【数学Ⅱ】2-1: 虚数単位 $i$ とは?複素数の基本計算と $i^n$ の周期性をわかりやすく解説

数学Ⅱ

高校数学Ⅱの「複素数と方程式」分野で最初に登場するのが、これまでの「実数」の範囲を超えた新しい数、「複素数」です。

「2乗して $-1$ になる数なんて存在するの?」と困惑する方も多いかもしれませんが、仕組みと計算ルールを整理すれば、通常の文字式の計算とほとんど変わりません。

この記事では、虚数単位 $i$ の定義から複素数の四則演算、分母の実数化、そしてよく出題される $i^n$ の周期性までを徹底解説します!

1. 虚数単位 $i$ と複素数の定義

2乗すると $-1$ になる新しい数を虚数単位と呼び、記号 $i$ で表します。

$$i^2 = -1 \quad (\text{すなわち } i = \sqrt{-1})$$

この $i$ を用いて、$a + bi$($a, b$ は実数)の形で表される数を複素数といいます。

  • 実部:$a$ の部分
  • 虚部:$b$ の部分(※ $bi$ ではなく $b$ のみを指す点に注意!)

$b = 0$ のときは実数になり、$b \neq 0$ のときは虚数と呼ばれます。特に $a = 0, b \neq 0$ のとき(例: $3i, -2i$ など)を純虚数といいます。

2. 複素数の四則演算

複素数の加減乗除は、基本的には $i$ を普通の文字($x$ や $a$ など)と同じように扱って整理し、$i^2$ が出てきたら $-1$ に置き換えるだけでOKです。

基本計算ルール
  • 加法・減法:$(a + bi) \pm (c + di) = (a \pm c) + (b \pm d)i$ (実部同士、虚部同士をまとめる)
  • 乗法:$(a + bi)(c + di) = (ac – bd) + (ad + bc)i$ (展開して $i^2 = -1$ を適用)

3. 分母の「実数化」と共役な複素数

分数式の分母に $i$ が含まれている場合、分母から $i$ をなくす「実数化」を行います。

ここで使うのが、符号を入れ替えた共役(きょうやく)な複素数です。

$a + bi$ に対して、$a – bi$ を互いに共役な複素数と呼びます。

共役な複素数同士を掛け合わせると、

$$(a + bi)(a – bi) = a^2 – b^2 i^2 = a^2 + b^2$$

となり、$i$ が消えて必ず実数になります!

4. 実践問題(四則演算と実数化)

問題

次の計算をせよ。

(1) $(3 + 2i)(1 – 4i)$

(2) $\frac{2 + i}{1 – 2i}$

【解答例】

(1) 普通に展開し、$i^2 = -1$ を代入します。

$$\begin{aligned} (3 + 2i)(1 – 4i) &= 3 – 12i + 2i – 8i^2 \\ &= 3 – 10i – 8(-1) \\ &= 3 – 10i + 8 \\ &= 11 – 10i \end{aligned}$$

(2) 分母の共役な複素数 $(1 + 2i)$ を分母・分子に掛けます。

$$\begin{aligned} \frac{2 + i}{1 – 2i} &= \frac{(2 + i)(1 + 2i)}{(1 – 2i)(1 + 2i)} \\ &= \frac{2 + 4i + i + 2i^2}{1^2 – (2i)^2} \\ &= \frac{2 + 5i + 2(-1)}{1 – 4(-1)} \\ &= \frac{5i}{5} = i \end{aligned}$$

5. $i^n$ の周期性(4パターン繰り返し)

$i$ の累乗は、指数が大きくなっても必ず以下の4つの値を周期的に繰り返します。

$$\begin{aligned} i^1 &= i \\ i^2 &= -1 \\ i^3 &= i^2 \cdot i = -i \\ i^4 &= (i^2)^2 = (-1)^2 = 1 \\ i^5 &= i^4 \cdot i = i \quad (\text{元に戻る!}) \end{aligned}$$

指数の数字を 4 で割った余り を確認することで、一瞬で値を求めることができます。

  • 割り切れる(余り0)$\rightarrow 1$
  • 余り1 $\rightarrow i$
  • 余り2 $\rightarrow -1$
  • 余り3 $\rightarrow -i$
例:$i^{50}$ の値を求める

$50 \div 4 = 12 \text{ 余り } 2$ なので、

$$i^{50} = (i^4)^{12} \cdot i^2 = 1^{12} \cdot (-1) = -1$$

6. まとめ

  1. $i^2 = -1$ の置き換えを絶対忘れない
  2. 虚部は $bi$ ではなく $b$(数部分のみ)
  3. 分母の実数化には共役な複素数 $a-bi$ を掛ける
  4. $i^n$ は 4周期($i, -1, -i, 1$)で考える

次回は、この複素数を使って2次方程式の解を拡張していきます!


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