「正多面体が世の中に 5 種類しか存在しないって本当?」
「頂点・辺・面の数を求める『オイラーの多面体定理』の式って、どうやって使うの?」
高校数学A「図形の性質」の第47回(第12回)は、立体図形の美しさと特徴が詰まった「多面体と正多面体」、そして頂点・辺・面の数に成り立つ絶対法則「オイラーの多面体定理」を解説します!
正多面体の特徴を整理し、複雑な穴のない多面体(凸多面体)の要素の数を一瞬で導く計算テクニックをマスターしましょう!
1. 正多面体(なぜ 5 種類しか存在しないのか?)
すべての面が合同な正多角形で、各頂点に集まる面の数がすべて等しい凸多面体を正多面体と呼びます。
💡 【正多面体の 5 種類一覧表】
名称 面の形 1頂点に集まる面の数 頂点の数 $v$ 辺の数 $e$ 面の数 $f$ 正四面体 正三角形 3 4 6 4 正六面体(立方体) 正方形 3 8 12 6 正八面体 正三角形 4 6 12 8 正十二面体 正五角形 3 20 30 12 正二十面体 正三角形 5 12 30 20
🔍 なぜ正多面体は 5 種類しかないの?
立体ができるためには、「1 つの頂点に集まる内角の和が $360^\circ$ 未満」かつ「面が 3 つ以上集まる」必要があります。
- 正三角形(1つの角 $60^\circ$): 3つ($180^\circ$)、4つ($240^\circ$)、5つ($300^\circ$)の 3 種類(6つだと $360^\circ$ で平面になってしまう)
- 正方形(1つの角 $90^\circ$): 3つ($270^\circ$)の 1 種類(4つだと $360^\circ$)
- 正五角形(1つの角 $108^\circ$): 3つ($324^\circ$)の 1 種類(4つだと $432^\circ > 360^\circ$)
- 正六角形以上(1つの角 $120^\circ$ 以上): 3つ以上集めると $360^\circ$ 以上となり立体を作れない。
したがって、$3 + 1 + 1 = \mathbf{5}$ 種類しか存在しません!
2. オイラーの多面体定理
へこみのない任意の多面体(凸多面体)において、頂点・辺・面の数には次の美しい関係が常に成り立ちます。
💡 【オイラーの多面体定理】
多面体の頂点の数を $v$ (vertices)、辺の数を $e$ (edges)、面の数を $f$ (faces) とすると:
$$\mathbf{v – e + f = 2}$$
(覚え方:「頂点 $-$ 辺 $+$ 面 = 2」 / 「ちへめん=2」)
3. 【実践例題】要素の決定と応用計算
【例題1】正二十面体の頂点・辺の数を計算で求める
すべての面が正三角形である「正二十面体」の面の数は $f = 20$ である。
1 つの頂点に集まる面の数が 5 であるとき、計算によって辺の数 $e$ と頂点の数 $v$ を求めよ。 解答・解説を表示する
【1. 辺の数 $e$ を求める】
正三角形(辺が 3 本)が 20 面あるので、すべての面の辺を数え上げると $3 \times 20 = 60$ 本。
ただし、1 本の辺は 2 つの面に共有されているため、重複して 2 回ずつ数えています。
$$\text{辺の数 } e = \frac{3 \times 20}{2} = \mathbf{30}$$
【2. 頂点の数 $v$ を求める(2 通りのアプローチ)】
アプローチ A:重複度の計算
正三角形(頂点が 3 つ)が 20 面あるので、$3 \times 20 = 60$。
1 つの頂点に面が 5 つ集まっている(5 回重複して数えている)ため:
$$\text{頂点の数 } v = \frac{3 \times 20}{5} = \mathbf{12}$$
アプローチ B:オイラーの多面体定理を利用
$e = 30, f = 20$ を $v – e + f = 2$ に代入すると:
$$v – 30 + 20 = 2 \implies v – 10 = 2 \implies v = \mathbf{12}$$
【例題2】応用多面体(サッカーボール型)の計算
正十二面体(正五角形 12 面)のすべての頂点を切断して、正五角形 12 個と正六角形 20 個からなる多面体(サッカーボール型:切頂二十面体)を作った。
この多面体の面の数 $f$、頂点の数 $v$、辺の数 $e$ をそれぞれ求めよ。 解答・解説を表示する
【1. 面の数 $f$】
正五角形が 12 個、正六角形が 20 個あるので:
$$f = 12 + 20 = \mathbf{32}$$
【2. 辺の数 $e$】
正五角形の辺の和($5 \times 12 = 60$)と、正六角形の辺の和($6 \times 20 = 120$)の合計は $180$。
すべての辺は 2 つの面に共有されているので:
$$e = \frac{180}{2} = \mathbf{90}$$
【3. 頂点の数 $v$】
オイラーの多面体定理 $v – e + f = 2$ より:
$$v – 90 + 32 = 2 \implies v – 58 = 2 \implies v = \mathbf{60}$$
【答え】 面の数 $f = 32$, 辺の数 $e = 90$, 頂点の数 $v = 60$
4. まとめ
- 正多面体は 5 種類のみ: 正四面体・正六面体・正八面体・正十二面体・正二十面体!
- オイラーの多面体定理: $\mathbf{v – e + f = 2}$(頂点 $-$ 辺 $+$ 面 = 2)!
- 重複計算のコツ: 面ごとの辺の総和は $2e$、頂点の総和は(1頂点に集まる面の数)$\times v$ になる!
空間図形の性質および数学A「図形の性質」単元(全12回)のすべての解説が完了しました!
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