「三角形の中に複雑に線が交わっているとき、それぞれの線分の比をどうやって求めればいいのか途方に暮れる……」
「『チェバの定理』と『メネラウスの定理』の公式の形は覚えたのに、いざ図形を見るとどの順序で分数に当てはめればいいか分からない!」
高校数学A「図形の性質」の第3回は、平面図形の比の計算における最強の必殺技である「チェバの定理」と「メネラウスの定理」を徹底解説します!
三角形の中と外を巡る「ぐるっと一周」の法則をマスターし、どんな複雑な線分の比も一瞬でスッキリ解き明かせる実力を身につけましょう!
1. チェバの定理(三角形の内部で交わる線分)
三角形の 3 つの頂点から対辺(またはその延長)に向けて引いた線が 1 点で交わるときに成り立つ強力な関係です。
💡 【チェバの定理の公式】
$\triangle ABC$ の 3 つの頂点 $A, B, C$ から対辺 $BC, CA, AB$(またはその延長線)に下ろした直線が 1 点 $O$ で交わるとき、次が成り立ちます。$$\frac{AR}{RB} \times \frac{BP}{PC} \times \frac{CQ}{QA} = 1$$
(※ 覚え方:三角形の頂点からスタートし、「分点から次の頂点へ、頂点から次の分点へ」と周囲をぐるっと一周して分数を掛け合わせると、必ず積が $1$ になります!)
2. メネラウスの定理(三角形と1本の直線)
三角形の 3 辺(またはその延長線)が 1 本の直線によって横切られるときに成り立つ、チェバの定理の双子のような関係です。
💡 【メネラウスの定理の公式】
$\triangle ABC$ の 3 辺 $AB, BC, CA$(またはその延長線)が 1 本の直線とそれぞれ点 $F ,D, E$ で交わるとき、次が成り立ちます。
$$\frac{AF}{FB} \times \frac{BD}{DC} \times \frac{CE}{EA} = 1$$
(※ 覚え方:三角形の「一つの頂点」から出発し、「分点から次の頂点へ、頂点から次の分点へ」と周囲をぐるっと一周して分数を掛け合わせる。途中で外分点を通る場合は、直線の延長上に進むことになります!)
3. 【実践例題】チェバ・メネラウスの活用演習
【例題1】チェバの定理を用いた比の計算
$\triangle ABC$ において、辺 $AB$ を $3 : 2$ に内分する点を $R$、辺 $AC$ を $4 : 3$ に内分する点を $Q$ とする。線分 $BQ$ と $CR$ の交点を $O$ とし、直線 $AO$ と辺 $BC$ の交点を $P$ とするとき、$BP : PC$ の比を求めよ。 解答・解説を表示する
1. チェバの定理の形に当てはめる
$\triangle ABC$ と点 $O$ で交わる線分について、チェバの定理を適用する: $$\frac{AR}{RB} \times \frac{BP}{PC} \times \frac{CQ}{QA} = 1$$
2. 分かっている比の値を代入する
問題文の条件より:
- $AR : RB = 3 : 2 \implies \frac{AR}{RB} = \frac{3}{2}$
- $AQ : QC = 4 : 3 \implies \frac{CQ}{QA} = \frac{3}{4}$ (※ $CQ$ が上、$QA$ が下になることに注意)
これらを式に代入する: $$\frac{3}{2} \times \frac{BP}{PC} \times \frac{3}{4} = 1$$ $$\frac{9}{8} \times \frac{BP}{PC} = 1$$
3. $BP : PC$ を計算する
$$\frac{BP}{PC} = \frac{8}{9}$$
【答え】 $BP : PC = 8 : 9$
【例題2】メネラウスの定理を用いた比の計算
$\triangle ABC$ において、辺 $AB$ を $1 : 2$ に内分する点を $F$、辺 $AC$ を $2 : 1$ に内分する点を $E$ とする。直線 $FE$ と辺 $BC$ の延長線との交点を $D$ とするとき、$BC : CD$ の比を求めよ。 解答・解説を表示する
1. メネラウスの定理のルートを確認する
$\triangle ABC$ と直線 $FED$ に対してメネラウスの定理を適用する: $$\frac{AF}{FB} \times \frac{BD}{DC} \times \frac{CE}{EA} = 1$$
2. それぞれの比を代入する
- $AF : FB = 1 : 2 \implies \frac{AF}{FB} = \frac{1}{2} $
- $AC$ を $2 : 1$ に内分する点 $E$ なので、$CE : EA = 1 : 2 \implies \frac{CE}{EA} = \frac{1}{2}$
これらを代入すると: $$\frac{1}{2} \times \frac{BD}{DC} \times \frac{1}{2} = 1 \implies \frac{1}{4} \times \frac{BD}{DC} = 1 \implies \frac{BD}{DC} = 4$$
3. $BC : CP$ を導く
$BD : DC = 4 : 1$ であるため、$BC = DC – BD = 4 – 1 = 3$ となり、 $$BC : CD = 3 : 1$$
【答え】 $BC : CD = 3 : 1$
4. まとめ
- チェバの定理: 三角形の内部で 3 直線が 1 点で交わる $\implies$ 「ぐるっと一周して積が 1」!
- メネラウスの定理: 三角形の 3 辺(または延長線)を 1 本の直線が横切る $\implies$ 「外側・内側を交互に辿る一周で積が 1」!
- 使い分けのコツ: 「交点が1点に集まる(チェバ)」か「直線が突き抜ける(メネラウス)」かで公式を正しく選択する!
チェバの定理とメネラウスの定理の仕組みと、比の計算手順がすっきりと整理できました!
次回は「【数A:第4回】円周角の定理と円に内接する四角形・方べきの定理|図形の性質④(円にまつわる強力な幾何学の武器)」を解説します!


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