【数A:第3回】順列 P の基本と計算|異なる n 個から r 個を選んで並べる公式と階乗(!)を完全マスター!

数学A

「順列の記号 $_n\text{P}_r$ ってどういう意味?」
「階乗(記号:!)の使い方や 0! が 1 になる理由がよく分からない……」

高校数学A「場合の数と確率」の第20回(第3回)は、並べ方を計算するための強力なツール「順列(Permutation)」と記号 $_n\text{P}_r$、そして「階乗(Factorial)」について解説します!

順列の考え方は、前回の「積の法則」を具体的に公式化したものです。「なぜこの計算式になるのか」という仕組みを理解し、自由自在に計算できるようになりましょう!


1. 順列(Permutation)とは?

いくつかの異なるもののなかから、いくつかを選んで「順番を考慮して一列に並べる」並べ方のことを順列と呼びます。

💡 【順列の記号 $_n\text{P}_r$ の意味】
異なる $n$ 個のものから異なる $r$ 個を選んで 1 列に並べる順列の総数は:
$$\mathbf{_n\text{P}_r = \underbrace{n \times (n-1) \times (n-2) \times \dots \times (n-r+1)}_{r \text{ 個の掛け算}}}$$
※ ただし $0 \le r \le n$

考え方の仕組み(樹形図と席の考え方):
$r$ 個の空席があるとイメージしてください。
* 1番目の席の選び方: $n$ 通り
* 2番目の席の選び方: 残りから $(n-1)$ 通り
* 3番目の席の選び方: 残りから $(n-2)$ 通り
$\vdots$
これらをすべて「連続して選ぶ」ため、積の法則によって掛けていきます。掛け算する個数がちょうど $r$ 個 になるのがポイントです!

計算の具体例:
* $_5\text{P}_3 = 5 \times 4 \times 3 = 60$ ($5$ から順に小さくして $3$ 個掛ける)
* $_7\text{P}_2 = 7 \times 6 = 42$ ($7$ から順に小さくして $2$ 個掛ける)


2. 階乗(!)と 0! の定義

異なる $n$ 個のものを「すべて($n$ 個全部)」一列に並べる場合の数は $_n\text{P}_n$ となり、$n$ から $1$ までのすべての整数を掛け合わせることになります。これを $n$ の階乗(かいじょう)と呼び、記号 $n!$ で表します。

💡 【階乗の定義】
$$\mathbf{n! = n \times (n-1) \times (n-2) \times \dots \times 3 \times 2 \times 1}$$

特別な定義(約束事):
* $\mathbf{0! = 1}$ (0 の階乗は 1 とする)
* $\mathbf{_n\text{P}_0 = 1}$ (n 個から 0 個選んで並べるのは 1 通りとする)

階乗記号を用いると、順列 $_n\text{P}_r$ は次のような分数で表すこともできます:

$$_n\text{P}_r = \frac{n!}{(n-r)!}$$


3. 【実践例題】順列の基本計算と応用問題

【例題1】基本のカード並べ(基本)

$1, 2, 3, 4, 5$ の数字が書かれた 5 枚のカードがある。ここから 3 枚を選んで 3 桁の整数を作るとき、作れる整数は全部で何通りあるか。 解答・解説を表示する

1. 順列の公式を適用する
「異なる 5 枚から 3 枚を選んで並べる」ので、$_5\text{P}_3$ の計算になります。

$$_5\text{P}_3 = 5 \times 4 \times 3 = 60 \text{ 通り}$$

【答え】 $\mathbf{60}$ 通り

【例題2】条件がついた順列(「0」を含む整数)

$0, 1, 2, 3, 4$ の 5 個の数字から異なる 3 個の数字を選んで 3 桁の整数を作るとき、整数は全部で何個できるか。 解答・解説を表示する

1. 最高位(百の位)の条件に着目する
3 桁の整数を作るとき、百の位に $0$ を置くことはできません!
したがって、「制約の厳しい場所から先に決める」のが基本鉄則です。

  • 百の位の決め方: $0$ 以外の $1, 2, 3, 4$ の $4$ 通り
  • 十の位・一の位の決め方: 残った 4 個の数字($0$ を含む)から 2 個を選んで並べるので $_4\text{P}_2$ 通り

2. 積の法則で計算する

$$4 \times _4\text{P}_2 = 4 \times (4 \times 3) = 4 \times 12 = 48 \text{ 個}$$

【答え】 $\mathbf{48}$ 個


4. まとめ

  • 順列 $_n\text{P}_r$: 異なる $n$ 個から $r$ 個を順序を気にして並べる($n$ から順に $r$ 個掛ける)。
  • 階乗 $n!$: $n$ 個すべてを並べる($n$ から $1$ まで掛ける)。 $0! = 1$ に注意!
  • 条件付きの解法: 「$0$ を含む最高位」などの制約がある場所を先に決めてから残りを順列で計算する!

順列の基本計算がマスターできました!

次回は「【数A:第4回】隣り合う・隣り合わない順列|条件付き並べ方の決定版テクニック」を解説します!

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