【数A:第26回】2つの円の位置関係と共通接線|円の性質③(中心距離 $d$ と半径 $R, r$ の関係)

数学A

「2つの円の位置関係って、どうやって判断するんだっけ?」
「共通接線の長さを求めるとき、いつも図で三平方の定理を使う組み立てに迷ってしまう……」

高校数学A「図形の性質」の第42回(第7回)は、2つの円が重なり合う様子を表す「2つの円の位置関係」と「共通接線の長さの求め方」を解説します!

半径の和・差と中心間距離の大小関係をすっきり整理し、共通接線の長さを直角三角形の作図によって一発で導くテクニックを身につけましょう!


1. 2つの円の位置関係(5つのパターン)

半径がそれぞれ $R, r$(ただし $R > r$)である2つの円があり、その中心間の距離を $d$ とするとき、2つの円の位置関係は以下の 5つの状態 に分類されます。

位置関係中心距離 $d$ と半径 $R, r$ の関係式共通接線の本数
① 互いに外部にある$$\mathbf{d > R + r}$$4 本(外2本・内2本)
② 外接する$$\mathbf{d = R + r}$$3 本(外2本・内1本)
③ 2点で交わる$$\mathbf{R – r < d < R + r}$$2 本(外2本)
④ 内接する$$\mathbf{d = R – r}$$1 本(外1本)
⑤ 一方が他方を包含する$$\mathbf{d < R – r}$$0 本

🔍 覚えるポイント:接するポイント(接点)に着目!

境界となるのは「外接($d = R + r$)」と「内接($d = R – r$)」の2つです!
・外接より離れれば「①互いに外部」
・内接より中に入れば「⑤包含」
・その間に挟まれれば「③2点で交わる」と整理すると迷いません。


2. 共通接線の長さを求める作図テクニック

共通接線の長さ(接点から接点までの距離)を求めるときは、平行移動して直角三角形を作るのが鉄則です。

💡 【共通接線の計算手順】

  1. 共通外接線(交差しない接線):
    中心距離 $d$ を斜辺、半径の差 $(R – r)$ を一辺とする直角三角形を作る。
    $$\text{接線の長さ} = \sqrt{d^2 – (R – r)^2}$$
  2. 共通内接線(クロスする接線):
    中心距離 $d$ を斜辺、半径の和 $(R + r)$ を一辺とする直角三角形を作る。
    $$\text{接線の長さ} = \sqrt{d^2 – (R + r)^2}$$

3. 【実践例題】位置関係と共通接線の演習

【例題1】位置関係の判定

半径 $7$ の円 $\text{O}_1$ と半径 $3$ の円 $\text{O}_2$ がある。2つの円の中心間距離 $d$ が以下のように与えられたとき、位置関係を答えよ。
(1) $d = 12 \quad$ (2) $d = 10 \quad$ (3) $d = 4$ 解答・解説を表示する

1. 半径の和と差を計算しておく
$R = 7, r = 3$ より:

  • 半径の和:$R + r = 7 + 3 = 10$
  • 半径の差:$R – r = 7 – 3 = 4$

2. それぞれの $d$ と比較する

  • (1) $d = 12$ のとき:
    $d > R + r$ ($12 > 10$) であるため、「互いに外部にある」
  • (2) $d = 10$ のとき:
    $d = R + r$ ($10 = 10$) であるため、「外接する」
  • (3) $d = 4$ のとき:
    $d = R – r$ ($4 = 4$) であるため、「内接する」

【答え】 (1) 互いに外部にある $\quad$ (2) 外接する $\quad$ (3) 内接する

【例題2】共通外接線の長さを求める

半径 $5$ の円 $\text{O}_1$ と半径 $2$ の円 $\text{O}_2$ の中心間距離が $d = 8$ である。
この2円の共通外接線が2円と接する点をそれぞれ $\text{A}, \text{B}$ とするとき、線分 $\text{AB}$ の長さを求めよ。 解答・解説を表示する

1. 共通外接線の直角三角形をイメージ(作図)する
中心 $\text{O}_2$ から半径 $\text{O}_1\text{A}$ に下ろした垂線の足を $\text{H}$ とします。
すると、四角形 $\text{ABO}_2\text{H}$ は長方形となり、$\text{AH} = \text{O}_2\text{B} = 2$ となります。

したがって、$\triangle \text{O}_1\text{HO}_2$ において:

  • 斜辺 $\text{O}_1\text{O}_2 = d = 8$
  • 他の一辺 $\text{O}_1\text{H} = R – r = 5 – 2 = 3$
  • 求める長さ $\text{HO}_2 = \text{AB}$

2. 三平方の定理を適用する

$$\text{AB}^2 + \text{O}_1\text{H}^2 = \text{O}_1\text{O}_2^2$$
$$\text{AB}^2 + 3^2 = 8^2$$
$$\text{AB}^2 + 9 = 64 \implies \text{AB}^2 = 55$$

$\text{AB} > 0$ であるため、$\text{AB} = \sqrt{55}$ となります。

【答え】 $\mathbf{AB = \sqrt{55}}$


4. まとめ

  • 位置関係の判定: 中心距離 $d$ を「半径の和 $R+r$」と「半径の差 $R-r$」の2段階と比較する!
  • 共通外接線: 斜辺 $d$、他辺 $R – r$ の直角三角形(三平方の定理)
  • 共通内接線: 斜辺 $d$、他辺 $R + r$ の直角三角形(三平方の定理)

2つの円に関する距離・接線の計算ルールがクリアになりました!

次回は「【数A:第14回】作図の可能性と基本作図|平面図形①(角の二等分線・垂直二等分線・直線と円の作図)」を解説します!

コメント