こんにちは!高校数学の学習ブログへようこそ!
前回は「集合の基本記号($\in, \subset, \cap, \cup$)」と「ベン図」の使い方を学習しましたね。キャップ($\cap$)とカップ($\cup$)のイメージ、バッチリ掴めましたでしょうか?
第2章「論理と集合」の2回目となる今回のテーマは、テストや模試で必ずと言っていいほど狙われる超重要トピック「ド・モルガンの法則」と「要素の個数計算 $n(A)$」です!
「屋根(バー)が繋がったり切れたりして、記号の向きもひっくり返るから混乱する…」
「『〜でないものの個数』と言われると、どう引き算すればいいか分からない…」
と苦手意識を持ちやすいポイントですが、実は「図(ベン図)を描いて視覚的に確かめる」ことと「基本の公式パターン」さえ知っていれば、誰でも確実に満点が狙えるサービス問題に変わります!
今回もステップ順に分かりやすく解説していきますので、リフレッシュして挑戦してみましょう!
1. 変身の魔法!?「ド・モルガンの法則」とは
まず登場するのが、集合の単元で最も有名な定理「ド・モルガンの法則」です。
一言でいうと、「集合の上についている長いバー(否定の屋根)を切り離したり、合体させたりするときに使うルール」です!
ド・モルガンの法則(2つの公式)
$$\begin{aligned} ① \quad \overline{A \cup B} &= \overline{A} \cap \overline{B} \\ ② \quad \overline{A \cap B} &= \overline{A} \cup \overline{B} \end{aligned}$$
変身のルールはたったの2ステップです!
★ ド・モルガンの変身ルール
- 上のバー(屋根)を 「切る」(または繋げる)
- 真ん中の記号($\cap$ と $\cup$)の 「向きをひっくり返す」!
- $\cup$(または)の上に長いバー $\to$ バーを切ると、真ん中が $\cap$(かつ) に変わる!
- $\cap$(かつ)の上に長いバー $\to$ バーを切ると、真ん中が $\cup$(または) に変わる!
2. なぜ成り立つ?ベン図でスッキリ確かめよう!
公式① $\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}$ をベン図で確かめてみましょう。
- 左辺:$\overline{A \cup B}$「$A$ または $B$」の外側。つまり、円の外部全体($A$ の円も $B$ の円も両方避けた外側のエリア)です。
- 右辺:$\overline{A} \cap \overline{B}$「$A$ の外側」かつ「$B$ の外側」。両方の外側が重なっている場所を探すと……まったく同じ円の外部全体になります!
言葉で覚えるとややこしいですが、「バーを切ったら真ん中の向きがクルッと反転する!」と覚えておけばOKです。
3. 要素の個数を表す記号 $n(A)$ と重要公式
ここからは、集合の中に入っている「要素の個数(メンバーの人数など)」を計算するテクニックです。
集合 $A$ の要素の個数を、Numberの頭文字を取って $n(A)$ と書きます。
絶対に覚えるべき2つの個数公式
① 和集合の個数公式(超重要!)
$$n(A \cup B) = n(A) + n(B) – n(A \cap B)$$
- なぜ引き算するの?$n(A)$ の人数と $n(B)$ の人数をそのまま足すと、真ん中の重なっている部分($n(A \cap B)$)の人たちを2回ダブってカウントしてしまうからです。そのため、ダブった1回分を最後に引き算します!
② 補集合の個数公式
$$n(\overline{A}) = n(U) – n(A)$$
- 「$A$ 以外」の人数は、「全体($n(U)$)」から「$A$ の人数」を取り除くことで計算できます。
4. 実戦!テストに出る文章問題を攻略
それでは、実際のテストでよく出る文章問題を解いてみましょう!
【例題】要素の個数を求めよう
問題:
1から100までの整数100個の集合を全体集合 $U$ とします。
そのうち、
- 3の倍数の集合を $A$
- 5の倍数の集合を $B$
とするとき、次の個数を求めなさい。
- $n(A)$ および $n(B)$
- $n(A \cap B)$
- $n(A \cup B)$(3の倍数または5の倍数の個数)
- $n(\overline{A} \cap \overline{B})$(3の倍数でも5の倍数でもない個数)
解答のステップ
まずは、各グループの人数を準備しましょう!
