「同じ人数に分けるとき、なぜ $2!$ や $3!$ で割る必要があるの?」
「『部屋 A, B, C に分ける』ときと『3 つの組に分ける』ときで、計算がどう変わるのか混乱する……」
高校数学A「場合の数と確率」の第26回(第9回)は、定期テストや入試で受験生が最もつまずきやすい「組分け(分け方)の問題」を解説します!
この分野の攻略のカギは、「組(または部屋)に区別があるか・ないか」を正しく見極めることです。理由と仕組みをすっきり理解して、解法の迷いをなくしましょう!
1. 組分け問題の基本概念:区別の有無
人をいくつかのグループに分けるとき、次の 2 つのパターンで計算方法が変わります。
| パターン | 状況の例 | 計算のアプローチ |
|---|---|---|
| ① 組に区別がある | 「部屋 A, B, C に分ける」 「2人、3人、4人の 3 組に分ける」 | 順に C を掛けて計算するだけ(割らない) |
| ② 組に区別がない | 「人数が同じ 3 つの組に分ける」 (例:2人、2人、2人の 3 組) | 一度「区別あり」で計算し、同人数グループの数の階乗($k!$)で割る |
💡 【なぜ「同人数の組」の階乗で割るのか?】
例えば 6 人を {A, B}, {C, D}, {E, F} という 2 人ずつの 3 組に分けるとします。
もしこの組に「第1組、第2組、第3組」という名前(区別)をつけると、{A,B}, {C,D}, {E,F} の入れ替え(並び替え)の $3! = 6$ 通り分、同じ組み合わせが重複して重複カウントされてしまいます。
したがって、組の区別をなくす(名前を消す)ためには、同人数の組の個数 $k$ に対して $k!$ で割る必要があります!
2. 解法のステップ
- 全員から順に人数分を選んでいく($_n\text{C}_r$ の掛け算)。
- 人数が同じ組があり、かつその組に区別(名前)がない場合、その同人数グループの個数 $k$ の階乗 $k!$ で割る。
※ 人数が異なる組どうし(例:2人、3人、4人)は、人数の違い自体が「区別」になるため、区別がないと言われても割り算をする必要はありません!
3. 【実践例題】組分けのパターン別演習
【例題1】区別の有無による違い(基本)
6 人の生徒を次のように分けるとき、分け方は何通りあるか。
(1) A, B, C の 3 つの部屋に 2 人ずつ分ける
(2) 2 人ずつ 3 つの組に分ける
(3) 1 人、2 人、3 人の 3 つの組に分ける 解答・解説を表示する
(1) A, B, C の 3 つの部屋に 2 人ずつ分ける(区別あり)
部屋の名前(A, B, C)で明確に区別されているため、順に選んで掛けるだけです。
- 部屋 A に入れる 2 人を選ぶ: $_6\text{C}_2$ 通り
- 部屋 B に入れる 2 人を選ぶ: $_4\text{C}_2$ 通り
- 部屋 C に入れる 2 人を選ぶ: $_2\text{C}_2 = 1$ 通り
$$_6\text{C}_2 \times _4\text{C}_2 \times _2\text{C}_2 = \frac{6 \times 5}{2 \times 1} \times \frac{4 \times 3}{2 \times 1} \times 1 = 15 \times 6 \times 1 = 90 \text{ 通り}$$
(2) 2 人ずつ 3 つの組に分ける(区別なし)
(1) のように一度「A, B, C の区別がある」ものとして計算(90通り)したあと、3 つの組の区別をなくすために $3!$ で割り算 します(同じ人数の組が 3 つあるため)。
$$\frac{90}{3!} = \frac{90}{6} = 15 \text{ 通り}$$
(3) 1 人、2 人、3 人の 3 つの組に分ける
人数がそれぞれ「1人」「2人」「3人」とすべて異なるため、組の名前がなくても人数によって自ずと区別がつきます。したがって、割り算は不要です。
$$_6\text{C}_1 \times _5\text{C}_2 \times _3\text{C}_3 = 6 \times \frac{5 \times 4}{2 \times 1} \times 1 = 6 \times 10 \times 1 = 60 \text{ 通り}$$
【答え】 (1) $\mathbf{90}$ 通り / (2) $\mathbf{15}$ 通り / (3) $\mathbf{60}$ 通り
【例題2】一部の組だけ人数が同じ場合(応用)
8 人の生徒を、2 人、2 人、4 人の 3 つの組に分ける分け方は何通りあるか。 解答・解説を表示する
1. 区別があるものとして順に選ぶ
仮に 2 人の組を「第1組」「第2組」、4 人の組を「第3組」と区別して選ぶと:
$$_8\text{C}_2 \times _6\text{C}_2 \times _4\text{C}_4 = \frac{8 \times 7}{2 \times 1} \times \frac{6 \times 5}{2 \times 1} \times 1 = 28 \times 15 \times 1 = 420 \text{ 通り}$$
2. 重複分(同人数の組)の階乗で割る
「2 人の組」が 2 つ 存在します(4 人の組は人数が異なるので別物)。
この「2 人の組どうし」の区別をなくすため、$2!$ で割り算 します。
$$\frac{420}{2!} = \frac{420}{2} = 210 \text{ 通り}$$
【答え】 $\mathbf{210}$ 通り
4. まとめ
- 組に区別(名前)があるとき: 単純に $_n\text{C}_r$ を順に掛けていく(割らない)。
- 組に区別がないとき: 「同人数の組が $k$ 個ある」部分だけ $k!$ で割る!
- 人数が異なる組: 人数自体が区別になるので割る必要なし!
組分けにおける「割る・割らない」の基準がすっきり整理できました!
次回は「【数A:第27回】重複組合せ $_n\text{H}_r$ |仕切り(|)と〇を使った考え方と方程式の整数解問題」を解説します!
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