【高校数学Ⅰ】第15回:2次方程式の解き方と判別式 Dを徹底解説!

高校数学

「2次方程式の解の公式って、毎回使わないといけないの?」

「判別式 $D$ が何を表しているのか、今ひとつピンとこない…」

高校数学Ⅰの後半戦、そしてこのあとに控える「2次不等式」や「グラフの位置関係」を攻略する上で絶対にはずせないのが、2次方程式の解法と判別式 $D$ です。

今回は、2次方程式を効率よく解く手順から、判別式 $D$ の正体、そして実数解の個数を一瞬で見分けるテクニックまで分かりやすく解説します!

1. 2次方程式の解き方(2大アプローチ)

高校数学における2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ の解法は、大きく分けて2つあります。

アプローチ①:因数分解(最優先!)

積の形 $(x – \alpha)(x – \beta) = 0$ に変形できれば、$x = \alpha, \beta$ とすぐに解が求まります。

解の公式を使うよりも圧倒的に早く、計算ミスも防げるため、「まずは因数分解できないか?」を考えるのが鉄則です。

【例】 $x^2 – 5x + 6 = 0$

$(x – 2)(x – 3) = 0 \quad \implies \quad x = 2, 3$

アプローチ②:解の公式(因数分解できないとき)

因数分解がパッと浮かばない、あるいは不可能な場合は解の公式を使います。

$$x = \frac{-b \pm \sqrt{b^2 – 4ac}}{2a}$$

💡 偶数公式($b$ が偶数 b’$ のとき)を使いこなそう!

$x$ の係数 $b$ が偶数のときは、以下の偶数公式を使うと計算が劇的に楽になります。

$$x = \frac{-b’ \pm \sqrt{{b’}^2 – ac}}{a} \quad (\text{ただし } b = 2b’)$$

【例】 $x^2 – 6x + 2 = 0 \quad (b’ = -3)$

$x = \frac{-(-3) \pm \sqrt{(-3)^2 – 1 \cdot 2}}{1} = 3 \pm \sqrt{9 – 2} = 3 \pm \sqrt{7}$

2. 判別式 D の正体とは?

解の公式に出てくる ルートの中身 $b^2 – 4ac$ のことを、判別式(Discriminant) と呼び、記号 $D$ で表します。

$$D = b^2 – 4ac$$

なぜこの部分がそれほど重要なのでしょうか?

理由は簡単で、「ルートの中身の符号(正・ゼロ・負)によって、解の種類や個数が完全に決まるから」です。

解の公式: x = ( -b ± √D ) / (2a)

・D > 0 のとき ──► √の中に正の数が入る ──► ± で「2つの解」ができる
・D = 0 のとき ──► √0 = 0 になる         ──► ±0 なので「1つの解(重解)」になる
・D < 0 のとき ──► √の中に負の数(高校数学Ⅰの範囲では存在しない数)が入る ──► 「実数解なし」

3. 判別式 D と「実数解の個数」のまとめ

高校数学Ⅰでは、「実数解(実数の範囲での解)」が何個あるかを判定する問題が頻出です。

判別式 D の符号判別式 4D​ (偶数用)実数解の個数解の名称
$D > 0$$\frac{D}{4} > 0$2個異なる2つの実数解
$D = 0$$\frac{D}{4} = 0$1個重解(じゅうかい)
$D < 0$$\frac{D}{4} < 0$0個実数解をもたない(0個)

※ $b$ が偶数の場合は、計算を簡略化した $\frac{D}{4} = {b’}^2 – ac$ を使います。

4. 【例題】判別式 D を使った典型問題

【例題】

2次方程式 $x^2 – 2kx + k + 2 = 0$ が重解(解が1個)をもつとき、定数 $k$ の値を求めよ。また、そのときの重解を求めよ。

解答・解説

  1. 判別式を設定する$x$ の係数が $-2k$(偶数)なので、$b’ = -k$ と考え、$\frac{D}{4}$ を利用します。$$\frac{D}{4} = (-k)^2 – 1 \cdot (k + 2) = k^2 – k – 2$$
  2. 条件「重解をもつ $\implies \frac{D}{4} = 0$」をあてはめる$$k^2 – k – 2 = 0$$因数分解すると:$$(k – 2)(k + 1) = 0 \quad \implies \quad k = 2, -1$$
  3. それぞれの $k$ における重解を求める
    • $k = 2$ のとき:元の式に代入すると $x^2 – 4x + 4 = 0 \implies (x – 2)^2 = 0 \implies x = 2$
    • $k = -1$ のとき:元の式に代入すると $x^2 + 2x + 1 = 0 \implies (x + 1)^2 = 0 \implies x = -1$

【答え】

  • $k = 2$ のとき、重解 $x = 2$
  • $k = -1$ のとき、重解 $x = -1$

5. まとめ

  • 2次方程式を解くときは、まず「因数分解」、ダメなら「解の公式」
  • 判別式 $D = b^2 – 4ac$ は、解の個数を判別するための万能ツール。
  • $D > 0$ $\implies$ 2個 / $D = 0$ $\implies$ 1個(重解) / $D < 0$ $\implies$ 0個

次回は、この判別式 $D$ が視覚的にスッキリ理解できるようになる「第16回:2次関数のグラフと $x$ 軸の位置関係」を解説します!

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