【数A:第15回】反復試行の確率|公式 $_n\text{C}_r p^r (1-p)^{n-r}$ の意味と解法を完全攻略!

数学A

「反復試行の確率の公式、文字が多すぎて丸暗記しようとすると混乱する……」
「なんで途中に組合せの $_n\text{C}_r$ が出てくるのか、納得して解きたい!」

高校数学A「場合の数と確率」の第32回(第15回)は、定期テストや共通テストで超高頻出の重要テーマ「反復試行(はんぷくしこう)の確率」を解説します!

「同じ試行を繰り返す」ときの計算の仕組みを理解すれば、公式を丸暗記することなく自然と式を立てられるようになります。本質からしっかり身につけましょう!


1. 反復試行(Repeated Trials)とは?

同じ条件のもとで、独立な試行を何回も繰り返して行うこと反復試行といいます。

例えば、次のようなものが反復試行です。

  • 「1 個のサイコロを 5 回続けて投げる」
  • 「1 枚のコインを 10 回続けて投げる」
  • 「1 回あたりの成功確率が $\frac{1}{3}$ のゲームを 4 回繰り返す」

2. 反復試行の確率の公式とその仕組み

💡 【反復試行の確率の公式】
1 回の試行で事象 $A$ の起こる確率を $p$ とし、$A$ が起こらない確率を $q = 1 – p$ とする。
この試行を $n$ 回繰り返すとき、事象 $A$ がちょうど $r$ 回起こる確率は:
$$\mathbf{P = {}_n\text{C}_r \, p^r \, (1-p)^{n-r}} \qquad (r = 0, 1, 2, \dots, n)$$

なぜこの公式になるのか?(3 つのパーツの役割)

例えば、「1 回の確率が $p$ の試行を $n$ 回行ったとき、事象 $A$ が $r$ 回、起こらない事象 $\bar{A}$ が $(n-r)$ 回出る」という特定の 1 つのパターン(例:最初から $r$ 回連続で $A$ が出て、残りが $\bar{A}$)を考えると、その確率は:

$$\underbrace{p \times p \times \dots \times p}{r\text{ 個}} \times \underbrace{(1-p) \times (1-p) \times \dots \times (1-p)}{(n-r)\text{ 個}} = p^r (1-p)^{n-r}$$

しかし、$A$ が何回目に出るかという出る順番(タイトルの並び順)は全 $n$ 回のうち $r$ 回の場所を選ぶ組み合わせ ${}_n\text{C}_r$ 通り あります。
これら ${}_n\text{C}_r$ 通りのパターンはすべて互いに排反で、それぞれの確率はすべて $p^r(1-p)^{n-r}$ で等しいため、すべてを足し算(=掛け算)して公式が完成します!

パーツ意味
${}_n\text{C}_r$全 $n$ 回の試行のうち、事象 $A$ が起こる $r$ 回の「場所(順番)」の選び方
$p^r$事象 $A$(確率 $p$)が $r$ 回起こる確率
$(1-p)^{n-r}$事象 $A$ 以外(確率 $1-p$)が残りの $(n-r)$ 回起こる確率

3. 【実践例題】反復試行の確率の演習

【例題1】基本の反復試行

1 個のサイコロを 5 回続けて投げるとき、1 の目が「ちょうど 2 回」出る確率を求めよ。 解答・解説を表示する

1. 各要素を整理する

  • 全体の試行回数: $n = 5$
  • 求める回数: $r = 2$
  • 1 回の試行で 1 の目が出る確率: $p = \frac{1}{6}$
  • 1 の目が出ない確率: $1 – p = \frac{5}{6}$

2. 公式に当てはめて計算する

$$P = {}_5\text{C}_2 \times \left(\frac{1}{6}\right)^2 \times \left(\frac{5}{6}\right)^{5-2}$$

$$P = 10 \times \frac{1}{36} \times \frac{125}{216} = 10 \times \frac{125}{7776} = \frac{1250}{7776} = \frac{625}{3888}$$

【答え】 $\mathbf{\frac{625}{3888}}$

【例題2】点 P の移動(応用)

数直線上に点 P があり、最初は原点 O(座標 0)にある。
1 枚の硬貨を投げ、表が出たら P は右(正の方向)へ 2 進み、裏が出たら左(負の方向)へ 1 進む。
硬貨を 6 回投げたとき、点 P の座標が 3 にある確率を求めよ。 解答・解説を表示する

1. 表が出る回数を $x$ 回とおいて方程式を立てる
6 回中、表が出た回数を $x$ 回($0 \leqq x \leqq 6$)とすると、裏が出た回数は $(6 – x)$ 回です。

このときの点 P の最終座標は:

$$\text{座標} = (+2) \times x + (-1) \times (6 – x) = 2x – 6 + x = 3x – 6$$

これが 3 になるので:

$$3x – 6 = 3 \implies 3x = 9 \implies x = 3$$

つまり、「硬貨を 6 回投げて、表がちょうど 3 回出る確率」を求めればよいことがわかります!

2. 反復試行の公式で計算する
表が出る確率は $\frac{1}{2}$、裏が出る確率も $\frac{1}{2}$ です。

$$P = {}_6\text{C}_3 \times \left(\frac{1}{2}\right)^3 \times \left(\frac{1}{2}\right)^{6-3} = 20 \times \left(\frac{1}{2}\right)^6 = 20 \times \frac{1}{64} = \frac{5}{16}$$

【答え】 $\mathbf{\frac{5}{16}}$


4. まとめ

  • 反復試行の確率公式:$P = {}_n\text{C}_r \, p^r (1-p)^{n-r}$
  • パーツの構造: 「順序の数(${}_n\text{C}_r$)」$\times$「指定事象が起こる確率($p^r$)」$\times$「指定以外が起こる確率($(1-p)^{n-r}$)」!
  • 座標移動問題: 回数を文字 $x$ とおいて方程式を立て、求める事象の回数を特定するのが定石!

反復試行の仕組みと解法パターンが完璧にマスターできました!

次回は「【数A:第33回】条件付き確率| $P_A(B)$ の計算公式と『〜のとき…である確率』の読み解き方」を解説します!

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