「大きな数が素数かどうかを判定するには、どこまで割り算を試せばいいの?」
「『各桁の和が 9 の倍数なら、もとの数も 9 の倍数』になる理由って、合同式で説明できる?」
高校数学A「整数の性質」の第4回は、すべての整数を組み立てる最小単位である「素数と素因数分解の一意性」と、瞬時に倍数を見抜く「倍数の判定法」を徹底解説します!
整数の構造を深く理解し、複雑な素数問題や桁数の大きな数の性質をスッキリ解き明かす視点をマスターしましょう!
1. 素数と素因数分解の一意性
1 より大きい自然数で、正の約数が 1 と自分自身のみであるものを素数(prime number)といい、素数でない 2 以上の自然数を合成数といいます。
💡 【素因数分解の一意性(算術の基本定理)】
1 より大きいすべての自然数は、素数の積としてただ一通りに表すことができます(順序を無視すれば表現は一意に決まる)。
【素数判定のコツ】**
自然数 $n$ が素数であるかを判定するには、$\mathbf{\sqrt{n} \text{ 以下の素数}}$ で割り切れるかを調べるだけで十分です。
(例:$97$ が素数か調べる場合、$\sqrt{97} \approx 9.8$ より、$2, 3, 5, 7$ で割れなければ $97$ は素数と判定できる!)
2. 合同式でスッキリ納得!倍数の判定法
「10 進法」の仕組み($10 \equiv 1 \pmod 9$ や $10 \equiv -1 \pmod {11}$ など)を利用すると、各桁の数字から一瞬で倍数を見抜くルールを証明できます。
| 法(何で割るか) | 判定法(ルールの内容) | 理由の核心(10のべき乗の余り) |
|---|---|---|
| 3 の倍数 / 9 の倍数 | 各桁の数字の和が 3(または 9)の倍数 | $10 \equiv 1 \pmod 3$ (または $9$) |
| 4 の倍数 | 下 2 桁が 4 の倍数(または 00) | $100 \equiv 0 \pmod 4$ だから百の位以上は消える |
| 11 の倍数 | 奇数桁の和と偶数桁の和の差が 11 の倍数 | $10 \equiv -1 \pmod{11}$ だから符号が交互に入れ替わる |
3. 【実践例題】素因数分解と倍数の判定の応用演習
【例題1】未知の桁を含む倍数の決定
4 桁の自然数 $3a24$ が 9 のとき、文字 $a$ に当てはまる数をすべて求めよ。 解答・解説を表示する1. 9 の倍数の判定法を利用する
9 の倍数は「各桁の数字の和が 9 の倍数」になるという性質を利用します。
4 桁の自然数 $3a24$ の各桁の数字の和は: $$3 + a + 2 + 4 = a + 9$$2. 条件から方程式を立てる
$a + 9$ が 9 の倍数になればよい。ここで $a$ は 1 桁の整数($0 \le a \le 9$)であるため、とりうる $a + 9$ の値の範囲は $9 \le a + 9 \le 18$ となる。
この範囲で 9 の倍数となるのは: $a + 9 = 9 \implies a = 0$ $a + 9 = 18 \implies a = 9$ 【答え】 $a = 0, 9$
【例題2】階乗に含まれる素因数の個数(ルジャンドルの定理)
$50!$ ($1$ から $50$ までのかけ算)を計算したとき、末尾に 0 は連続して何個並ぶか。 解答・解説を表示する1. 末尾の 0 の個数の正体を突き止める
数が 10 ($= 2 \times 5$)で何回割り切れるか、すなわち素因数 5 が何個含まれているかを数えればよい(偶数である 2 は十分にたくさん存在するため、制限要因は 5 の個数になる)。2. ルジャンドルの定理を使って 5 の個数を数える
$1$ から $50$ までの整数の中に、5 の倍数、25 の倍数がそれぞれ何個あるかを足し合わせます: 5 の倍数($5, 10, 15, \dots, 50$)の個数:$\left\lfloor \frac{50}{5} \right\rfloor = 10$ 個 $5^2 = 25$ の倍数($25, 50$)の個数:$\left\lfloor \frac{50}{25} \right\rfloor = 2$ 個 $5^3 = 125$ の倍数:$0$ 個 3. すべて足し合わせる $$10 + 2 = 12 \text{ 個}$$【答え】 12個
4. まとめ
- 素数判定: $\sqrt{n}$ 以下の素数で割れるかチェックすれば十分!
- 倍数の判定法: 合同式($10 \equiv 1 \pmod 9$ や $10 \equiv -1 \pmod{11}$)を背景に持つ、各桁の和や下桁のルールを活用する!
- 末尾の 0 の個数:** 階乗に含まれる 0 の数は、素因数 5 の個数を数える(ルジャンドルの定理)で一撃で求まる!
素数と素因数分解の性質、および倍数の判定法がすっきりと整理できました!
次回は「【数A:第32回】n進法と小数・基数変換|整数の性質⑤(異なる進法間の変換と数の仕組み)」を解説します!
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