「円に内接する四角形の性質って、どこが等しくなるんだっけ?」
「『接弦定理』の角度の対応関係がごちゃごちゃになってしまう……」
高校数学A「図形の性質」の第40回(第5回)は、円の性質に関する最重要テーマ「円に内接する四角形」と「接弦定理」を解説します!
図形の中に潜む角度の等量関係を見抜き、錯角・同位角や円周角の定理と組み合わせて角度を一発で求めるテクニックをマスターしましょう!
1. 円に内接する四角形の性質
四角形が円に内接している(4 つの頂点すべてが 1 つの円上にある)とき、次の 2 つの強力な条件が成り立ちます。
💡 【円に内接する四角形の性質】
四角形 $\text{ABCD}$ が円に内接しているとき:
- 対角の和は $180^\circ$ である。
$$\angle \text{A} + \angle \text{C} = 180^\circ, \quad \angle \text{B} + \angle \text{D} = 180^\circ$$- 1 つの外角は、その「隣り合う内角の対角(内対角)」に等しい。
🔍 「四角形が円に内接する条件(判定)」も超重要!
逆に、四角形の「対角の和が $180^\circ$」または「外角=内対角」が成り立っていれば、その 4 頂点は 1 つの円周上にあります。垂心の解説(第38回)で学んだ「隠れた円を見つける」ときにも活躍する非常に重要で便利なアプローチです!
2. 接弦定理(Tangent-Chord Theorem)
円の接線と、その接点を通る弦が作る角についての定理です。
💡 【接弦定理】
円の接線 $\text{AT}$ と、接点 $\text{A}$ を通る弦 $\text{AB}$ が作る角 $\angle \text{BAT}$ は、その角の内部にある弧 $\text{AB}$ に対する円周角 $\angle \text{ACB}$ に等しい。
$$\mathbf{\angle BAT = \angle ACB}$$
※ 見分け方のコツ: 接線と弦がつくる角の中にすっぽり含まれる弧(弧 $\text{AB}$)を見つけ、その弧に向かって伸びる円周角を探す!
| 定理名 | 図形の特徴 | 立式のカギ |
|---|---|---|
| 内接四角形 | 円の中に四角形がある | 「向かい合う角の和= $180^\circ$」 「外角=対角の内角」 |
| 接弦定理 | 円に直線が接していて、三角形の頂点が接点になっている | 「接線と弦のなす角=その弦に対する円周角」 |
3. 【実践例題】円の性質の演習
【例題1】円に内接する四角形と外角
円に内接する四角形 $\text{ABCD}$ において、辺 $\text{AB}$ を $\text{B}$ の方向に延長した直線上の点を $\text{E}$ とする。
$\angle \text{ADC} = 105^\circ$, $\angle \text{BAC} = 40^\circ$ のとき、$\angle \text{CBE}$ および $\angle \text{ACB}$ の大きさを求めよ。 解答・解説を表示する
1. 外角の性質から $\angle \text{CBE}$ を求める
四角形 $\text{ABCD}$ は円に内接しているので、頂点 $\text{B}$ における外角 $\angle \text{CBE}$ は、対角の内角 $\angle \text{ADC}$ に等しくなります。
$$\angle \text{CBE} = \angle \text{ADC} = 105^\circ$$
2. $\angle \text{ABC}$ を求めて $\triangle \text{ABC}$ から $\angle \text{ACB}$ を求める
対角の和が $180^\circ$ より:
$$\angle \text{ABC} = 180^\circ – \angle \text{ADC} = 180^\circ – 105^\circ = 75^\circ$$
$\triangle \text{ABC}$ の内角の和は $180^\circ$ なので:
$$\angle \text{ACB} = 180^\circ – (\angle \text{BAC} + \angle \text{ABC}) = 180^\circ – (40^\circ + 75^\circ) = 65^\circ$$
【答え】 $\mathbf{\angle CBE = 105^\circ, \quad \angle ACB = 65^\circ}$
【例題2】接弦定理の応用
円 $\text{O}$ の周上に 3 点 $\text{A}, \text{B}, \text{C}$ があり、点 $\text{A}$ における接線を $\text{AT}$ とする。
$\angle \text{BAT}$ は鋭角であり、$\angle \text{BAT} = 55^\circ$, $\angle \text{ABC} = 65^\circ$ であるとき、$\angle \text{BAC}$ の大きさを求めよ。 解答・解説を表示する
1. 接弦定理を適用する
接線 $\text{AT}$ と弦 $\text{AB}$ がつくる角 $\angle \text{BAT}$ に対し、弦 $\text{AB}$ に対する円周角は $\angle \text{ACB}$ です。
接弦定理より:
$$\angle \text{ACB} = \angle \text{BAT} = 55^\circ$$
2. $\triangle \text{ABC}$ の内角の和から $\angle \text{BAC}$ を求める
$\triangle \text{ABC}$ において:
$$\angle \text{BAC} = 180^\circ – (\angle \text{ABC} + \angle \text{ACB}) = 180^\circ – (65^\circ + 55^\circ) = 180^\circ – 120^\circ = 60^\circ$$
【答え】 $\mathbf{\angle BAC = 60^\circ}$
4. まとめ
- 内接四角形: 対角の和 $= 180^\circ$、外角=対角の内角!
- 接弦定理: 接線と弦の角=その弦に対する円周角!(「角の中に入っている弧」を追うのがコツ)
- 活用場面: 与えられた角度が少ない問題でも、円周角の定理や接弦定理を使えば一気に角度を「お引っ越し」できる!
円に関する基本的な角度の性質が完璧に理解できました!
次回は「【数A:第41回】方べきの定理|円の性質②(交わる2弦・接線と割り線・2円の性質)」を解説します!
コメント