高校数学Ⅰでは、判別式 $D < 0$ のとき「実数解なし(解なし)」と習いました。
しかし、数学Ⅱで「複素数」を学んだことにより、どんな2次方程式でも常に2つの解を持てるようになります。
この記事では、負の数の平方根の扱い方から、複素数範囲における判別式 $D$ の判別ルールまでを分かりやすく整理します。
1. 負の数の平方根の表し方
$a > 0$ のとき、負の数 $-a$ の平方根は次のように定義されます。
$$\sqrt{-a} = \sqrt{a}i$$
例えば、$\sqrt{-3} = \sqrt{3}i$ となります。
⚠️ 超重要注意点!
$\sqrt{-2} \cdot \sqrt{-3}$ を計算するとき、安易に $\sqrt{(-2)(-3)} = \sqrt{6}$ とするのは間違いです。
計算を行う際は、必ず先に $i$ の形に直してから掛ける癖をつけましょう!
$$\text{正しい計算:} \quad \sqrt{-2} \cdot \sqrt{-3} = (\sqrt{2}i) \cdot (\sqrt{3}i) = \sqrt{6}i^2 = -\sqrt{6}$$
2. 複素数範囲での判別式 $D$ による解の分類
2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ の判別式 $D = b^2 – 4ac$ による解の種類は、複素数範囲では次のように更新されます。
| 判別式 D の符号 | 複素数範囲での解の種類 |
| $D > 0$ | 異なる2つの実数解 |
| $D = 0$ | 重解(実数解) |
| $D < 0$ | 異なる2つの虚数解 |
$D < 0$ のときも「解なし」とは書かず、「異なる2つの虚数解」と答えるのが数学Ⅱのルールです!
3. 実践問題(虚数解を持つ2次方程式)
問題1
2次方程式 $x^2 – 2x + 5 = 0$ を解け。
【解答例】
解の公式を適用します。
$$\begin{aligned} x &= \frac{-(-2) \pm \sqrt{(-2)^2 – 4 \cdot 1 \cdot 5}}{2 \cdot 1} \\ &= \frac{2 \pm \sqrt{4 – 20}}{2} \\ &= \frac{2 \pm \sqrt{-16}}{2} \\ &= \frac{2 \pm 4i}{2} = 1 \pm 2i \end{aligned}$$
したがって、解は $x = 1 + 2i, 1 – 2i$ となります。
問題2
$x$ の2次方程式 $x^2 – 4x + k = 0$ が異なる2つの虚数解を持つとき、定数 $k$ の値の範囲を求めよ。
【解答例】
判別式を $D$ とすると、
$$\frac{D}{4} = (-2)^2 – 1 \cdot k = 4 – k$$
異なる2つの虚数解を持つための条件は $D < 0$ なので、
$$4 – k < 0 \iff k > 4$$
したがって、求める条件は $k > 4$ です。
4. 実数係数方程式における「共役な虚数解」の性質
実数を係数とする2次方程式 $ax^2 + bx + c = 0$ が虚数解を持つとき、その解は必ず互いに共役な複素数になります。
$$\text{一方の解が } \alpha = p + qi \quad \Longrightarrow \quad \text{もう一方の解は } \bar{\alpha} = p – qi$$
この性質は、後の「高次方程式」や「解と係数の関係」でも頻出の重要ポイントです!
5. まとめ
- $\sqrt{-a}$ を見たら、真っ先に $\sqrt{a}i$ に直す
- $D < 0$ のときは「異なる2つの虚数解」を持つ
- 係数が実数のとき、虚数解は $p \pm qi$ のペアで現れる
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