【数学Ⅲ】2-1-5 対数微分法を使うべき3つのパターン!複雑な積・商・累乗関数の微分

数学Ⅲ

数学Ⅲの微分で「どうやっても計算が長すぎる…」「底も指数も変数になっていて手が出せない…」というときに劇的な効果を発揮する秘密兵器が、この「対数微分法(たいすうびぶんほう)」です。

この記事では、対数微分法の仕組みから、どんなとき(3つのパターン)に使うべきか、具体的な計算手順までわかりやすく解説します!

1. 対数微分法とは?(なぜ対数をとるのか)

対数微分法とは、複雑な関数 $y = f(x)$ を微分するときに、あらかじめ両辺の自然対数(絶対値の対数)をとってから微分するというテクニックです。

対数の性質(積は和に、商は差に、累乗は係数に変わる)を利用することで、面倒な積の微分や商の微分を、ただの足し算・引き算の微分に簡略化することができます。

基本の変形手順

  1. 両辺の絶対値の自然対数をとる:$\ln \vert{}y\vert{} = \ln \vert{}f(x)\vert{}$
  2. 陰関数の要領で、両辺を $x$ で微分する:$\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = (\ln \vert{}f(x)\vert{})’$
  3. 両辺に $y$ を掛けて、$\frac{dy}{dx}$ の形にする:$\frac{dy}{dx} = y \cdot (\ln \vert{}f(x)\vert{})’$

2. 対数微分法を使うべき「3つのパターン」

入試で対数微分法が必須になるのは、主に次の3つのようなケースです。

  1. 多くの積や商が入り組んだ複雑な分数式(そのまま商の微分をすると計算ミスが爆発するケース)
  2. 累乗のなかにさらに変数がある形
  3. 底も指数も両方とも変数である関数(例:$y = x^x$)

3. 実戦演習:$y = x^x$ の微分を解いてみよう

底にも指数にも変数 $x$ が含まれているため、通常の微分公式(累乗の公式も、指数関数の公式も)はそのままでは使えません。ここで対数微分法の出番です。

【問題】

次の関数を微分せよ。

$$y = x^x \quad (x > 0)$$

【解説・解答】

  1. 両辺の自然対数をとる$$\ln y = \ln (x^x)$$対数の性質(指数を前に出す)より、$$\ln y = x \ln x$$
  2. 両辺を $x$ で微分する左辺は合成関数の微分($\frac{1}{y} \frac{dy}{dx}$)、右辺は積の微分公式を使います。$$\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = (x)’ \ln x + x (\ln x)’$$$$\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = 1 \cdot \ln x + x \cdot \frac{1}{x}$$$$\frac{1}{y} \frac{dy}{dx} = \ln x + 1$$
  3. 両辺に $y$ を掛けて $y’$ の形に戻す$$\frac{dy}{dx} = y (\ln x + 1)$$$y = x^x$ を代入して完成です。$$\frac{dy}{dx} = \mathbf{x^x (\ln x + 1)}$$

4. まとめ:対数微分法の鉄則

  1. 「積・商が複雑すぎる式」や「底も指数も $x$ の式」を見たら、真っ先に「両辺の対数をとる」を疑う。
  2. 対数の性質($\ln(AB) = \ln A + \ln B$, $\ln(A^k) = k \ln A$)で式をバラバラにしてから微分する。
  3. 微分したあとに、最後に元の関数 $y$ を掛け戻すのを忘れないようにする。

ここがクリアできたら、次は「2-1. 微分法の基本」の最後の項目である「三角・指数・対数関数の導関数一覧まとめ」へと進みましょう!

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