1. $n(A)$ と $n(B)$ を求める
割り算の商(あまりは切り捨て)で個数が分かります。
- $A$(3の倍数):$100 \div 3 = 33$ あまり 1 $\to$ $n(A) = 33$
- $B$(5の倍数):$100 \div 5 = 20$ $\to$ $n(B) = 20$
2. $n(A \cap B)$ を求める
「3の倍数かつ5の倍数」とは、最小公倍数である 「15の倍数」 のことです!
- $100 \div 15 = 6$ あまり 10 $\to$ $n(A \cap B) = 6$
3. $n(A \cup B)$ を求める
和集合の公式を使います!
$$\begin{aligned} n(A \cup B) &= n(A) + n(B) – n(A \cap B) \\ &= 33 + 20 – 6 \\ &= \mathbf{47} \end{aligned}$$
正解: $47$ 個
4. $n(\overline{A} \cap \overline{B})$ を求める
出ました!「〜でも〜でもない」という複雑な形です。
ここでド・モルガンの法則を逆向きに使います!
$$\overline{A} \cap \overline{B} = \overline{A \cup B}$$
つまり、「3の倍数でも5の倍数でもない」個数は、「$A \cup B$(3の倍数または5の倍数)以外の個数」と同じです!
補集合の公式を使って、全体の100個から引き算します。
$$\begin{aligned} n(\overline{A} \cap \overline{B}) &= n(\overline{A \cup B}) \\ &= n(U) – n(A \cup B) \\ &= 100 – 47 \\ &= \mathbf{53} \end{aligned}$$
正解: $53$ 個
ド・モルガンの法則を使ったことで、面倒な条件が一瞬で「全体引き算」に早変わりしましたね!
5. 練習問題にチャレンジ!
理解できたか、実際に手を動かしてチェックしてみましょう!
【問1】
1から50までの整数のうち、次のような数は何個あるか求めなさい。
- 2の倍数または3の倍数
- 2の倍数でも3の倍数でもない数
【解答・解説】
全体集合 $n(U) = 50$ です。
2の倍数の集合を $A$、3の倍数の集合を $B$ とします。
- $n(A) = 50 \div 2 = 25$
- $n(B) = 50 \div 3 = 16$ あまり 2 $\to 16$
- $n(A \cap B)$(6の倍数)$= 50 \div 6 = 8$ あまり 2 $\to 8$
【1の答え】
和集合の公式に代入します。
$$\begin{aligned} n(A \cup B) &= n(A) + n(B) – n(A \cap B) \\ &= 25 + 16 – 8 \\ &= \mathbf{33} \end{aligned}$$
正解: $33$ 個
【2の答え】
ド・モルガンの法則より、$\overline{A} \cap \overline{B} = \overline{A \cup B}$ です。
$$\begin{aligned} n(\overline{A \cup B}) &= n(U) – n(A \cup B) \\ &= 50 – 33 \\ &= \mathbf{17} \end{aligned}$$
正解: $17$ 個
まとめ
今日のポイントをおさらいしましょう!
- ド・モルガンの法則=屋根(バー)を切ると、真ん中の記号が反転する!
- $\overline{A \cup B} = \overline{A} \cap \overline{B}$
- $\overline{A \cap B} = \overline{A} \cup \overline{B}$
- 個数の計算はダブり引き算! $n(A \cup B) = n(A) + n(B) – n(A \cap B)$
- 「〜でも〜でもない」と言われたら、ド・モルガンで「全体からの引き算」に変換する!
難しそうに見える「否定の入った個数問題」も、ド・モルガンの法則を使えば「全体引き算」に書き直せるのが最大のメリットです。
次回は、いよいよ高校数学の「論理」の核心である「命題と条件・必要条件と十分条件」を分かりやすく解説します。テストで差がつく大人気テーマですので、お楽しみに!
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