高校に入って急に出てきた $\sin, \cos, \tan$(サイン・コサイン・タンジェント)って何?」
「公式が多くて難しそう…どこから覚えたらいいの?」
高校数学Ⅰの最重要分野のひとつ、第4章「図形と計量(三角比)」がいよいよスタートします!
見た目は難しそうに見える三角比ですが、実は「直角三角形の2辺の長さの比(割合)」を表しているだけのとてもシンプルな概念です。
今回は、三角比の根本的な意味から、アルファベット筆記体を使った一瞬で覚えられる定義の暗記法まで分かりやすく解説します!
1. 三角比(sin, cos, tan)の正体とは?
結論から言うと、三角比とは「直角三角形の形(角度)が決まれば、2辺の長さの比率は常に一定になる」という性質を利用したものです。
どんなに三角形の大きさが拡大・縮小されても、直角以外の1つの角度($\theta$)が決まれば、3つの辺の長さの割合はすべて同じになります。
この「辺の比」にそれぞれ名前をつけたものが $\sin, \cos, \tan$ です。
2. 直角三角形の3つの辺の名前
三角比を考えるときは、直角三角形の3つの辺を次のように呼びます。
/|
斜辺 / | 対辺 (高さ)
/θ |
───────
底辺 (底)
- 斜辺(しゃへん):直角の向かい側にある一番長い辺
- 底辺(ていへん):角度 $\theta$ に接している横の辺
- 対辺(たいへん):角度 $\theta$ の向かい側にある縦の辺(高さ)
3. 三角比の定義(sin, cos, tan の意味)
角度 $\theta$ に対する3つの三角比は次のように定義されます。
$$\sin \theta = \frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}} \quad \left( \frac{\text{高さ}}{\text{斜辺}} \right)$$
$$\cos \theta = \frac{\text{底辺}}{\text{斜辺}} \quad \left( \frac{\text{底}}{\text{斜辺}} \right)$$
$$\tan \theta = \frac{\text{対辺}}{\text{底辺}} \quad \left( \frac{\text{高さ}}{\text{底}} \right)$$
4. 一発で覚えられる!アルファベット筆記体を使った覚え方
どれがどの辺の組み合わせか迷ったときは、小文字のアルファベット筆記体の書き順で覚えるのが王道です!
※あらかじめ、注目する角度 $\theta$ を左下、直角を右下に配置した状態にしておきます。
① $\sin$(サイン): $s$ の筆記体
- $s$ を書く順序:「斜辺」 $\to$ 「対辺(高さ)」
- $\sin \theta = \frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}}$
② $\cos$(コサイン): $c$ の筆記体
- $c$ を書く順序:「斜辺」 $\to$ 「底辺」 ($c$ の形で囲む)
- $\cos \theta = \frac{\text{底辺}}{\text{斜辺}}$
③ $\tan$(タンジェント): $t$ の筆記体
- $t$ を書く順序:「底辺」 $\to$ 「対辺(高さ)」
- $\tan \theta = \frac{\text{対辺}}{\text{底辺}}$
⚠️ 注意!
求める前に、必ず**「角度 $\theta$ が左下」「直角が右下」**になるように頭の中で三角形を回転させましょう!これが計算ミスを防ぐ一番のコツです。
5. 絶対に暗記!有名角(30°, 45°, 60°)の三角比一覧
中学で習った「特別な直角三角形の辺の比」を思い出してみましょう。
- $30^\circ, 60^\circ, 90^\circ$ の直角三角形 $\to$ 辺の比は $1 : 2 : \sqrt{3}$
- $45^\circ, 45^\circ, 90^\circ$ の直角二等辺三角形 $\to$ 辺の比は $1 : 1 : \sqrt{2}$
この比を使えば、有名角の三角比の値は簡単に求められます。
| θ | 30∘ | 45∘ | 60∘ |
| $\sin \theta$ | $\frac{1}{2}$ | $\frac{1}{\sqrt{2}}$ | $\frac{\sqrt{3}}{2}$ |
| $\cos \theta$ | $\frac{\sqrt{3}}{2}$ | $\frac{1}{\sqrt{2}}$ | $\frac{1}{2}$ |
| $\tan \theta$ | $\frac{1}{\sqrt{3}}$ | $1$ | $\sqrt{3}$ |
💡 ポイント
- $\sin$ と $\cos$ の値は $30^\circ$ と $60^\circ$ でちょうど逆になります($\sin 30^\circ = \cos 60^\circ = \frac{1}{2}$)。
- $45^\circ$ のときは $\sin$ と $\cos$ が同じ値($\frac{1}{\sqrt{2}}$)になります。
6. 【例題】三角比の値を求める問題
【例題1】基本の三角比
3辺の長さが $3, 4, 5$ の直角三角形において、角度 $\theta$ に対する $\sin \theta, \cos \theta, \tan \theta$ の値を求めよ。
(ただし、斜辺の長さは $5$、底辺は $4$、対辺は $3$ とする)
解答・解説
- 角度 $\theta$ が左下、直角が右下にある配置を確認します。
- 斜辺 $= 5$, 底辺 $= 4$, 対辺(高さ) $= 3$ です。
- $\sin \theta = \frac{\text{対辺}}{\text{斜辺}} =$ $\frac{3}{5}$
- $\cos \theta = \frac{\text{底辺}}{\text{斜辺}} =$ $\frac{4}{5}$
- $\tan \theta = \frac{\text{対辺}}{\text{底辺}} =$ $\frac{3}{4}$
【例題2】図形から辺の長さを求める
以下の図において、斜辺の長さが $6$、角度 $\theta = 30^\circ$ のとき、高さ $h$ を求めよ。
解答・解説
$\sin 30^\circ = \frac{h}{6}$ と表せます。
$\sin 30^\circ = \frac{1}{2}$ なので、
$$\frac{h}{6} = \frac{1}{2} \quad \implies \quad h = 6 \times \frac{1}{2} = 3$$
【答え】 $h = 3$
7. まとめ
- 三角比とは「直角三角形の2辺の長さの割合(比)」のこと!
- $\theta$ を左下、直角を右下に配置してアルファベット筆記体($s, c, t$)の順で覚える!
- $30^\circ, 45^\circ, 60^\circ$ の三角比の値は、丸暗記ではなく三角形の辺の比($1:2:\sqrt{3}$ など)からいつでも復元できるようにしておく!
次回は、三角比の計算を劇的に楽にする超超重要公式「第20回:三角比の相互関係($\sin^2\theta + \cos^2\theta = 1$ など)」を解説します!
参考PR
- 安さ&予備校級の講義動画なら 👉 [スタディサプリ高校講座]
- 定期テスト&推薦入試対策なら 👉 [進研ゼミ高校講座]
- 難関大突破&記述・添削なら 👉 [Z会の通信教育]
コメント