【数A:第5回】円順列とじゅず順列|回転して重なる並べ方と裏返せる首飾りの計算を完全攻略!

数学A

「円形に並べるとき、なぜ $n$ ではなく $(n-1)!$ になるの?」
「『じゅず順列』で 2 で割る場合と割らない場合の決定的な違いは何?」

高校数学A「場合の数と確率」の第22回(第5回)は、回転や裏返しによる重複を考慮する「円順列(Circular Permutation)」「じゅず順列(Necklace Permutation)」を解説します!

一見ややこしく思える公式ですが、「1人を固定する」という本質さえ押さえれば、どんな複雑な条件がついた丸テーブル問題でも迷わず解けるようになります!


1. 円順列(Circular Permutation)とは?

異なる $n$ 個のものを円形に並べる並べ方を円順列といいます。
一列に並べる順列との最大の違いは、「回転させて同じ並び順(配置)になるものは、同一の並び方とみなす」という点です。

💡 【円順列の公式】
異なる $n$ 個のものの円順列の総数は:
$$\mathbf{(n – 1)! \quad \text{通り}} \quad \left( = \frac{_n\text{P}_n}{n} \right)$$

なぜ $(n-1)!$ になるのか?(2つの考え方):

  1. 重複で割る考え方:
    $n$ 人を一列に並べる並べ方は $n!$ 通りあります。しかし、円形に並べた場合、1つずつ席をずらしていくと $n$ 通りずつ全く同じ配置(回転で重なるもの) が現れます。したがって、$n! \div n = (n-1)!$ となります。
  2. 【★おすすめ】1人を「固定」する考え方:
    回転して動いてしまうのが原因なので、特定の1人(例えばA君)の位置を「基準(特等席)」としてガッチリ固定します。A君を固定してしまえば、もはや回転することはできません。あとは残った $(n-1)$ 人の席を一列に並べるだけになるので、$(n-1)!$ 通りとなります!

2. じゅず順列(Necklace Permutation)とは?

異なる $n$ 個の玉に穴を通し、輪にして首飾り(ネックレスやじゅず)を作るような並べ方をじゅず順列といいます。

💡 【じゅず順列の公式】
異なる $n$ 個のもののじゅず順列の総数は:
$$\mathbf{\frac{(n – 1)!}{2} \quad \text{通り}}$$

円順列との違い(裏返せるかどうか):
円順列(テーブルに着席する場合など)は表と裏をひっくり返すことができません(人間がひっくり返ると天井に立つことになるため)。
しかし、首飾りや数珠(じゅず)は「ひっくり返す(裏返す)」ことができます。
裏返すと「時計回り」と「反時計回り」の配置がぴったり重なるため、円順列の総数をさらに 2 で割る必要があります!


3. 【実践例題】円順列とじゅず順列の演習

【例題1】基本の円順列と固定のテクニック(標準)

大人 2 人、子ども 4 人の合計 6 人が丸いテーブルに着席するとき、次の並べ方は何通りあるか。
(1) 6 人の並び方の総数
(2) 大人 2 人が向かい合う(対向する)並び方 解答・解説を表示する

(1) 6 人の並び方の総数
単純な 6 人の円順列です。

$$(6 – 1)! = 5! = 5 \times 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 120 \text{ 通り}$$

(2) 大人 2 人(Aさん, Bさん)が向かい合う並び方
円順列の鉄則である「1人を固定する」を使います!

  1. 大人Aさんを特定の席に固定します(これによって回転が防止されます。固定の仕方は1通り)。
  2. 「向かい合う」という条件があるため、大人Bさんの席はAさんの真向かい(1箇所)に自動的に決定します。
  3. あとは、残った 子ども 4 人の席(4箇所)に子どもを並べる だけです。これは通常の順列 $4!$ となります。

$$4! = 4 \times 3 \times 2 \times 1 = 24 \text{ 通り}$$

【答え】 (1) $\mathbf{120}$ 通り / (2) $\mathbf{24}$ 通り

【例題2】じゅず順列の計算(応用)

色が異なる 6 個の玉がある。これらすべてに穴を開けて糸を通し、輪にして首飾りを作るとき、作れる首飾りは全部で何種類あるか。 解答・解説を表示する

1. 首飾りなので「じゅず順列」の公式を適用する
ひっくり返して同じになる(鏡像関係にある)ものを同じとみなすため、円順列の数を 2 で割ります。

$$\frac{(6 – 1)!}{2} = \frac{5!}{2} = \frac{120}{2} = 60 \text{ 種類}$$

【答え】 $\mathbf{60}$ 種類


4. まとめ

  • 円順列 $(n-1)!$: 「誰か 1 人を固定して回転を止める」と考えれば、残りの直線順列に落とし込める!
  • じゅず順列 $\frac{(n-1)!}{2}$: 首飾りや鍵輪のように「ひっくり返せる(裏返せる)」ものは、円順列をさらに 2 で割る!
  • 条件付きの円順列: 条件の厳しい人(向かい合う人、隣り合う人など)を真っ先に固定・配置するのが鉄則!

回転と裏返しの概念がクリアになりました!

次回は「【数A:第23回】重複順列|$n^r$ の考え方と部屋割り・出席確認の計算テクニック」を解説します!

コメント