数学Ⅲの微分計算で、最初に出くわす大きな関所が「積の微分法」と「商の微分法」です。
数学Ⅱまでは多項式の微分が中心だったため機械的に計算できましたが、数3では「関数同士が掛け合わされた式」や「分数になっている式」が当たり前に登場します。
この記事では、それぞれの公式の仕組みと、テストや入試で計算ミスをしないための実践的な覚え方をわかりやすく解説します!
1. 積の微分法(Product Rule)
2つの関数 $u$ と $v$ が掛け合わされた式 $y = uv$ を微分するときに使います。
公式
$$\{f(x)g(x)\}’ = f'(x)g(x) + f(x)g'(x)$$
(記号でスッキリ書くなら:$(uv)’ = u’v + uv’$)
覚えるときのフレーズ
「前を微分して後ろそのまま + 前そのまま後ろを微分」
【例題】
次の関数を微分せよ。
$$y = x^2 e^x$$
【解説・解答】
- 「前」を $x^2$、「後ろ」を $e^x$ とみます。
- 前を微分:$(x^2)’ = 2x$
- 後ろを微分:$(e^x)’ = e^x$
公式に当てはめると、
$$y’ = (2x) \cdot e^x + x^2 \cdot (e^x) = \mathbf{x(2 + x)e^x}$$
(共通因数 $xe^x$ でくくるのが綺麗にまとめるコツです)
2. 商の微分法(Quotient Rule)
分数関数(分子と分母のどちらにも変数 $x$ が含まれる式)を微分するための公式です。
公式
$$\left(\frac{u}{v}\right)’ = \frac{u’v – uv’}{v^2}$$
覚えるときのフレーズ
「分母の2乗分の、分子を微分して分母そのまま ➖ 分子そのまま分母を微分」
(※引き算の順番を絶対に間違えないように注意!)
【例題】
次の関数を微分せよ。
$$y = \frac{x + 1}{x^2 + 1}$$
【解説・解答】
- 分子 $u = x + 1$ (微分すると $u’ = 1$)
- 分母 $v = x^2 + 1$ (微分すると $v’ = 2x$)
公式に当てはめて計算します。
$$y’ = \frac{1 \cdot (x^2 + 1) – (x + 1) \cdot 2x}{(x^2 + 1)^2}$$
分子を展開して整理します。
$$y’ = \frac{x^2 + 1 – (2x^2 + 2x)}{(x^2 + 1)^2} = \frac{-x^2 – 2x + 1}{(x^2 + 1)^2} = \mathbf{-\frac{x^2 + 2x – 1}{(x^2 + 1)^2}}$$
3. なぜこの公式が成り立つのか?(積の微分の証明の考え方)
数学Ⅲの記述式対策として、積の微分公式がどうやって導かれるのかを知っておくと安心です。導関数の定義式 $\displaystyle\lim_{h \to 0} \frac{f(x+h)g(x+h) – f(x)g(x)}{h}$ に、「途中で $f(x)g(x+h)$ を引いて足す(巧妙な変形)」というテクニックを使います。
- 分子に $- f(x)g(x+h) + f(x)g(x+h)$ を挟み込む
- 項を2つに分けて $g(x+h)$ や $f(x)$ で括る
- $h \to 0$ をとると、ちょうど $f'(x)g(x) + f(x)g'(x)$ の形が現れる
(※詳細な変形は教科書や参考書で一度確認しておくと、いざというときの記述力につながります!)
4. まとめ:微分計算の鉄則
- 積の微分 $(uv)’ = u’v + uv’$ は「前微分×後そのまま + 前そのまま×後微分」。
- 商の微分 $\left(\frac{u}{v}\right)’ = \frac{u’v – uv’}{v^2}$ は「分母の2乗分の、分子微分×分母 – 分子×分母微分」。
- 商の微分は分子の引き算の順番ミスが起きやすいので、丁寧な途中式を書く癖をつける。
ここがクリアできたら、次は微分の計算バリエーションをさらに広げる「合成関数の微分法(チェーンルール)」へと進みましょう!
💡 数学Ⅲの基礎をさらに固めたい方へ
「学校の授業だけだと少し不安…」「独学でスムーズに数3を進めたい」という方は
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