こんにちは!高校数学の学習ブログへようこそ!
前回は、高校数学の基本テクニックである「たすき掛け」を使った因数分解を勉強しましたね。パズルのように数字を組み合わせる感覚、掴めてきましたでしょうか?
さて、第3回となる今回のテーマは、多くの受験生や高校生が一度はつまずく「文字がいくつも交ざった複雑な式の因数分解」です!
「$x$ も $y$ も入っていて、項が5つも6つもある…」
「どこから手をつければいいのかさっぱり分からない…」
と見た瞬間に諦めたくなるかもしれませんが、安心してください! どんなに長くて複雑な式であっても、「ある1つの鉄則」に従って整理するだけで、前回習った「たすき掛け」の形に必ず変身します。
今回も手順を1つずつ丁寧にかみ砕いて解説していきますので、攻略法を一緒に身につけていきましょう!
1. 複雑な式を解く「たった1つの鉄則」
文字が2種類以上登場する長い式に出会ったら、迷わず次のルールを思い出してください。
★ 最強の鉄則
「最も最高次数(最高乗数)が低い文字」に着目して、「降べきの順」に整理する!
なぜこれを行うかというと、「最高次数の低い文字」に揃えることで、式全体がすっきりと見やすくなり、因数分解の糸口が必ず見えてくるからです。
まずは、文字の次数を確認する手順から確認してみましょう!
2. 実戦で覚える!解法の3ステップ
実際の例題を見ながら、どのような手順で解き進めるのかを確認します。
【例題】複雑な式を因数分解してみよう
問題: 次の式を因数分解しなさい。
$$x^2 + 3xy + 2y^2 + 2x + 5y – 3$$
項が6つもあり、一見するとパニックになりそうですね。しかし、ステップ順に進めれば確実に解けます!
解答の3ステップ
ステップ1:各文字の「最高次数」を比べて、主役を決める
登場する文字は $x$ と $y$ の2種類です。それぞれの最高次数(一番大きい指数)を確かめます。
- $x$ の最高次数:$x^2$ なので 2次
- $y$ の最高次数:$y^2$ なので 2次
今回はどちらも「2次」で同じ高さです。このような場合は、どちらの文字を主役にしてもOK です!(慣れている $x$ を主役にしてみましょう)。
ステップ2:主役の文字($x$)について「降べきの順」に整理する
第1回で習った「降べきの順」を思い出してください。$x$ の次数が高い順にグループ分けしていきます。
- $x^2$(2次)の項:$x^2$
- $x$(1次)の項:$3xy$ と $2x \to (3y + 2)x$
- $x$ がない項(定数項):$2y^2 + 5y – 3$
これらを順番に並べ替えます。
$$= x^2 + (3y + 2)x + (2y^2 + 5y – 3)$$
どうでしょうか? $x$ に着目すると、「$x^2 + \text{〇}x + \text{△}$」という見慣れた2次式の形になりましたね!
ステップ3:お尻(定数項)を因数分解し、最後に全体で「たすき掛け」!
ここからの流れが最大のハイライトです!
① まずは定数項(お尻の部分)だけを因数分解する
$2y^2 + 5y – 3$ の部分を、前回習った「たすき掛け」で因数分解します。
$$\begin{matrix} 1 \quad \text{―} \nearrow \text{―} \quad 3 &\to& 6 \\ &\times& \\ 2 \quad \text{―} \searrow \text{―} \quad -1 &\to& -1 \\ \hline && \mathbf{5} \end{matrix}$$
- $(1) \times (-1) = -1$
- $(2) \times (3) = 6$
- 足すと $(-1) + 6 = \mathbf{5}$
よって、定数項は $(y + 3)(2y – 1)$ と分解できます。式全体に書き戻してみましょう。
$$= x^2 + (3y + 2)x + \mathbf{(y + 3)(2y – 1)}$$
② 式全体で「大きなたすき掛け」を行う!
