【数A:場合の数と確率 第1回】和の法則と積の法則・順列|場合の数の基本(同時に起きるか・場合分けか)

数学A

「問題文を読んだとき、『足すのか、掛けるのか』でいつも迷ってしまう……」
「順列(P)と組合せ(C)の使い分けがごちゃごちゃになってしまう……」

高校数学Aのもう一つの大黒柱「場合の数と確率」の第1回は、すべての数え上げの基礎となる「和の法則」「積の法則」と、並べ方を数える「順列(Permutation)」を徹底解説します!

確率を制するための第一歩として、数え上げの原理を頭の中で完全に体系化しましょう!


1. 和の法則と積の法則の基本原則

場合の数を数えるときの基本方針は、すべて「足す」か「掛ける」のどちらかに帰着されます。

💡 【和の法則と積の法則の見極め】

  1. 和の法則(または):
    事象 $A$ と $B$ が「同時に起こらない(排反)」とき、事象 $A$ または $B$ が起きる総数は:
    $$\mathbf{n(A) + n(B)}$$
  2. 積の法則(かつ・続けて):
    事象 $A$ が起こり、そのどの場合に対しても独立して事象 $B$ が「連続して(同時に)起こる」とき、その総数は:
    $$\mathbf{n(A) \times n(B)}$$

🔍 迷ったときの判断基準:「ツリー図」をイメージする

・「どれか1つを選ぶ(あるいは場合分け)」なら +(足し算)
・「一連の動作として順番に行う(服を選んでから靴を選ぶ)」なら ×(掛け算)と直感的に捉えると間違いません。


2. 順列(Permutation:$n\text{P}_r$)

異なる $n$ 個のものから異なる $r$ 個を選んで、「一列に並べる」ときの総数を順列といい、$_n\text{P}_r$ で表します。

💡 【順列の計算公式】
$$_n\text{P}_r = n(n-1)(n-2)\cdots(n-r+1) \quad (\text{全部並べる場合は } _n\text{P}_n = n! )$$
意味: 1番目に選ぶのが $n$ 通り、2番目が $(n-1)$ 通り……と、選ぶごとに選択肢が減っていくため「掛け算(積の法則)」を繰り返すことになります。

状況計算方法ポイント
普通の順列$_n\text{P}_r$ をそのまま使う「並べ方」なので順番を区別する
円順列$(n-1)!$回転して一致するものを除外する
じゅず順列$\frac{(n-1)!}{2}$裏返して一致するものも除外する

3. 【実践例題】基本の数え上げ演習

【例題1】約数の個数の求め方(積の法則の応用)

$72$ の正の約数は全部で何個あるか。また、そのすべての約数の総和を求めよ。 解答・解説を表示する

1. 素因数分解する
$72 = 2^3 \times 3^2$

2. 約数の個数を求める
約数は $2^a \times 3^b$ (ただし $a = 0, 1, 2, 3$ の 4 通り、$b = 0, 1, 2$ の 3 通り)の形で表されます。
$a$ の選び方と $b$ の選び方は独立しているので、積の法則より: $$\text{個数} = (3 + 1) \times (2 + 1) = 4 \times 3 = \mathbf{12 \text{個}}$$

3. 約数の総和を求める
因数分解の展開の要領で計算します: $$\text{総和} = (1 + 2 + 2^2 + 2^3)(1 + 3 + 3^2) = (1 + 2 + 4 + 8)(1 + 3 + 9)$$ $$= 15 \times 13 = \mathbf{195}$$

【答え】 個数:12個、総和:195

【例題2】順列の利用(条件付きの並べ方)

男子 4 人、女子 3 人の計 7 人が1列に並ぶとき、次のような並び方は何通りあるか。
(1) 女子 3 人が隣り合う並び方
(2) 両端に男子が来る並び方 解答・解説を表示する

(1) 女子 3 人が隣り合う並び方
女子 3 人をひとまとめの「塊(ブロック)」とみなすと、男子 4 人と合わせて計 5 つのオブジェクトを並べることになります。

  • 5 つのブロックの並び方:$5! = 120$ 通り
  • 塊の中で女子 3 人が入れ替わる並び方:$3! = 6$ 通り
  • 積の法則より:$120 \times 6 = \mathbf{720 \text{通り}}$

(2) 両端に男子が来る並び方
両端の 2 席に入る男子の選び方と並べ方を先に考えます。

  • 両端の 2 席に入る男子の選び方:$_4\text{P}_2 = 4 \times 3 = 12$ 通り
  • 残りの 5 人(男子 2 人、女子 3 人)が間の 5 席に自由に並ぶ並び方:$5! = 120$ 通り
  • 積の法則より:$12 \times 120 = \mathbf{1440 \text{通り}}$

4. まとめ

  • 和の法則(+): 「同時に起きない」場合分けのときは足す!
  • 積の法則(×): 「連続して・同時に」一連の動作として起きるなら掛ける!
  • 順列($_n\text{P}_r$): 「順番を区別して並べる」ときは階乗やPの計算を使う!

場合の数の基本となる和・積の法則と順列の考え方がスッキリ整理できました!

次回は「【数A:第2回】組合せ($n\text{C}_r$)と重複組合せ|場合の数②(順番を区別しない選び方)」を解説します!

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