数学Ⅲの微分計算において、最も使用頻度が高く、かつマスターしなければならない最重要テクニックが「合成関数の微分法(チェーンルール)」です。
「関数の中にさらに別の関数が入り込んでいる式」を見たとき、どうやって微分すればいいのか、その仕組みと一瞬で解ける実践的なコツをわかりやすく解説します!
1. 合成関数とは?(チェーンルールのイメージ)
合成関数とは、ある関数の結果に、さらに別の関数を重ねて適用する仕組みのことです。
例えば、$y = (2x + 1)^3$ という式は、
- 「$u = 2x + 1$」という関数の中に
- 「$y = u^3$」という関数が組み合わさってできたもの
と見ることができます。
これを微分するためのルールがチェーンルール(連鎖律)です。「鎖(チェーン)をつなぐように、外側と内側を順番に微分して掛け合わせる」ことからこう呼ばれています。
2. 合成関数の微分公式(連鎖律)
数学的に厳密には次のような関係式で表されます。
$$\frac{dy}{dx} = \frac{dy}{du} \cdot \frac{du}{dx}$$
関数記号で書くと、
$$\{f(g(x))\}’ = f'(g(x)) \cdot g'(x)$$
🧠 一瞬で解くための合言葉
頭の中で公式をこねくり回すよりも、次のフレーズで覚えるのが一番早いです!
「外側の関数を微分して中身はそのまま × 中身の関数を微分したものを掛ける」
(= 外微分 × 内微分)
3. 実戦演習:具体的な計算パターン
実際に「外微分×内微分」のルールを使って、定番のパターンを解いてみましょう。
【例題1】累乗の形
次の関数を微分せよ。
$$y = (3x^2 – 5x + 2)^4$$
【解説・解答】
- 外側: 「何かを4乗する($u^4$)」部分 $\to$ 微分すると $4(\text{中身})^3$
- 内側: 「中の式($3x^2 – 5x + 2$)」 $\to$ 微分すると $6x – 5$
公式(外微分×内微分)にそのまま当てはめます。
$$y’ = 4(3x^2 – 5x + 2)^3 \cdot \mathbf{(3x^2 – 5x + 2)’}$$
$$y’ = \mathbf{4(3x^2 – 5x + 2)^3 (6x – 5)}$$
【例題2】三角関数・指数関数が絡む形
次の関数を微分せよ。
$$y = e^{\sin x}$$
【解説・解答】
- 外側: 「$e$ の肩に乗っかっている($e^u$)」部分 $\to$ 微分してもそのまま $e^u$
- 内側: 「肩の上の式($\sin x$)」 $\to$ 微分すると $\cos x$
当てはめて計算します。
$$y’ = e^{\sin x} \cdot (\sin x)’ = \mathbf{e^{\sin x} \cos x}$$
4. まとめ:合成微分を攻略する鉄則
- 「外側の微分 × 中身の微分(内微分)」の順序を体に染み込ませる。
- 括弧の中身(塊)を一時的に $u$ と置いて考える癖をつけると、複雑な式でもミスが激減する。
- 計算の最後に「内微分の掛け忘れ」がないか必ず見直す。
ここがクリアできたら、次は微分計算のバリエーションをさらに広げる「逆関数・陰関数の微分法」へと進みましょう!
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