積分法の応用のなかで、最も王道かつ得点源にしなければならないのが「図形の面積」を求める問題です。
数学Ⅱでも曲線と直線の間の面積を求めましたが、数学Ⅲでは対数関数・指数関数・三角関数や、複雑な分数関数が絡むグラフの面積を扱うようになります。
この記事では、どんな複雑な図形でも確実に面積を求めるための「鉄則」と、計算ミスを防ぐ手順をわかりやすく解説します!
1. 面積を求めるための大原則:「上引く下」
座標平面上で2つの曲線 $y = f(x)$ と $y = g(x)$ (および $x = a, x = b$)で囲まれた図形の面積 $S$ は、次の定積分で求められます。
基本公式
$$S = \int_{a}^{b} \{ (\text{上側の関数}) – (\text{下側の関数}) \} dx$$
💡 最重要の鉄則
積分区間 $[a, b]$ の間において、「常にどちらのグラフが上にあるか($f(x) \ge g(x)$ か)」を必ず確認し、【上側 ➖ 下側】の順で引き算すること!
順序を逆にしてしまうと、面積がマイナスになってしまい大失点につながります。
2. 面積計算をミスしないための「4つのステップ」
テストや入試で面積問題を解くときは、次の4つのステップを必ずノートに書き出す習慣をつけましょう。
📝 面積計算の基本ステップ
- グラフの概形をざっくり描く
- 交点や位置関係(どちらが上か)を視覚的に把握する。
- 2つのグラフの交点(積分区間の端点 $a, b$)を求める
- $f(x) = g(x)$ を解いて、交点の $x$ 座標を特定する。
- 「上側の関数 ➖ 下側の関数」の式を立てる
- 途中で大小関係が入れ替わる場合は、交点で積分区間を分割する!
- 定積分を計算して答えを出す
3. 実戦演習:曲線と直線の囲む面積
【問題】
放物線 $y = x^2 – 2x$ と直線 $y = x$ で囲まれた図形の面積 $S$ を求めよ。
【解説・解答】
- 交点(積分区間)を求める$x^2 – 2x = x$ より、$$x^2 – 3x = 0 \implies x(x – 3) = 0$$交点の $x$ 座標は $x = 0, 3$ と求まります。
- 大小関係を確認する$0 \le x \le 3$ の範囲では、直線 $y = x$ が上側、放物線 $y = x^2 – 2x$ が下側にあります。
- 面積の式を立てて計算する$$S = \int_{0}^{3} \left\{ x – (x^2 – 2x) \right\} dx$$$$= \int_{0}^{3} (-x^2 + 3x) dx$$定積分を計算します。$$= \left[ -\frac{1}{3}x^3 + \frac{3}{2}x^2 \right]_{0}^{3}$$$$= \left( -\frac{27}{3} + \frac{27}{2} \right) – 0 = -9 + \frac{27}{2} = \mathbf{\frac{9}{2}}$$
🔥 [裏技・時短テクニック]$1/6$ 公式
2次関数と直線の囲む面積では、公式 $S = \frac{\vert{}a\vert{}}{6}(\beta – \alpha)^3$ が使えます!
上の問題なら $S = \frac{1}{6}(3 – 0)^3 = \frac{27}{6} = \frac{9}{2}$ と一瞬で検算できます。
4. まとめ:面積計算の鉄則
- 面積の基本は $\int (\text{上} – \text{下}) dx$。「上から下を引く」を絶対に守る。
- 必ず自分で簡単なグラフを描いて、積分区間と上下関係を目で確認する。
- 途中でグラフの上下が入れ替わる場合は、交点を境界にして積分区間を分ける。
ここがクリアできたら、次は $y$ 軸方向に積分するケースや、パラメータ表示された関数の面積を求める「様々な面積の求め方・$y$ 積分」へと進みましょう!
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