【数学Ⅲ】2-1-4 逆関数と陰関数の微分法|$\frac{dx}{dy}$ を用いた計算手順をわかりやすく解説

数学Ⅲ

数学Ⅲの微分計算で、少し特殊なアプローチが必要になるのが「逆関数の微分」と「陰関数の微分」です。

「直接 $y = \dots$ の形に直せない」「逆関数を求めるのが面倒くさい」というときに、このテクニックを知っていると計算が劇的にラクになります。

この記事では、それぞれの公式の仕組みと、入試で使える実践的な計算手順をわかりやすく解説します!

1. 逆関数の微分法

関数 $y = f(x)$ の逆関数 $x = g(y)$ において、元の関数の導関数 $f'(x)$ と逆関数の導関数 $g'(y)$ の間には、非常にきれいな逆数の関係が成り立ちます。

公式

$$\frac{dy}{dx} = \frac{1}{\frac{dx}{dy}}$$

(あるいは、記号を変えて $f^{-1}(x)$ の微分として $\left(f^{-1}(x)\right)’ = \frac{1}{f'(y)}$ と書かれることもあります)

なぜこの公式が便利なのか?

例えば $y = \ln x$ の逆関数は $x = e^y$ です。$x = e^y$ を $y$ で微分するのは簡単($\frac{dx}{dy} = e^y$)なので、その逆数を取ればすぐに $\frac{dy}{dx} = \frac{1}{e^y} = \frac{1}{x}$ と導き出すことができます。

2. 陰関数(いんかんすう)の微分法

これまでは $y = f(x)$ という「陽関数($y$ が $x$ の式として露わになっている形)」を扱ってきましたが、円の方程式 $x^2 + y^2 = r^2$ のように、$x$ と $y$ が混ざり合った式を陰関数と呼びます。

これを $x$ で微分するときの鉄則は、「$y$ を $x$ の関数(合成関数の塊)とみなして、チェーンルールを適用する」ことです。

【例題】円の方程式の接線の傾きを求める

円 $x^2 + y^2 = r^2$ の上にある点 $(x_1, y_1)$ における接線の傾き($\frac{dy}{dx}$)を求めよ。

【解説・解答】

方程式の両辺を $x$ で微分します。

  • $x^2$ を微分 $\to 2x$
  • $y^2$ を微分 $\to$ ($y$ を合成関数とみて)$2y \cdot \frac{dy}{dx}$
  • 右辺 $r^2$(定数)を微分 $\to 0$

したがって、

$$2x + 2y \frac{dy}{dx} = 0$$

これを $\frac{dy}{dx}$ について解きます。

$$\frac{dy}{dx} = -\frac{x}{y}$$

点 $(x_1, y_1)$ における傾きは、代入して $-\frac{x_1}{y_1}$ と一発で求めることができます!

3. まとめ:逆関数・陰関数微分の鉄則

  1. 逆関数の微分では、「$x$ について解いて $\frac{dx}{dy}$ を求めてから逆数にする」発想を持つ。
  2. 陰関数の微分では、$y$ を微分するときに必ず合成関数の要領で $\frac{dy}{dx}$(または $y’$)を掛け忘れないようにする。
  3. 円や楕円などの二次曲線でも、この陰関数の微分を使えば接線の方程式が瞬時に出せる。

ここがクリアできたら、次は複雑な式をスッキリ変形して解く「対数微分法(複雑な分数式・累乗の微分)」へと進みましょう!

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