分数がずらりと並んだ数列の和を見るだけで、「通分するの大変そう…」と嫌になってしまう人も多いのではないでしょうか?
しかし安心してください!このタイプの問題は通分して計算するのではなく、「途中の項がプラスとマイナスで相殺されて次々と消えていく」という爽快な解き方をします。
この記事では、計算を劇的に楽にする「部分分数分解」のテクニックから、例題の具体的な解き方まで分かりやすく解説します!
1. 分数の和は「途中で消える」パターン!
例えば、次のような分数の足し算を考えてみましょう。
$$\frac{1}{1 \cdot 2} + \frac{1}{2 \cdot 3} + \frac{1}{3 \cdot 4} + \dots + \frac{1}{n(n+1)}$$
この式をそのまま通分しようとすると大惨事になります。
しかし、それぞれの分数を「引き算の形」に分解してみるとどうでしょう?
$$\frac{1}{k(k+1)} = \frac{1}{k} – \frac{1}{k+1}$$
この変形を使うと、先ほどの和は次のように化けます!
$$\left( \frac{1}{1} – \frac{1}{2} \right) + \left( \frac{1}{2} – \frac{1}{3} \right) + \left( \frac{1}{3} – \frac{1}{4} \right) + \dots + \left( \frac{1}{n} – \frac{1}{n+1} \right)$$
よく見ると、「$-\frac{1}{2}$ と $+\frac{1}{2}$」「$-\frac{1}{3}$ と $+\frac{1}{3}$」のように、隣り合う項が次々と打ち消し合って消えていきます!
残るのは「最初の項($\frac{1}{1}$)」と「最後の項($-\frac{1}{n+1}$)」のたった2つだけです。
2. 部分分数分解のテクニック
ひとつの分数をふたつの分数の引き算に分解することを「部分分数分解(ぶぶんぶんすうぶんかい)」と呼びます。
覚えておくべき基本公式
分母の差が $d$ であるとき、次の公式で分解できます。
$$\Large \frac{1}{k(k+d)} = \frac{1}{d} \left( \frac{1}{k} – \frac{1}{k+d} \right)$$
💡 ポイント:分母の「差 $d$」を外に出す!
- 分母が $k(k+1)$ のとき(差が $1$): $\frac{1}{1} \left( \frac{1}{k} – \frac{1}{k+1} \right) = \mathbf{\frac{1}{k} – \frac{1}{k+1}}$
- 分母が $(2k-1)(2k+1)$ のとき(差が $2$): $\mathbf{\frac{1}{2} \left( \frac{1}{2k-1} – \frac{1}{2k+1} \right)}$
3. 例題で解き方をマスター!
実際のテスト形式の問題で解き方を確認してみましょう。
例題
【問題】
次の和 $S_n$ を求めよ。
$$S_n = \frac{1}{1 \cdot 3} + \frac{1}{3 \cdot 5} + \frac{1}{5 \cdot 7} + \dots + \frac{1}{(2n-1)(2n+1)}$$
【解答・解説】
Step 1:第 $k$ 項(一般項)を部分分数分解する
第 $k$ 項は $\frac{1}{(2k-1)(2k+1)}$ です。
分母の数の差は $(2k+1) – (2k-1) = 2$ なので、先頭に $\frac{1}{2}$ を出します。
$$\frac{1}{(2k-1)(2k+1)} = \frac{1}{2} \left( \frac{1}{2k-1} – \frac{1}{2k+1} \right)$$
Step 2:$\sum$ を使って和の形に書き並べる
全体の共通因数である $\frac{1}{2}$ をカッコの外にくくり出して、$k=1, 2, 3, \dots, n$ を代入していきます。
$$S_n = \frac{1}{2} \sum_{k=1}^{n} \left( \frac{1}{2k-1} – \frac{1}{2k+1} \right)$$
$$S_n = \frac{1}{2} \left\{ \left( \frac{1}{1} – \frac{1}{3} \right) + \left( \frac{1}{3} – \frac{1}{5} \right) + \left( \frac{1}{5} – \frac{1}{7} \right) + \dots + \left( \frac{1}{2n-1} – \frac{1}{2n+1} \right) \right\}$$
Step 3:相殺して残った部分だけを計算する
途中の項がすべて消えて、先頭の $\frac{1}{1}$ と最後の $-\frac{1}{2n+1}$ だけが残ります。
$$S_n = \frac{1}{2} \left( 1 – \frac{1}{2n+1} \right)$$
カッコの中を通分して整理します。
$$S_n = \frac{1}{2} \left( \frac{2n+1 – 1}{2n+1} \right)$$
$$S_n = \frac{1}{2} \left( \frac{2n}{2n+1} \right)$$
$2$ で約分します。
$$\mathbf{S_n = \frac{n}{2n+1}}$$
4. まとめ
今回は「部分分数分解を利用する数列の和」について解説しました。
- 解法の基本: 通分せず、部分分数分解で「引き算の形」にして途中の項を相殺消去する!
- 部分分数分解の公式: $\frac{1}{k(k+d)} = \frac{1}{d} \left( \frac{1}{k} – \frac{1}{k+d} \right)$ (分母の差 $d$ を忘れずに外へ出す)
- 解法のコツ: 消えずに残る場所(先頭と末尾)を見極めて、カッコの中を通分整理する!
分数の数列を見たら「部分分数分解で消すパターンだな!」とピンとくるよう、繰り返し練習してみてください!
次回は、異なる性質が混ざった高難易度テーマ「【数学B】1-7: (等差) × (等比) 型の数列の和を分かりやすく解説!」をお届けします!
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