今度は式全体を大きく見ます。
- かけて $x^2$ になるもの:$1$ と $1$
- かけて $(y + 3)(2y – 1)$ になるもの:$(y + 3)$ と $(2y – 1)$
これを使って、斜めに掛け算してみましょう!
$$\begin{matrix} 1 \quad \text{―} \nearrow \text{―} \quad (y + 3) &\to& y + 3 \\ &\times& \\ 1 \quad \text{―} \searrow \text{―} \quad (2y – 1) &\to& 2y – 1 \\ \hline && \mathbf{3y + 2} \end{matrix}$$
- $1 \times (y + 3) = y + 3$
- $1 \times (2y – 1) = 2y – 1$
- 足すと $(y + 3) + (2y – 1) = \mathbf{3y + 2}$
真ん中の数 $(3y + 2)$ に見事一致しました!
こたえの書き方
横並びに見て $x$ を補い、カッコを外してきれいに整理します。
- 上の段:$x + (y + 3) \to (x + y + 3)$
- 下の段:$x + (2y – 1) \to (x + 2y – 1)$
正解:
$$\mathbf{(x + y + 3)(x + 2y – 1)}$$
長い式が見事に2つのカッコに収まりました!
3. 次数が異なる文字がある場合のテクニック
文字によって「最高次数」が違う場合は、必ず次数が低い方の文字を選んで整理するのが鉄則です。
【計算例】次数に差がある問題
問題: $x^2 + xy – x + y – 2$ を因数分解しなさい。
- 次数を確認する
- $x$ の最高次数:$x^2$(2次)
- $y$ の最高次数:$y^1$(1次) $\to$ $y$ の方が次数が低い!
- 次数が低い $y$ について降べきの順に整理する$y$ がついている項とついていない項に分けます。
- $y$ の項:$xy + y \to (x + 1)y$
- 定数項:$x^2 – x – 2$
- 定数項を因数分解して、共通因数をくくり出す$x^2 – x – 2$ を因数分解すると $(x + 1)(x – 2)$ になります。$$= (x + 1)y + \mathbf{(x + 1)(x – 2)}$$よく見ると、どちらのブロックにも $(x + 1)$ という共通の塊(共通因数)が表れました!この $(x + 1)$ を前にくくり出します。$$= (x + 1)\{ y + (x – 2) \}$$中カッコの中身を並び替えて整えます。
正解:
$$\mathbf{(x + 1)(x + y – 2)}$$
次数が低い文字を選ぶだけで、複雑な「たすき掛け」すら使わずにあっさり解けてしまいましたね!
4. 練習問題にチャレンジ!
実際に手を動かして、解法のステップを身につけましょう!
【問1】
次の式を因数分解しなさい。
$$x^2 + 4xy + 3y^2 – 2x – 4y + 1$$
【解答・解説】
【問1の答え】
$x$ について降べきの順に整理します。
$$= x^2 + (4y – 2)x + (3y^2 – 4y + 1)$$
ステップ1:定数項(お尻)をたすき掛けで因数分解
$3y^2 – 4y + 1 = (y – 1)(3y – 1)$
式に書き戻すと:
$$= x^2 + (4y – 2)x + (y – 1)(3y – 1)$$
ステップ2:全体で大きなたすき掛け
$$\begin{matrix} 1 \quad \text{―} \nearrow \text{―} \quad (y – 1) &\to& y – 1 \\ &\times& \\ 1 \quad \text{―} \searrow \text{―} \quad (3y – 1) &\to& 3y – 1 \\ \hline && \mathbf{4y – 2} \end{matrix}$$
- $(y – 1) + (3y – 1) = \mathbf{4y – 2}$(真ん中の数と一致!)
横に見てカッコに入れます。
正解:
$$\mathbf{(x + y – 1)(x + 3y – 1)}$$
まとめ
今日のポイントをおさらいしましょう!
- 文字がたくさんの複雑な式は「最も次数が低い文字」に着目する!
- 主役の文字を決めたら「降べきの順」に整理整頓!
- 「お尻(定数項)を因数分解」$\to$「全体で大きなたすき掛け」の順番で攻める!
最初は「手順が多くて大変そう…」と感じるかもしれませんが、やるべき手順は毎回100%同じです。手順通りに進めれば必ず解ける「点数の稼ぎどころ」でもあります!
次回は、数Ⅰの計算分野の総まとめとして「実数と絶対値の計算ルール」をわかりやすく解説します。絶対値記号の外し方で迷わないコツをお伝えしますので、お楽しみに!
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