【数A:第9回】重複組合せ $n\text{H}_r$ |「〇と仕切り(|)」のイメージで丸わかり!方程式の整数解問題まで完全攻略

数学A

「異なる $n$ 個のものから重複を許して $r$ 個選ぶ……ってどういうこと?」
「公式 $_n\text{H}_r = {}_{n+r-1}\text{C}_r$ がなぜ成り立つのか丸暗記していて不安」

高校数学A「場合の数と確率」の第27回(第10回)は、苦手意識を持つ人が多い「重複組合せ(ちょうふくくみあわせ)」を解説します!

一見難しそうに見える重複組合せですが、「〇(ボール)と仕切り(|)」を並べるというイメージさえ掴めば、機械的に解ける得意分野に変えられます。仕組みから応用問題までしっかりマスターしましょう!


1. 重複組合せとは?

「いくつかの種類から、同じものを何度も選んでもよい(重複を許す)として、指定の個数を選ぶ選び方」のことです。

通常の組合せ $_n\text{C}_r$ では「同じものは 1 回しか選べない」のに対し、重複組合せでは「Aを3個選ぶ」ような選び方が認められます。


2. 考えるカギ:「〇」と「仕切り(|)」の並べ替え

公式の考え方を、具体例で理解しましょう。

【例】りんご、みかん、バナナの 3 種類の中から、重複を許して合計 5 個の果物を買う選び方は何通りあるか。

買いたい果物の個数(5個)を 「〇」5個 で表し、3種類にグループ分けするために 「仕切り(|)」2本 を用意します。

  • 仕切りの左側 = りんご の個数
  • 仕切りの中央 = みかん の個数
  • 仕切りの右側 = バナナ の個数

例えば、次のように「〇」と「|」を並べると、果物の選び方に 1 対 1 に対応します。

  • 〇 〇 | 〇 〇 | 〇 $\rightarrow$ りんご 2個、みかん 2個、バナナ 1個
  • 〇 〇 〇 〇 〇 | | $\rightarrow$ りんご 5個、みかん 0個、バナナ 0個
  • | 〇 〇 〇 | 〇 〇 $\rightarrow$ りんご 0個、みかん 3個、バナナ 2個

つまり、「果物の選び方」は 「5個の〇と2本の仕切り|(計7個)の並べ方」 と全く同じになります!

合計 7 個の場所から、「〇(または仕切り)」を置く 5 個の場所を選ぶ組み合わせなので:

$${}_{5+2}\text{C}_5 = {}_7\text{C}_5 = {}_7\text{C}_2 = \frac{7 \times 6}{2 \times 1} = 21 \text{ 通り}$$


3. 重複組合せの公式

公式記号C への変換公式意味(〇と仕切り)
${}_n\text{H}_r$${}_{n+r-1}\text{C}_r$$r$ 個の「〇」と $(n-1)$ 本の「仕切り」を並べる

※ 種類数が $n$ 種類のとき、区分けに必要な仕切りの本数は $(n – 1)$ 本 になる点に注意しましょう!


4. 【実践例題】重複組合せの典型問題

【例題1】基本の重複組合せ

3 つの文字 A, B, C から、重複を許して 6 個選ぶとき、組み合わせの総数は何通りあるか。 解答・解説を表示する

選ぶ個数「〇」が 6 個、文字の種類が 3 種類なので仕切り「|」は $3 – 1 = 2$ 本必要です。
したがって、6 個の〇と 2 本の仕切り(合計 8 個)の並び替えを考えます。

$${}_3\text{H}6 = {}{3+6-1}\text{C}_6 = {}_8\text{C}_6 = {}_8\text{C}_2 = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} = 28 \text{ 通り}$$

【答え】 $\mathbf{28}$ 通り

【例題2】方程式の整数解の個数(重要)

方程式 $x + y + z = 8$ について、次の条件を満たす整数解 $(x, y, z)$ の組は何通りあるか。
(1) $x, y, z$ が 0 以上の整数($x \geqq 0, y \geqq 0, z \geqq 0$)
(2) $x, y, z$ が 正の整数($x \geqq 1, y \geqq 1, z \geqq 1$) 解答・解説を表示する

(1) 0 以上の整数の場合
この問題は「3 つの変数 $x, y, z$ に合計 8 個の『1(〇)』を配分する問題」と言い換えることができます。
0 が許されるということは、選ばれない変数があっても良い(重複組合せそのもの)ということです。

  • 〇(1の個数):8個
  • 仕切り(|):$3 – 1 = 2$ 本

$${}_3\text{H}8 = {}{3+8-1}\text{C}8 = {}{10}\text{C}8 = {}{10}\text{C}_2 = \frac{10 \times 9}{2 \times 1} = 45 \text{ 通り}$$

(2) 正の整数の場合(1以上)
「どの変数も少なくとも 1 以上」という条件がある場合、あらかじめ $x, y, z$ に 1 ずつ配っておく のが鉄則です!

先に 1 ずつ(計 3)を配っておくと、残りの配分額は $8 – 3 = 5$ となります。
あらためて $x’ = x – 1, y’ = y – 1, z’ = z – 1$ とおくと、$x’, y’, z’$ は 0 以上の整数となり、

$$x’ + y’ + z’ = 5$$

の 0 以上の整数解の個数を求めればよくなります。

$${}_3\text{H}5 = {}{3+5-1}\text{C}_5 = {}_7\text{C}_5 = {}_7\text{C}_2 = \frac{7 \times 6}{2 \times 1} = 21 \text{ 通り}$$

【答え】 (1) $\mathbf{45}$ 通り / (2) $\mathbf{21}$ 通り


5. まとめ

  • 重複組合せの解法: 「〇(個数)」と「仕切り|(種類数 $- 1$)」の並べ替えに置き換える。
  • 変換公式: ${}_n\text{H}_r = {}_{n+r-1}\text{C}_r$
  • 方程式の整数解問題:
    • 「0 以上の整数」 $\rightarrow$ そのまま重複組合せ ${}_n\text{H}_r$ を適用。
    • 「正の整数(1以上)」 $\rightarrow$ あらかじめ 1 ずつ配ってから重複組合せを適用。

重複組合せの考え方がこれでしっかり理解できました!

次回は「【数A:第28回】事象と確率の基本|同様に確からしい・確率の基本性質と計算」から、いよいよ「確率」の単元に入ります!

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