2次関数のグラフと $x$ 軸の位置関係って、要するに何を見ればいいの?」
「方程式の判別式 $D$ が、なんでグラフの話に出てくるのか分からない…」
前回学習した2次方程式の判別式 $D$。実はこの $D$、方程式だけでなく2次関数のグラフの形・位置を把握する上でも最強のツールになります。
今回は、2次関数のグラフと $x$ 軸がどのように交わるのか、判別式 $D$ との関係性を図解とともにスッキリ整理して解説します!
1. グラフと $x$ 軸の「共有点」の正体
2次関数 $y = ax^2 + bx + c$ のグラフ(放物線)と $x$ 軸が交わる点(=共有点)の $x$ 座標は、$y = 0$ とおいた2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ の実数解と完全に一致します。
- グラフの世界: $x$ 軸($y = 0$)との交点
- 方程式の世界: $y = 0$ を代入したときの $x$ の解
つまり、「共有点の個数」=「2次方程式の実数解の個数」 という関係が成り立ちます!
2. 判別式 D でわかる「3つの位置関係」
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ の判別式を $D = b^2 – 4ac$ とすると、$D$ の符号を見るだけでグラフと $x$ 軸の位置関係がひと目でわかります。
(※以下は下に凸 $a > 0$ の場合です)
① $D > 0$ のとき:異なる2点で交わる
- 方程式の実数解が 2個 存在する。
- グラフは $x$ 軸と 異なる2点で交わる。
② $D = 0$ のとき:1点で接する(接点)
- 方程式の実数解が 1個(重解) になる。
- グラフは $x$ 軸と 1点で接する(頂点が $x$ 軸上にある)。
③ $D < 0$ のとき:共有点をもたない(浮いている)
- 方程式の実数解が 0個(実数解なし)。
- グラフは $x$ 軸と 交わらない($x$ 軸より上に浮いている)。
3. 【図解まとめ】$D$ の符号とグラフの形
| 判別式 | D>0 | D=0 | D<0 |
| 共有点の個数 | 2個 | 1個(接する) | 0個 |
| 下に凸 ($a > 0$) | 放物線が $x$ 軸を突き抜ける | 頂点が $x$ 軸にタッチする | 完全に $x$ 軸の上にある |
| 上に凸 ($a < 0$) | 放物線が $x$ 軸を突き抜ける | 頂点が $x$ 軸にタッチする | 完全に $x$ 軸の下にある |
4. 【例題】共有点の個数・座標を求める問題
【例題1】共有点の個数を求める
2次関数 $y = x^2 – 4x + 3$ のグラフと $x$ 軸の共有点の個数を求めよ。
解答・解説
$y = 0$ とおいた方程式 $x^2 – 4x + 3 = 0$ の判別式 $D$ を調べます。
$x$ の係数が偶数なので $\frac{D}{4}$ を使うと:
$$\frac{D}{4} = (-2)^2 – 1 \cdot 3 = 4 – 3 = 1 > 0$$
$\frac{D}{4} > 0$ なので、共有点の個数は 2個 となります。
【例題2】共有点の座標を求める
上記の関数 $y = x^2 – 4x + 3$ と $x$ 軸の共有点の座標を求めよ。
解答・解説
共有点の $x$ 座標は、$y = 0$ とおいた方程式の解です。
$$x^2 – 4x + 3 = 0$$
$$(x – 1)(x – 3) = 0 \quad \implies \quad x = 1, 3$$
共有点は $x$ 軸上にあるため、$y$ 座標はどちらも $0$ です。
【答え】
共有点の座標は $(1, 0), (3, 0)$
【例題3】文字係数を含む応用問題
2次関数 $y = x^2 – 2x + k$ のグラフと $x$ 軸が「共有点をもつ」ような定数 $k$ の値の範囲を求めよ。
解答・解説
「共有点をもつ」とは、共有点が2個、または1個(接する)のどちらでもよいということです。
つまり、条件は $D \geqq 0$ になります!(※ $D > 0$ だけで終わらせないよう注意!)
- 判別式 $\frac{D}{4}$ を計算します。$$\frac{D}{4} = (-1)^2 – 1 \cdot k = 1 – k$$
- $\frac{D}{4} \geqq 0$ となればよいので:$$1 – k \geqq 0 \quad \implies \quad k \leqq 1$$
【答え】
$k \leqq 1$
5. まとめ
- 「共有点の $x$ 座標」=「$y=0$ とおいた2次方程式の解」
- グラフと $x$ 軸の位置関係は 判別式 $D$ で一発判定!
- $D > 0$ $\implies$ 異なる2点で交わる(2個)
- $D = 0$ $\implies$ 1点で接する(1個)
- $D < 0$ $\implies$ 共有点をもたない(0個)
- 「共有点をもつ」と言われたら $D \geqq 0$(不等号に等号を含める)!
次回は、この「グラフと $x$ 軸の位置関係」をそのまま使って解く高校数学の超超重要分野「第17回:2次不等式の解き方」に進みます!
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