「『並べる』ときと『選ぶだけ』のときで、どっちの公式を使えばいいのか分からなくなる……」
「重複組合せ($_n\text{H}_r$)の『◯と|(棒)の置き換え』の理屈がいまいちピンとこない」
高校数学A「場合の数と確率」の第2回は、順番を区別せずにグループを選ぶ「組合せ(Combination:$_n\text{C}_r$)」と、同じものを何度選んでもよい「重複組合せ($_n\text{H}_r$)」を徹底解説します!
順列との違いを明確にし、複雑な条件のグループ分けや方程式の整数解の数え上げをスッキリ解きこなすテクニックをマスターしましょう!
1. 組合せ(Combination:$_n\text{C}_r$)の基本
異なる $n$ 個のものから、順序を気にせず「ただ $r$ 個を選ぶ」ときの総数を組合せといい、$_n\text{C}_r$ で表します。
💡 【順列と組合せの決定的な違い】
- 順列($_n\text{P}_r$): 「A, B, C」と「B, A, C」を区別する(並び順まで考慮する)
- 組合せ($_n\text{C}_r$): 「A, B, C」のメンバーを選んだ時点で、並び順は関係なく同じものとして扱う
【計算公式】
$$_n\text{C}_r = \frac{_n\text{P}_r}{r!} = \frac{n(n-1)\cdots(n-r+1)}{r!} = \frac{n!}{r!(n-r)!}$$※ 順列で一列に並べたあと、選ばれた $r$ 個の「並び替えるパターン($r!$ 通り)」で割り算して重複を削るのが本質です!
| 公式・性質 | 内容・式 | 実用的なメリット |
|---|---|---|
| 余りの組合せ | $$_n\text{C}_r = _n\text{C}_{n-r}$$ | $r$ が大きいときは「選ばないものを選ぶ」に変換して計算をラクにする |
| パスカルの三角形の原理 | $$_{n-1}\text{C}_{r-1} + _{n-1}\text{C}_{r} = _n\text{C}_r$$ | 特定の 1 人が「含まれる場合」と「含まれない場合」で場合分けする |
2. 重複組合せ($_n\text{H}_r$)の考え方
異なる $n$ 個のものから、重複を許して合計 $r$ 個を選ぶときの総数を重複組合せといい、$_n\text{H}_r$ で表します。
💡 【重複組合せを解く最強の武器:「◯と|(棒)の置換」】
例えば、「りんご、みかん、ぶどう」の 3 種類のフルーツから合わせて 5 個を選ぶ方法(重複を許す)を考えます。
これを 5 個の「◯(選ぶ果物)」 と、種類を区切る 2 個の「|(仕切りの棒)」 の並び替え問題に翻訳します!
例:`○○|◯◯◯|` = りんご 2個、みかん 3個、ぶどう 0個。
つまり、$(n-1)$ 本の「|」と $r$ 個の「◯」の合計 $(n+r-1)$ 個を 1 列に並べる順列 に帰着できます:
$$\mathbf{_n\text{H}_r = _{n+r-1}\text{C}_r}$$
3. 【実践例題】組合せの応用演習
【例題1】図形上の交点・三角形の個数
同一円周上に異なる 8 点がある。このうち 3 点を結んでできる三角形は何個あるか。
また、8 点を結ぶ直線のうち、どの 3 直線も 1 点で交わらないとき、交点は全部で何個あるか。 解答・解説を表示する1. 三角形の個数(頂点を選ぶ)
円周上の 8 点からどの 3 点を選んでも、必ず 1 つの三角形が定まります。順番は関係ないので組合せを使います: $$_8\text{C}_3 = \frac{8 \times 7 \times 6}{3 \times 2 \times 1} = \mathbf{56 \text{個}}$$2. 直線の交点の個数(2本の直線を選ぶ)
直線が 1 本決まるには 2 点が必要なので、8 点から 2 点を選ぶ組合せの数だけ直線を引くことができます: $$\text{直線の総数} = _8\text{C}_2 = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} = 28 \text{本}$$ 交点は「2 本の直線が交差する」ことで生まれるため、28 本の直線からどの 2 本を選ぶかの組合せになります: $$_{28}\text{C}_2 = \frac{28 \times 27}{2 \times 1} = \mathbf{378 \text{個}}$$
【例題2】重複組合せを用いた方程式の整数解
次を満たす負でない整数($0$ 以上の整数)の組 $(x, y, z)$ の総数を求めよ。
$$x + y + z = 7$$ 解答・解説を表示する1. 問題の構造を読み替える
「$x, y, z$ の合計が $7$」とは、3 種類の文字($x, y, z$)に対して、合わせて $7$ 個の「 $1$ 」を割り振る(重複を許して選ぶ)問題と捉えることができます。2. 重複組合せの公式にあてはめる
種類 $n = 3$、選ぶ個数 $r = 7$ の重複組合せであるため、$_3\text{H}_7$ を計算します: $$_3\text{H}_7 = _{3+7-1}\text{C}_7 = _9\text{C}_7 = _9\text{C}_2 = \frac{9 \times 8}{2 \times 1} = \mathbf{36 \text{通り}}$$(※もし「正の整数($1$ 以上)」の条件に変更された場合は、あらかじめ $x’ = x-1$ などと置換して $0$ 以上に帰着させるテクニックが定番です!)
4. まとめ
- 組合せ($_n\text{C}_r$): 「順番を区別しない選び方」。余りの対称性($_n\text{C}_r = _n\text{C}_{n-r}$)をフル活用する!
- 重複組合せ($_n\text{H}_r$): 「◯と|の置換」で一発変換!公式は $\mathbf{_{n+r-1}\text{C}_r}$!
- 方程式の整数解: 変数の個数が $n$、合計値が $r$ の重複組合せ($_n\text{H}_r$)にそのまま翻訳できる!
組合せと重複組合せの考え方がすっきりと整理できました!
次回は「【数A:第3回】確率の基本と基本性質|確率①(事象・根元事象・確率の基本法則)」を解説します!
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