【数A:第3回】確率の基本と基本性質|確率①(事象・根元事象・確率の基本法則)

数学A

「『少なくとも1回は……』という問題に出会うと、どう場合分けすればいいのか分からなくなる……」
「確率の計算で、足すのか掛けるのか、余事象を使うべきタイミングの判断に迷う」

高校数学A「場合の数と確率」の第3回は、確率分野の土台となる「確率の基本定義」「余事象の活用」「和事象の確率」を徹底解説します!

すべての試行において等確からしさを正しく認識し、複雑な条件をスッキリ紐解くための基本法則をマスターしましょう!


1. 確率の基本用語と定義

確率を考える上での言葉の定義と、数学的な大前提を確認します。

💡 【用語の整理】

  • 試行(しこう): サイコロを振る、コインを投げるなど、結果が偶然に左右される実験や行為。
  • 標本空間(全事象 $U$): 試行によって起こりうるすべての結果の集合。
  • 事象(じしょう): 標本空間の部分集合(特定の条件を満たす結果の集まり)。
  • 根元事象(こんげんじしょう): それ以上分解できない、1つひとつの最も単純な結果。

【確率の定義(ラプラスの定義)】
ど根元事象が「同様に確からしい(どの結果も同じ確率で起きる)」とき、事象 $A$ が起こる確率 $P(A)$ は:
$$\mathbf{P(A) = \frac{n(A)}{n(U)} = \frac{\text{事象Aの起きる場合の数}}{\text{すべての起きる場合の数の総数}}}$$


2. 確率の基本性質と重要公式

確率の値がもつ絶対的なルールと、計算を大幅にラクにする 3 大公式を押さえましょう。

法則・公式数式表現活用シーン
確率の範囲$$0 \le P(A) \le 1 \quad (P(U) = 1)$$答えが $1$ を超えていないかの検算
余事象の確率$$P(\bar{A}) = 1 – P(A)$$「少なくとも〜」という表現があるとき
和事象の確率(加法定理)$$P(A \cup B) = P(A) + P(B) – P(A \cap B)$$「または」が使われている確率の計算

🔍 排反(はいはん)な事象とは?

事象 $A$ と $B$ が同時に起こらないとき(共通部分がないとき:$A \cap B = \emptyset$)、$A$ と $B$ は「排反である」といいます。
排反のときは $P(A \cap B) = 0$ となるため、和事象の公式は単なる足し算になります:
$$\mathbf{P(A \cup B) = P(A) + P(B)}$$


3. 【実践例題】確率の基礎演習

【例題1】余事象の活用(「少なくとも」の攻略)

硬貨を同時に 4 枚投げるとき、少なくとも 1 枚は表が出る確率を求めよ。 解答・解説を表示する

1. 「少なくとも」は余事象を疑う
「少なくとも 1 枚は表が出る」の反対(余事象)は、「すべての枚数が裏が出る」となります。

2. 余事象の確率を計算する
硬貨 4 枚の出方の総数は $2^4 = 16$ 通り。
すべて裏(「裏・裏・裏・裏」)になる場合は 1 通りであるため、すべて裏が出る確率 $P(\bar{A})$ は: $$P(\bar{A}) = \frac{1}{16}$$

3. $1$ から引き算する
求める確率は余事象の補集合を利用して計算します: $$P(A) = 1 – P(\bar{A}) = 1 – \frac{1}{16} = \mathbf{\frac{15}{16}}$$

【例題2】和事象の確率(加法定理の利用)

1 から 20 までの番号が書かれた 20 枚のカードから 1 枚を引くとき、その番号が 3 の倍数または 4 の倍数である確率を求めよ。 解答・解説を表示する

1. 事象を整理する

  • 全体:$n(U) = 20$
  • 3 の倍数の集合を $A$、4 の倍数の集合を $B$ とする。

2. それぞれの確率を求める

  • 3 の倍数($3, 6, 9, 12, 15, 18$)は 6 個:$P(A) = \frac{6}{20}$
  • 4 の倍数($4, 8, 12, 16, 20$)は 5 個:$P(B) = \frac{5}{20}$
  • 3 かつ 4 の倍数(12 の倍数:$12$)は 1 個:$P(A \cap B) = \frac{1}{20}$

3. 加法定理に当てはめる $$P(A \cup B) = P(A) + P(B) – P(A \cap B) = \frac{6}{20} + \frac{5}{20} – \frac{1}{20} = \frac{10}{20} = \mathbf{\frac{1}{2}}$$


4. まとめ

  • 確率の定義: $\frac{\text{該当する事象の数}}{\text{すべての場合の数}}$ で計算する!
  • 余事象の活用: 「少なくとも〜」を見たら、すかさず $1 – (\text{すべて反対のケース})$ を計算する!
  • 加法定理: 「または」の確率は、それぞれの確率を足して、重複している共通部分を引き算する!

確率の基本概念と、余事象・加法定理の使い分けがすっきりと整理できました!

次回は「【数A:第4回】独立な試行と反復試行の確率|確率②(独立・従属・反復試行の公式)」を解説します!

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