パターン定義域の「中央(中点)」

(※上に凸のグラフの場合は、最大値と最小値の考え方が逆になります)

5. まとめ

  • 文字が入っても焦らない! 平方完成して「軸」の形を特定する。
  • 最小値(下に凸) は、軸が「左・中・右」の 3つ
  • 最大値(下に凸) は、軸が「中央より左・右」の 2つ
  • グラフをノートの余白に簡単でいいので描き、動くイメージを持つことが成功の鍵!

軸や定義域に文字が含まれる問題は、最初は誰もが戸惑う難所です。しかし、手を動かしてグラフを描き、パターンを意識して解く練習を重ねれば、確実に得点源にできます。

次回は「2次関数の決定(条件から式を求める問題)」を解説します!

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