【数A:第14回】独立な試行の確率|「お互いに影響しない」試行の計算公式と解き方のコツ

数学A

「『独立』って数学的にどういう意味?」
「掛け算をしていい場合と、掛けちゃダメな場合の違いがわからない……」

高校数学A「場合の数と確率」の第31回(第14回)は、複数の試行が絡む超重要テーマ「独立な試行(Independent Trials)の確率」を解説します!

サイコロとコインを同時に投げるような「互いに影響を及ぼさない」試行の計算ルールを正しく理解し、確率の掛け算(積の法則)をマスターしましょう!


1. 「独立な試行」とは?

2 つ以上の試行を行うとき、「一方の結果が、もう一方の結果に一切影響を与えない」関係にあるとき、これらの試行は独立(どくりつ)であるといいます。

💡 【具体例で理解する独立・独立でないの違い】

* 独立な試行の例:
「サイコロを 1 回投げ、続けてコインを 1 回投げる」
$\rightarrow$ サイコロで何が出ても、コインの表裏の出やすさ(確率 $\frac{1}{2}$)は変わりません。

* 独立でない(従属な)試行の例:
「10 本中 3 本のあたりが入ったくじを、元に戻さずに A 君、B 君の順に引く」
$\rightarrow$ A 君があたりを引くか引かないかで、B 君が引く時点のあたりの残数が変わり、確率に影響します。


2. 独立な試行の確率の計算公式

試行 $T_1$ と試行 $T_2$ が互いに独立であるとき、$T_1$ で事象 $A$ が起こり、かつ $T_2$ で事象 $B$ が起こる確率 $P(A \cap B)$ は、それぞれの確率の掛け算(積)で求められます。

💡 【独立な試行の確率の公式(乗法定理)】
2 つの試行が独立であるとき:
$$\mathbf{P(A \cap B) = P(A) \times P(B)}$$
※ 試行が 3 つ以上($T_1, T_2, T_3, \dots$)に増えても、すべて独立であれば単純にすべて掛け算します:
$$P(A \cap B \cap C) = P(A) \times P(B) \times P(C)$$


3. 【実践例題】独立な試行の演習

【例題1】基本問題(異なる試行の組み合わせ)

1 個のサイコロと 1 枚の硬貨を同時に投げるとき、サイコロは「3 以上の目」が出で、硬貨は「表」が出る確率を求めよ。 解答・解説を表示する

1. それぞれの試行が独立か確認する
サイコロの目と硬貨の表裏は互いに影響を与えないため、独立な試行です。

2. それぞれの確率を個別で求める

  • 事象 $A$(サイコロで 3 以上の目が出る): 目は $\{3, 4, 5, 6\}$ の 4 通り $\rightarrow P(A) = \frac{4}{6} = \frac{2}{3}$
  • 事象 $B$(硬貨で表が出る): $P(B) = \frac{1}{2}$

3. 積の公式で掛け合わせる

$$P(A \cap B) = P(A) \times P(B) = \frac{2}{3} \times \frac{1}{2} = \frac{1}{3}$$

【答え】 $\mathbf{\frac{1}{3}}$

【例題2】復元抽出と和事象の組み合わせ(応用)

袋 A には「赤玉 3 個、白玉 2 個」、袋 B には「赤玉 2 個、白玉 4 個」が入っている。
袋 A と袋 B からそれぞれ 1 個ずつ玉を取り出すとき、取り出した 2 個の玉が「同じ色」になる確率を求めよ。 解答・解説を表示する

1. 「同じ色」となるパターンを分解する
「2 個とも同じ色」になるのは、次の 2 つのパターンがあります。

  • パターン [1]: A から赤玉、B から赤玉を取り出す(両方赤)
  • パターン [2]: A から白玉、B から白玉を取り出す(両方白)

2. 各パターンの確率を独立な試行として計算する

  • パターン [1](両方赤)の確率:
    A から赤を引く確率は $\frac{3}{5}$、B から赤を引く確率は $\frac{2}{6} = \frac{1}{3}$ です。
    独立なので掛け算します $\rightarrow \frac{3}{5} \times \frac{1}{3} = \frac{3}{15}$
  • パターン [2](両方白)の確率:
    A から白を引く確率は $\frac{2}{5}$、B から白を引く確率は $\frac{4}{6} = \frac{2}{3}$ です。
    独立なので掛け算します $\rightarrow \frac{2}{5} \times \frac{2}{3} = \frac{4}{15}$

3. パターン同士が「排反」であることを確認して足す(加法定理)
パターン [1] とパターン [2] が同時に起こることはない(排反)ため、最後に確率を足し合わせます。

$$P = \frac{3}{15} + \frac{4}{15} = \frac{7}{15}$$

【答え】 $\mathbf{\frac{7}{15}}$


4. まとめ

  • 独立な試行: お互いの結果にまったく影響しない関係。
  • 確率の計算: 独立であれば、各事象の確率を掛け算する($P(A \cap B) = P(A) \times P(B)$)。
  • 解法の構成(超重要):
    1. 一連の流れ(かつ)のときは 掛け算(独立)
    2. 別々のパターン(または)のときは 足し算(排反)

独立な試行の計算ルールと「掛け算・足し算使い分けの原則」がマスターできました!

次回は「【数A:第32回】反復試行の確率| $_n\text{C}_r p^r (1-p)^{n-r}$ 公式の意味と解き方」を解説します!

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