等差数列や等比数列のように「足す数や掛ける数がずっと同じ」というシンプルなルールではない数列に出会ったとき、活躍するのが「階差数列(かいさせいれつ)」です。
テストで頻出の超重要テーマですが、「$n \geqq 2$ のとき」という決まり文句やカッコの付け忘れなど、記述解答で減点されやすい落とし穴がたくさんあります。
この記事では、階差数列の考え方から公式、記述で満点を取るための解答手順まで分かりやすく解説します!
1. 階差数列とは?
階差数列とは、「ある数列の『隣り合う項の差』をとって作った新しい数列」のことです。
例えば、次の数列 $\{a_n\}$ を見てみましょう。
$$a_n: \quad 2, \quad 5, \quad 10, \quad 17, \quad 26, \quad \dots$$
一見すると等差でも等比でもなさそうですが、隣同士の差を計算してみます。
- $5 – 2 = \mathbf{3}$
- $10 – 5 = \mathbf{5}$
- $17 – 10 = \mathbf{7}$
- $26 – 17 = \mathbf{9}$
差を並べた新しい数列 $\{b_n\}$ は $3, 5, 7, 9, \dots$ となり、「初項 $3$、公差 $2$ の等差数列」になっていることが分かります!
この元となる数列 $\{a_n\}$ の差で作った数列 $\{b_n\}$ のことを階差数列と呼びます。
2. 階差数列の一般項を求める公式
元の数列 $\{a_n\}$ の初項を $a_1$、階差数列を $\{b_n\}$ とするとき、$\{a_n\}$ の一般項は次の公式で表されます。
$$\Large a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \quad (n \geqq 2)$$
公式の仕組み(なぜ $\sum$ の上が $n-1$ になるのか?)
具体的に順番を追いかけてみましょう!
- $a_1 = a_1$
- $a_2 = a_1 + b_1$
- $a_3 = a_2 + b_2 = a_1 + b_1 + b_2$
- $a_4 = a_3 + b_3 = a_1 + b_1 + b_2 + b_3$
よく見ると、「 $n$ 番目の項 $a_n$ にたどり着くまでに足した階差 $b_k$ の個数は $(n – 1)$ 個」になっていますよね!
だから、初項 $a_1$ に階差数列 $\{b_n\}$ の初項から第 $(n – 1)$ 項までの和($\sum_{k=1}^{n-1} b_k$)を足し合わせるわけです。
3. 例題解説($n \geqq 2$ の注意点)
テスト形式の問題を使って、満点がもらえる解答の書き方を確認しましょう!
例題
【問題】
次の数列 $\{a_n\}$ の一般項 $a_n$ を求めよ。
$$2, \ 5, \ 10, \ 17, \ 26, \ \dots$$
【解答・解説】
Step 1:階差数列 $\{b_n\}$ の一般項を求める
数列 $\{a_n\}$ の階差数列を $\{b_n\}$ とすると、$\{b_n\}$ は次のようになります。
$$3, \ 5, \ 7, \ 9, \ \dots$$
これは初項 $3$、公差 $2$ の等差数列なので、一般項 $b_n$ は、
$$b_n = 3 + (n – 1) \cdot 2 = \mathbf{2n + 1}$$
Step 2:$n \geqq 2$ のときの公式を適用する
⚠️ 記述の超重要注意点!
$\sum_{k=1}^{n-1}$ は $n-1$ が $1$ 以上でないと意味をなさないため、必ず最初に「$n \geqq 2$ のとき」と断り書きを入れてください!
$n \geqq 2$ のとき、
$$a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k$$
$$a_n = 2 + \sum_{k=1}^{n-1} (2k + 1)$$
$\sum$ の公式の $n$ を $(n – 1)$ に置き換えて計算します。
$$a_n = 2 + 2 \cdot \frac{1}{2}(n – 1)n + (n – 1)$$
$$a_n = 2 + n(n – 1) + n – 1$$
$$a_n = 2 + n^2 – n + n – 1$$
$$a_n = \mathbf{n^2 + 1}$$
Step 3:$n = 1$ のとき成り立つか確認する
⚠️ 確認の断り書きも必須!
今求めた $a_n = n^2 + 1$ は「$n \geqq 2$」という条件で計算した式です。最後に $n = 1$ を代入して元の初項に戻るかチェックします。
$n = 1$ のとき、$a_1 = 1^2 + 1 = 2$ となり、初項 $a_1 = 2$ と一致する。
したがって、すべての自然数 $n$ でこの式が成り立ちます。
【答え】
$$\mathbf{a_n = n^2 + 1}$$
4. まとめ
今回は「階差数列の解き方と注意点」について解説しました。
- 階差数列の意味: 隣り合う項の引き算(差)で作った新しい数列
- 一般項の公式: $a_n = a_1 + \sum_{k=1}^{n-1} b_k \quad (n \geqq 2)$
- 減点を防ぐ3大記述チェック:
- 解答の冒頭に 「$n \geqq 2$ のとき」 と書いたか?
- $\sum$ の公式の $n$ を $(n – 1)$ に正しく置き換えたか?
- 最後に 「$n = 1$ のときも成り立つ」 と確認したか?
階差数列は公式を覚えるだけでなく、記述のルールを守ることが得点への1番の近道です。書き方のパターンをまるごと覚えて得意分野にしていきましょう!
次回は、分数の和がキレイに消える爽快テーマ「【数学B】1-6: 部分分数分解を利用する数列の和を分かりやすく解説!」をお届けします!
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